電子限定かきおろし付
ダヨオ先生の作品は全部買って読んでいます。高校生の水沢くんと先生のお話からファンです。そちらの作品は定期的に読み返す大切な作品ですが、こちらもそれに続く、何度も読みたい作品になりました。
BLはフィクションで、多くの場合女性による女性のための。。。ってことは多いですが、個人的には常に現実世界のLGBTQに関わる現状と繋げて考えてしまうことは多いです。法で守られてもいない現代日本では、ストレート以外の人はほぼ存在していないかのように扱われてしまっていると思うので、「俺は確かにいるんだよバーカ」ということばにハッとさせられ、40代までゲイでこの社会で生きてきた彼の強さを痛快に思うと同時に、そうやって肩肘張って生きなければならないこの社会にいくばくかの悲しみも感じ、大変印象的なセリフでした。
ダヨオ先生の同性婚制度化を願うというお言葉と、多分プライド月間にあわせて出版という意図があったのかな、と、誰もが安心して愛を謳歌できる社会の実現を応援する、はためくレインボーフラッグを見た気がします。
二人よりはちょっと若いけどアラフォーとして、共感して切なくなったりクスッと笑えたりするところがたくさんありました。大人だからこそプラトニックな始まりってほんとあるし、ただただチャンスを逃して恋愛に時間が割けなくてこの年ってほんとあるし、大人だからこそメールで告白でも真摯で全然アリだし。。。そして極め付けは何もないのに転ぶ。。。ほんとある!!笑
40代って、年齢とともに荷物が多くなってきて、独り身でも、子育てしてても、仕事も、恋愛してても、ままならないことを誰もが多く抱えてるのではないでしょうか。そんな中、恋愛だけに限らず、頑張ってればこんな素敵なこともあるかもよ、みんながんばろ!っていうメッセージとしても受け取れたので、明日からもよりよい自分とよりよい社会の実現のために精進したいなと思えました。
2020年のアンソロコミックスで4ページ掲載されていた「最終電車の恋人たち」、さすがダヨオ先生、収められていた作品中1番印象的で大好きでした。
その後雑誌連載中はじっと我慢でコミックスになるのをひたすら待っておりました。
ひとことで言うなれば、おとなの恋の純愛物語、でもおとぎ話ではなくてリアルも伴っているところがイイです。
わざとベッドシーンなど描かれていないところもイイと思います。
最近思うのは濡れ場は必要でも挿入部分とか細かに描く必要、ホントにあるのかどうか?
必要があればそれは構わないんだけど、BLと呼ばれるもの全てに要るわけではない。
ベッドシーンなくたって萌えはありますよね。
もちろんベッドシーンなくて萌えないのもあれば、あっても萌えないのもあるはず。
ダヨオ先生は変化進化していてやっぱり推せます!
それからコミコミスタジオのリーフレットの2人が可愛いです!
平日夜、明日も朝から仕事だというのに、
就寝前に号泣してしまいました。
「YOUNG GOOD BOYFRIEND」を読んだときも
真夜中にボロボロ泣いて翌朝目が腫れていたっけ…。
本作で描かれているのはアラフォーで
世間一般的に“おじさん”と呼ばれる中年ゲイ二人の恋。
年齢=恋人いない歴のシステムエンジニアの春江は
マッチングアプチでマッチングした藤嶋と会うことに。
初対面の夜からホテルに向かい初めてのHとドキドキするも、
疲労からまさかの爆睡で一夜を過ごしたり、
初デートらしからぬ二人のはじまりに微笑ましさが溢れます。
翌朝、目を覚ますと藤嶋の姿はなく、
パックのジュース1本残されていただけ。
初デートは失敗に終わり、藤嶋に見限られたと落ち込む春江でしたが、
その後すぐに再会を果たし、その後も逢瀬を重ねるように…。
外から見ればまぎれもなく両想いなのに、
お互いに好かれているという自信がもてなかったり、
既に相手がいるのでは?と不安になったり、
そんなもどかしいすれ違いを経て恋人というステージへたどり着いた二人。
もういい年をした大人二人なのに、
ちっともスマードじゃないし、むしろ不器用で、
まさかおじさん同士の恋でこんなにも胸がぎゅんぎゅんしてしまうなんて…。
恋愛初心者でなかなか一歩を踏み出せない春江ですが、
心の中では藤嶋が大好きすぎて
「心変わりすんな」と念仏のように念じてしまったり、
「俺をお前の最後の恋人にしてくれ」と願っていたり、
祈りのようなその愛に思わず涙腺が潤んでしまいました。
作中の台詞にもあとがきにもあるけれど、
同性婚が誰からも祝福される世界が早くやってくればいいなと
思わずにはいられませんでした。
藤嶋と春江が夫夫になって、年を重ねてゆく未来がどうか叶いますように。
たくさんの方に読まれて欲しい作品、読まれるべき作品だと思います
最近特に大好きなリーマンBLカテゴリーで素敵な作品に巡り合える率が非常に高くて心が潤っております
本当に嬉しい!!
そしてまた新たな神なるお話しに出会いました♡
この物語の2人、藤嶋さんと春江さんが多くの人の希望そのものに感じます
少なくとも私にとっては本当に大事な2人になっています
言葉にしにくい小さな不安や認めたくない諦め、、、そんなネガティブな感情を共有してくれていたりして傍観者として彼らを見守るのは難しい位に大切な2人として私の心にスッと入って来ます
感覚としては身内のような、半身のような気持ちになって読んでいました
勿論創作なので創り込まれたキャラではあると思うのですが、その創り込みの徹底さが感じられない位にこの2人が自然体なのです
つまりそれがこのキャラの創り込みのクオリティの高さなんだろうなって感心してなりません
例えばもうそれは冒頭の2人の会話で遺憾なく発揮されています
藤嶋さんはイケメン枠ですがそれでも42歳
彼のセリフの「暗いことを考えなさんな」という言い回し
「~なさんな」というセリフは20~30代、ましてやDKじゃ絶対に言わない!
そういうごく自然体なセリフのチョイスひとつがこのキャラを身近に感じさせてくれます
ダヨオ先生がこの2人を掘り下げて掘り下げて動かして、2人の物語を紡いでいるんだなっていうのがすごく伝わります
特定の誰かや何かによって追い詰められたり悩んだりという課題がある訳ではないです
だからと言って何の悩みもない人なんていません
漠然と抱える…抱えて来た不安
カタチにするのが難しい心にしまい込んだ想いを丁寧に救い上げてくれています
しかも「恋」というとても素敵なカタチでその想いを昇華させてくれています
なんて夢があって、そして希望に満ち溢れたお話しなんでしょうか
決して夢見る夢子さん的な超展開ではないのに、それでも「夢がある」のです
眠りにつく時の人肌が恋しくなる、そんなお話しでした
大人になり、未経験のことがあると恥ずかしく思うようになってしまい、時には大したことでもないのに嘘をついてしまうこともあります。
全ての人に正直になんでも言う必要はないと思いますが、自分が恥ずかしいと感じている部分を曝け出してもそれを「愛おしい」と感じてくれる人、自分がそのように感じられる人に出会うことができるのって、どんな年齢になってからでも美しくて幸せなことだなと感じられました。
主人公の二人がアラフォーさんであることもあり、愛の育み方がゆったりしているように見えますが、確かにそこにはしっかりと愛があって、普通に恋愛を楽しむ二人が描かれていると思いました。
優しくて、温かい気持ちになって涙が出ちゃいました。ダヨオ先生素敵なお話をありがとうございました。