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表題作おかえりなさい、愛しい子

シアリーグ、20歳〜、亡国の王子
ロセル、4歳〜、帝国第12王子

あらすじ

忘れ去られた十二番目の皇子ロセルは、捨ておかれた父皇帝の側室シアリーグを母のように慕っていた。暴君の父の目に触れぬよう、シアリーグの大きな愛に包まれて心身ともに健やかに育つロセル。いつか武勲を立て、彼を下賜してもらうのが夢だったが……? 擬似親子の究極の執着愛!!

作品情報

作品名
おかえりなさい、愛しい子
著者
宮緒葵 
イラスト
橋本あおい 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403526008
2.9

(15)

(1)

萌々

(2)

(8)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
40
評価数
15
平均
2.9 / 5
神率
6.7%

レビュー投稿数8

神は神話の存在ではなく

今回は帝国に滅された国の王子と第12皇子のお話です。

母を亡くし父帝にも顧みられなかった受様が
父帝の側妃だった攻様によって帝王になるまで。

テトロティアは東西の交易路が交わる砂漠の小国から
代々の王の武力と経済力で大陸南方の大国となります。

受様の父である現帝は好戦的で
1年の半分以上を戦場で過ごして周辺国を攻略し
好みの美男美女を後宮に連れ帰るため
生れた皇子皇女は50人を超えます。

受様は魔法王国と名高かったウィシャスの滅亡時に
家臣や民の助命と引き換えとなった王女の忘れ形見です。

豊富な魔力を現わす金髪をもつ受様ですが
母が亡くなると後ろ盾もなくなり
誰にも顧みられない存在となります。

そんなある日、受様は
父帝が魔法王国だったエレウシスを殲滅し
金髪の王子を妃としたという噂話を耳にします。
この王子こそ今回の攻様になります♪

攻様に母の面影を求めた受様は
新入りの妃の部屋のある東翼に入り込み
大地の女神もかくやという美貌の佳人と出会うのです。

ただ長椅子に座す佳人は身じろぎも瞬きもしません。
悲しみで心を閉ざしたのかと攻様の投げ出された手に
受様が触れると触れた部分から熱い何かが流れてきて
全身から力が抜けとしまいます。

倒れそうになった受様を抱き留めたのは
今まで微動だにしなかった攻様でした。
受様を抱き上げた攻様は「私の子」と受様を呼び
受様も「母上様」と見た目より逞しい腕にすがるのです。

果たしてこの邂逅がもたらす未来とは!?

心を閉ざした側妃の攻様に執着された受様の
王位簒奪物語になります♪

ギリシア神話の大地の女神の神話を下敷きにしていて
子を奪われた(女神である)攻様が己の子と(確認)する受様を
取り戻すまでの物語となります。

攻様はある理由で心を閉ざした木偶人形でしたが
受様の魔力によって目覚めると

もてる知識と魔力によって
後宮内の悪意と策謀から受様を護りつつ
受様を立派に育てあげるのです。

受様は攻様を後宮から解放すべく
力をつけて攻様を下賜される男になろうとしますが
攻様を母と慕う気持ちは徐々に変化していきます。

己以外が力を持ち事を許さない父帝
己の息子の為なら他の皇子達の犠牲も厭わない妃達
受様の母国の民として隷属を強いられる魔術師達

それぞれの思惑に翻弄されながらも
王としての器を見せる受様は天晴ですし
神話とシンクロする攻様の描き方も見事ですが

攻様の受様への執着度が半ばなく
純真無垢な受様に手を手に入れるために
邪魔になるものは全排除する手腕はえげつなく
お好みによって評価が割れそうなお話でした。

個人的には母子の関係が強調される事で
体現される激しい沼っぷりが宮緒先生らしくて
どっぷり楽しく読めました。

2

作家買いだけど…

宮緒葵先生の作品が大好きなので楽しみにしていました。先生らしい執着攻めのシアリーグと、ロセルが成長して行く過程が面白くてワクワクしながら読んでいました。ですが初めての中立にしてしまいました。

途中までは凄く良かったんです。後ろ盾のない亡国の母親が亡くなって後宮で忘れられた存在であるロセルが、魔術国出身の王子であるシアリーグが導き手となって魔術師として成長し、父皇帝の悪意から逃げ延びつつ国の英雄となって行く姿にページを捲る手が止まりませんでした。

でもなんだろう、ロセルと結ばれてシアリーグの隠された真実が分かった辺りから妙に壮大になってしまって、登場人物の台詞が上滑りしたように感じてしまったんです。

それと皇帝が救いようのない人物だったのも残念だし、呆気なく死んだのも納得行かなくてもっと皆にしたような苦しむ姿が読みたかったと思ってしまいました。

シアリーグがロセルの為に暗躍してたのは好みだったんですけど、最後の最後に含みを持たせるシーンは要らなかったかなと思いました。

あらすじに「擬似親子」とありますが「擬似母子」ですので、彼等のやり取りが地雷の方もいらっしゃると思いました。かくいう私も他作家さまの「擬似親子」ものには凄く萌えたので、こちらの作品はちょっと違うと思ってしまいました。

大好きな宮緒葵先生作品ですが今作は合わなかったです。別に母子でも良いのですが少し強調し過ぎでキ◯って思ってしまいました。

0

絡め取られる

先生買い。とある理由により今ひとつ「読みたいなー」って盛り上がりが少ないまま読み始めたのですが!面白かった。どうなるのかとハラハラして、最後まで一気読みでした。宮緒先生お好きな方でしたら、お気に召すのではと思うねっとり話、本編250頁弱+あとがき。個人的にはひっくり返ってほしかったけど(笑)

帝国第十二皇子として産まれたロセル。亡き母そっくりのキラキラ容貌ですが、冷酷傲慢我が道を行く父、皇帝からは見向きもされていません。そんなロセルの住む後宮に、エレシウスの王子が迎え入れられたとの事。自分と同じ金髪だと聞き、一目見たくなって…と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
クバード(ロセル父、皇帝)、ロセル以外の皇子、その母親たち、オルハン(ロセルの母に助けてもらった魔術師の一人)ぐらい。

++ 攻め受けについて

心を失ったきらきら美人が後宮に、って聞いたら、ねえ?想像するじゃないですか。まずそこでね、あら…となりました。

またその、心を失ったという美人さん。儚げ薄幸美人って思ったんですね。そこでも、あらら…?となったのです。

読みが外されて、あたふたするのですが、お話が惹き込まれたんです。どうなるのか?!と氣になって頁をくっていたら、一冊読んでしまいました。あれこれ気になるところはあるのですが、終わっちゃった…という印象です。

ロセルは人の上に立つのが適している方。人を率先して引っ張っていくというのではないんですけど、周りから引き立てられちゃうタイプかな。

シアリーグはすごい魔術師で、ロセルのことがとある理由により大好きで大好きで。儚げ美人かと思いきや、腹黒属性多めなのでは。

今回、宮緒犬はいないと思うのですが、執着という意味ではこわいと思うほどの執着ありました。どっちがどっちに入れるんだ?と頭を捻りながらの色っぽいシーンもとろとろ多めで、読めば読むほど絡め取られていく心地です。宮緒先生の既刊大好きな方はたまらんのではないかと思う一冊でした。

3

母子BL…?

宮緒葵先生の作品は複数、拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。

個人的、各項目5段階で
ファンタジー 3
エロ 3
執着3
血表現 2
な感じだと思います。

シアリーグさん×ロセルくんのカプです。

テトロディア帝国の第十二皇子のロセルくんは、豊富な魔力を持って生まれた所為で、父皇帝のクバードから愛情を注がれことなく後宮で暮らしていた。そんな中、同じく豊富な魔力を持つという、新参者の側室、シアリーグさんと出会う。亡き母と同じ金色の髪や優しさに、ロセルくんはシアリーグさんを母のように慕っていくが…。

シアリーグさんとロセルくんの出会いは、シアリーグさんが20歳、ロセルくん4歳の頃からになります。その後は6年後、11年後など、物語りは進んでいきますが、その間でもロセルくんとキスをしたり、シアリーグさんの胸をロセルくんに吸わせたりしています。
しっかりめな絡み描写としては、ロセルくんが15歳になってから、シアリーグさんに前を刺激されて精通したり、後ろに指を挿れられたりします。因みに2人が最後まで繋がるのはロセルくんが17歳になってからなので、ショタ受けのような絡みは殆どありません。

今作では、生まれながらに魔力を持っている人々の世界観ですが、舞台となるテトロディア帝国の人々は魔力が殆ど無い状態です。しかし、シアリーグさんとロセルくんは魔力が豊富なので、様々な魔法を使う場面があり、その魔法を駆使してシアリーグさんの執着具合がどんどん凄まじくなっていきます。

ファンタジー要素とは別に、ロセルくんの父皇帝のクバードがかなりの暴君で、機嫌を損ねた相手を処刑したり四肢の切断など、痛々しい血表現があるので、苦手な方はご用心してください。
個人的に、あんなに暴君だったクバードの最期があっさり過ぎてちょっと納得いかなかったですね。もっと苦しめばよかったのに。

ロセルくんがシアリーグさんのことを母親の様に懐いて慕っていて、擬似親子というカプですが、根本的に、母子である必要はあったのだろうかと思ってしまいました。女装攻めキャラはたまにいますが、私自身、その攻めやカプに萌えたことがなかったので、なかなか難しかったですね。

宮緒先生のあとがきで、ギリシャ神話の母子を取り入れているようなので、作り込まれた世界観や設定や展開には、ファンタジー要素も相俟って琴線に触れる人はいると思いますので、読んでみては如何ですか。

5

宮緒先生節炸裂の、ねっとり纏わりつく執着攻めの怖さを堪能

やー……これ、評価に迷う作品でした…!
好みと評価が大きく分かれる作品だろうなあ、というのが読後すぐの正直な感想。

宮緒先生節炸裂!!という感じの、義母BLです。
義母BLというジャンル自体は、正直自分の好みではないんですよね。
橋本あおい先生の絵柄も、個人的には好きなんですが今回は攻め受け共にものすごーーく女性寄りだった気がする。もう少し男味を感じさせて欲しかった、、とは思う。

内容も、皇帝である父王の残虐な振る舞いなんかは正直全く好きじゃなく、途中で「おえ…」ってちょっと気分が悪くなっちゃうぐらいだったんです。

でもでも。

どこまでもねっとりと纏わりつく、執着。
自分が何を求めて宮緒先生の作品を読むか?といったら、もうこの一言なんですよね。
そしてそんな、気分の悪くなるような「ねとねと執着!」を存分に感じさせてくれる作品だったと思う。だから、萌え2です。
(宮緒先生の作品がとても好きなので、ちょっと贔屓は入っちゃってます。「萌」と迷った)

期待していた執着攻めへがしっかり見られたのと、物語としてきちんとオチもついており、一気読みできる面白さがあったから。

決して正統派BL!とは言えず、気軽に人におすすめできる感じではないんですが。。

少し捻った設定が好きで、義母BL問題なし!で、さらにねっとり恐ろしい系の終着攻めが大丈夫な方。そんな方なら…萌える…かも…!(自信はなし)

6

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