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F&B、11巻です。
相変わらずスペイン編です。
審問を無事しのぎ、毒殺もしのぎ、ビセンテやレオ、スペイン王の助けで死線をくぐりぬけきた海斗。
その海斗を救出するために、スペインに身を隠すジェフリーたち。
イングランド組は修道士等に扮しているのですが、ナイジェルは眼帯の見習い修道士…なの?
想像するとちょっと吹き出しちゃいますね。
それとも何か別のものをしているのかな?
わたし、読み損ねてしまったかしら。
作中、スペインでの海斗がやたら咳をしていて、先のあらすじをチラッと見てしまったわたしは成る程!でした。
うーん、前巻同様伏線しっかり引かれてるんですね。
そして今回出てきた作家のセルバンテスですが、何巻か忘れましたが出てきていたはず…
ビセンテが熱心に彼の身元を保証していて思い出しました。
それまですっかり忘れていました(苦笑
あんな有名人だったとは!
しかし、あまり前のことを出されても一気読みしてなかったらわからないですよね(苦笑
弱った体の静養のために海斗が訪れたお屋敷で幽閉されている大公夫人は、自分らしく生きることに貪欲で、そして潔い。
ビセンテや王にとっては敵ともいえる夫人ですが、自分の内面に目を背けることを良しとしないのが意外に好きでした。
シリーズ通してですが、視点がスペイン側もイングランド側も書かれるので、両方の事情やら気持ちやらがえがかれています。
そのため、わかりにくい時代背景や人間関係のわりに読みやすいのかもしれません。
わたしのように、この巻数だし歴史サッパリだしって方はとりあえず二巻くらいまで読んでみてはいかがでしょうか。
一巻だけだと、もしかしたら面白味が伝わりにくいかなあとも思いますし。
本当は七巻まで読むと萌えが爆発するんですが(笑
「無機質な数字で認識されるだけだった人々は今や名を持ち、表情豊かな顔を持っている」
海斗はビセンテ達を知ることによって、スペイン側の苦難に思い至るようになります。
未来の歴史書で見た「スペイン人の死者約2万人」という数字の中に、
スペインで出会った人々が含まれている。
今までただの数字だったものが、ずっしりと海斗に重くのしかかって来るのです。
戦争には絶対的な正義と悪は存在しません。
イングランドとスペイン。どちらにも正義と主張があり、
勧善懲悪でないところが戦争の悲劇です。
私もスペイン編に入ってから、
海斗と同じように手放しでイングランドの勝利を願えなくなってきました。
スペイン側もいい味を出しているキャラ達が多すぎて。
ビセンテに情がわけばわくほど、彼を死なせたくないと強く思う海斗。
そして未来を知る海斗は、スペインの苦難を救う情報を持っている訳です。
しかしそれを知らせると歴史が変わる。
そしてイングランドやジェフリーに対する裏切り行為です。
義理と人情に板ばさみで苦悩し、
自分の言葉はイングランドに災厄を呼ぶと嘆く海斗の姿は、
本当に痛々しくて。辛かったです。
そして今回で海斗を巡ってのジェフリーとナイジェルの関係は
一応決着がついた感じで、ホッとしました。
今後は二人で、全力で海斗を争って下さい(笑)
そしてジェフリーの「淡く切ない初恋の君」というモノローグに、
ホロッとしてしまいました。
今までのジェフリーの言動から、恐らく初恋はナイジェルだろう!と思ってはいましたが。
ジェフリーとナイジェルの親友関係には、激しく萌えてしまいます。