特典ペーパー付
名前も知らないあの子の涙
主人公がぱやぱやで当たり障り無さすぎるのはもういっそ置いといて、設定とか展開とか薄すぎない??
まず突っ込みたいんだけど双子。多分顔めっちゃ似てるしたぶん一卵性だよね?いくら性格が真逆だからって自分の生き写しみたいな人に惚れるって、なに?そんなに自分の顔が好き?百歩譲って好意抱くとしてもそれ以上は絶対ないでしょ。ふたりを同い年にさせたいなら幼なじみでもよくなかった?
それに、狭霧が萩の泣き顔シーンから藤が現れたとき、あ、これ双子間違えてるみたいな伏線を期待したら全くなかった。まじで双子要素必要だった?
あと名前なに?萩、藤、って、別に構わないけど苗字あいまって個人的に違和感すごいんだけど。あだ名がそれだったら良かったのに。あと苗字ですごいあのタレントを思い出すから嫌()()
もう一個突っ込みたいのが、狭霧が萩に告白紛いの思いを伝えた場面。あんなあやふやな言い方してたくせに閉じ込められた時にキスしたい?触りたい??挙句の果てに我慢できない????そんな確信するというか思いを募りに募らせる要素まっったくなかったよね??展開とかページ数とか決まってるのかもしれないけどそんな強引に進められても全く感情移入できない。
というか途中まで普通にこのパヤパヤ星人無理だった。最初の方とか人気者とかいわれながら普通に大勢の挨拶とか声掛けとかフル無視してるんだよ??あんたよく嫌われないね??←
泣かせたくないとか言いながら超利己的だし当たり障りなさそうにして全く感情抑えられてないしなんかキャラとしての一貫性がない。もうちょっと作り込んで欲しかった。っていうのが感想かな。
これだけは言いたいんだけどりのちゃん顔可愛すぎる
透明感と憂いのある絵が美しく、表情や場面の切り取り方に惹きつけられました。特に、各回扉絵の構図と、線の質感に滲むあたたかさがお気に入りです。
キャラがみんな純粋で優しく、気を遣いすぎる同士が少しずつ距離を縮める様子にじんわりし、幸せになってくれ〜と思いながら夢中で読みました。
狭霧は陽キャだけど無神経ではなく、開始すぐに嫌味のない人気者の説得力にまんまと堕ち、気づけば応援していました。なかなか自分を大切にしない様子にハラハラしました。
萩は表情がまとう艶に、狭霧さながら魅了されました。徐々に心を開き馴染んでいく様子が楽しかったです。
涙で繋がる、お互い囚われていたものからの救いになる関係が美しかったです。
また、個人的にこの二人のピュアさがとても刺さったので、描き下ろしでもじっくりと愛を育んでいる様子にホッとしました。
双子の藤や親友のウッチーとの関係も描かれているのが好きです。男子高校生らしい明るさと周囲から見た二人の関係の変化が自然に語られて、素敵でした。特典でも四人で仲良くしていたのが嬉しかったです。
純粋でとにかく可愛く、最後まで思いやりに満ちて優しい物語でした。幸せな気持ちになれました。
中高一貫校で、高校生となった狭霧。
仲良かった男子バスケ部のチームメイトともクラスが離れ、不安だったが、そこへかつて泣き顔を見たことがある男子・萩と同じクラスになる。
咄嗟に、仲良くなりたいと声を掛けるが、当然相手はドン引きして、、、
というのも、狭霧は校内で、天が二物を与えたと呼び声高い有名人だったためだ。
そこへ萩の双子の片割れで、陽キャな藤がやって来る。
早速仲良くなる二人。
もちろん、萩とも距離を詰める狭霧。
藤から、萩が人と仲良くなるのはめずらしいなど聞くが、やがて藤には彼女がいて、そんな藤を萩は好きかもしれない…という事実に気付いてしまう。
このお話のハイライトは、瑞々しいけれど甘酸っぱく切ないDKの感性たち。
目は口ほどに物を言う、とか、誰が誰を好きだとか、いつもなんとなくわかってしまう、とか、自分の選択のせいで人の涙を見たくない、思春期の初々しさとか、恋というものを自覚した瞬間だとか、、、
ちなみに、えちはなし。
けれど、お互いが両想いへたどり着くまでのエピソードが、パワー系で押し切ることなく、紆余曲折丁寧に描かれていて読み応えありました。
えち苦手な初心者さんや、心の応酬だけでもお腹いっぱいです! という方に、オススメの1冊です。
たまたま中庭で泣いている姿を見かけ頭の片隅で気になってた人と同じクラスになった…
というところから始まる明るくなんでもできて人気者の天宮と双子の片割れに思いを寄せる萩のお話。
人の泣き顔が苦手な天宮が萩の泣き顔に惹かれたという倒錯的な設定がとてもよかったです。
また陽キャこわいこわいと言いながらここぞという時には行動できる萩がすごくいいなぁと。
個人的に萩の恋心とも言い切れない想いの件はなかなかよかったのですが、天宮の元カノが登場してきたあたりからモヤモヤが止まらんかった〜!!
誰かを泣かせないために自分だけでなく他をも蔑ろにしてしまう天宮に、え、なんでそうなる??と疑問が止まりませんでした…まぁでも付き合ってる側からしたらこれ以上ない特別感、盲目的な恋愛に見えなくもないのでモテる理由にもなるのか…とか色々思いましたが、そこまでの特別な気持ちがないのに泣かせないためだけにその行動をしてしまうのはよくないよ〜〜!
中庭で見かけた彼が気になる、とかバスケしてる彼がキラキラ輝いて見える、とかそういう学生ものならではの青春感はとてもよかったです!!
高校生になり初めて同じクラスになった狭霧と萩。
「はじめまして」から少しずつ仲良くなっていくふたりですが狭霧にとっては「はじめまして」ではないという、過去のエピソードと現在の感情が入り混じるドキドキを味わえる展開でした。
中等部のころ心身ともに弱っていた狭霧が偶然見かけた"キレイな涙を流す人"。
名前も知らない彼のその姿がずっと心に残っていた狭霧ですが、その相手が萩だったというのが判明していきます。
一目惚れしていたとかではないので、すぐに恋が始まっていくことはないけれど。
萩が気になって仕方がない理由とひとつずつ向き合っていくなかで、狭霧が辿り着いた答えはすごくシンプル。
読み手側も簡単に予想できた着地点ではありましたが、そこに行き着くまでのふたりの日々にしっかりとドラマがあるのでありきたり感なく楽しめました。
ただ萩が藤への気持ちに揺れていたエピソードは切なくも微笑ましい感じだったのに対し、狭霧と元カノとの過去はかなりモヤモヤが残るモノだったし、またも流されそうになっていることがかなり引っかかりました。
誰も傷付かない方を選びたいと思うのは悪いことではないけれど、流されてばかりの自分をこれまで振り返ったことはなかったのでしょうかね…。
人のことにはよく気が付くのに自分のことは見えていない、そのアンバランスさが「うーん?」という感じでした。
でも全体的な雰囲気はすごく好きで、それぞれの気持ちが詩的な表現で挟まれるのも素敵でした。
絵もすごく綺麗で、また次の作品が出たら読んでみたいなと思う作家さんでした。