てんてん
特典
本品は雑誌「Dear+2023年ハル号」の読者プレゼントペーパーで
雑誌掲載作の『色悪作家と校正者の結婚』番外編です。
本編後、9月の夕方の出来事です。
今年の盆、
2人は大吾が大切な時期を過ごした遠野を訪れ
墓参りをして遠野をゆっくりと歩きました。
正祐は出かける前に「遠野物語」を再読した上
鞄に入れて持ち歩き、電車の中でもたびたび開き
帰宅してからも読んで
9月の今は「毎日の言葉」を読んでいます。
今もその本を手にする正祐に大吾は
「爺さんに諭されたんで、印象に残った」と言います。
正祐が何を諭されたのかと問うと・・・
A4サイズ片面にてある本についての小話になります。
序文について上から目線だと言う大吾に
祖父に敗戦の翌年の本だと諭され
それによって書かれた年代を鑑みて読む事を
覚えたと言います。
正祐も「舞姫」の豊太郎の裏切りに憤慨した正祐に
明治の男子について教えられたと言いますが
正祐も大吾も恋人への態度について
納得した事はありません。
そんな文学談議とともに女性の記憶力の高さについてや
大吾の元カノについての話へと流れていきます。
日常の何気ない会話に今の幸せを感じられ
ほっこりさせて頂きました。