お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
BLコミックの金字塔
色んな出版社から版違いで何種も出ていますが、現在はほとんどの版がすでに絶版で新品は文庫版か電子書籍でしか手に入らなくなっているため、中古も選択肢に交えて購入検討される方も少なくないと思います。
その際の参考になればと思い、ざっくりまとめてみました。
2017年現在、紙書籍が6バージョン、電子書籍が2バージョン出ています。
一番の大きな違いとして、番外編「幸福の鳩」の収録有無があります。
こちらは1991年に出版されたイラスト集『海の天使』に描き下ろされた作品のため、1990年以前の版には収録されていません。
その他は、イラスト収録、解説の有無、カラーページの収録等で少しずつ違いがあります。
◾︎紙書籍
小学館フラワーコミックス版(全17巻)1977年刊
└オリジナル
小学館ハードカバー豪華版(全9巻)1988年刊
└イラスト収録あり(カラー&モノクロ)
角川書店竹宮惠子全集29〜37 (全9巻)1990年刊
└表紙絵描き下ろし
↓↓ここから以降は番外編の収録あり↓↓
中央公論社愛蔵版(全4巻)1993年刊
└イラスト収録あり(カラー&モノクロ)、作者まえがきあり
白泉社文庫版(全10巻)1995年刊
└イラストなし、各巻に異なる解説者による解説あり
中央公論社文庫版(全8巻)2002年刊
└イラストなし、作者まえがきあり
◾︎電子書籍
eBookJapan Plus版(全16巻)
└ebjが直接作者の会社と電子化契約を締結してデータ作成された電子書籍
現存するカラー原稿56ページ分をカラーで復刻収録
まんがフリーク版(全8巻)
└中央公論社文庫版を元にデータ化された電子書籍
私は角川書店の全集で紙書籍を所持していたのですが、番外編がずっと読めていないままだったこともあり、今回eBookJapan Plus版の電子書籍で入手しなおしました。
カラー原稿に差し変わっているページは印象がやはりモノクロとはだいぶん違ってきますね…!初めて拝見したので、独特で美しい色使いにいたく感動しました。
愛蔵版等に収録されている口絵や扉絵イラスト等も収録されていれば嬉しかったですが、残念ながら本電子版には未収録です。
20年振りに読んでも当時となんら変わりなく揺さぶられる、まさに不朽の名作。その一方で、大人になったことでラストの感じ方が自分の中で当時とは大きく変わっていることにこのたび気付かされました。
読み返す機会をくれたebjの企画に感謝します。
これはまた改めてレビューしたいなぁ。まとめられるかなー。
名作です。
この手のジャンルの作品では、後世に与えた影響ナンバーワンとも言われる作品です。
2ちゃんねるのヤオイ板に匿名のままで書き込むと必ず『風と木の名無しさん』になってしまうのは、この作品ゆえw
寺山修司が「これからのコミックは、たぶん『風と木の詩』以後という呼び方で、かわってゆくことだろう」と書いてましたが、呼び方ではなくて「これからのコミックは、『風と木の詩』の洗礼を受けている」という意味で然りと思います。この漫画を読んでないBL漫画家さんは皆無に等しいと思う。
この一巻では、セルジュとジルベールが出会います。
小悪魔ジルベール。13歳の少年娼婦。
真面目なセルジュはジルベールとルームメイトになり、必死で彼を理解しようとし、逆にジルベールの闇に引きずりこまれそうになる。
薔薇とか目の光キラーンとか言い回しとか、昔の少女漫画の作法なんですが、慣れると一気に物語の世界に引きずりこまれると思います。
児童ポルノが騒がれる今日この頃ですが、この作品を推進派の人たちに見せたら、目くじら立てそうです。
小悪魔ツンデレ総受けのジルベールは、あらゆるオヤジに体を求められます。冒頭からHしまくりです。
でもジルベールは、とっても官能的なんです。今のBLでは、あまり求められない要素ではありますが、とにかくゾクゾクするほどセクシーです。
最初は嫌がって抵抗しても、愛がスタートしてしまうと、それに抗うことができず、ズルズルと抱かれてしまう。嫌がっているのに、まんざらでもない、という表情、そして羞恥に耐える表情がたまりません。
虐待される痛い系なのに、もっともっとヒドイことしてほしい~と闇の声がさらなる仕打ちを求めるのです。
背徳的なものほど美しい…
ドキュメンタリー風に幼児虐待はよくない、という陳腐なメッセージを入れずに、この痛い状況を官能的な作品に仕立ててしまう竹宮先生の力技は本当にすさまじい。
今のBLを呼んでいる人は、昔の絵っぽくて嫌とおそらく最初に拒否反応を示すかもしれません。
脇で出てくる雑魚キャラは確かに今の感覚とマッチしてないとことがあります。
しかし、それでも数ページ読んでいくと、半分以上の人ははまってしまうんじゃないかと思います。
画面からは先生の想いがビシビシ伝わってきて、怖いぐらいです。
竹宮惠子作品の中でダントツ1位はやっぱりこれ。
30年以上前!?の作品なのに、全く色あせない、秀逸な作品。
キャラクターがみんな人間臭くて魅力的。
そして、何度も何度も読んでるのに、毎回切ないストーリー。
少年愛だとか、同性愛だとかじゃなく、人間愛ですな。
みんなが哀しくて救いが無い様だけれど、最後は希望の光がほんのちょっとだけ見える。
愛でしか生きられないジルベールも哀しいけれど、私は、オーギュが一番哀しい人だなぁ…と思う。
続編「神の子羊」のりす・はーぜ著と合わせて読むべき!
やっぱり救いは無いけど(^ ^;)
呼ばれるっていうのはこういうことなんでしょうかね。
不意に「風と木の詩」が読みたい!と思ったが翌日には注文していました。
一時、竹宮さんの作品が好きで読んでいた時期がありまして
母が持っていた作品をいくつか読んでいました。
なので、巧い作家さんという印象はあったんですが、なんだかむしょうに。
まとめて一気に読んでしまった今だから思いますが
面白い作品です。
1巻は出逢い~のお話ですね。
開いてすぐから男とのベッドシーン。
身体を売っていると評判のジルベール。あまつさえ先輩だけでなく
校長をも誘惑し、からだの関係を持っているというつわもの。
常にハダカンボウでまるで妖精だな(*´∀`*)と
笑いながら読めました。や、うん。ね。
昔は、読めていた時代物の少女漫画を読むと無償に笑いがこみ上げてしまうのですが、久しぶりにその衝動。
一度読み終わって読み返すとまた感じが違うんだろうなとは思うのですが。
男同士の姦淫も、淫らなことも。
学校も生徒も教師も黙認している。
そんな中にぽっとわいた転校生。
彼ならばジルベールを変えられるかもしれない、なんとかしてくれるかもしれないと一縷の望みをかけて~からな序章。
急速にジルベールに惹かれていくセルジュとジルベールの駆け引きが面白い