「今夜の久慈は、一番やらしくて一番気持ちいい」

コミック

  • スモークブルーの雨のち晴れ 5

スモークブルーの雨のち晴れ 5

smoke blue no ame nochi hare

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表題作スモークブルーの雨のち晴れ 5

久慈静
医療翻訳家,41歳
吾妻朔太郎
塾講師,翻訳学校生,40歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし:桜色ドライブ6P
  • 描き下ろし:夜のスキマ8P
  • 久慈父の翻訳小言
  • カバー下:キャラクター紹介

あらすじ

「隠していた本音が、だだ漏れてしまうくらい愛しくて――」
翻訳の勉強に励みながらも、将来を見据えて塾の正社員となった吾妻朔太郎。
久慈静は編集者の貫田に父親の著書の文庫化に際して収録するエッセイの執筆を頼まれる。
忙殺されて会えない日々にもどかしさを感じる二人だが、ひょんなところから幸運が訪れて――?

アラフォー男二人の翻訳家BL!
描きおろし漫画二本立て収録♪

作品情報

作品名
スモークブルーの雨のち晴れ 5
著者
波真田かもめ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
フルールコミックス
シリーズ
スモークブルーの雨のち晴れ
発売日
電子発売日
ISBN
9784046837899
4.8

(132)

(117)

萌々

(11)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
16
得点
637
評価数
132
平均
4.8 / 5
神率
88.6%

レビュー投稿数16

日常に潜む愛情や垣間見える本音が愛おしい

久慈×吾妻


40代に入る生々しい男臭さが漂いて、

強烈な場面はないものの、
心に染み込むような描写で、
ありふれた日々の疲れや挑戦の中で、
2人が一緒にいる時間の小さな喜びや、
お互いへの感情の動きがじっくりと感じられる。
リアリズムに溢れる2人の関係と日常についつい引き込まれてしまう。


吾妻が翻訳の勉強、コンクールのチャレンジ、
そして塾の仕事もきちんとこなしている中、
年齢を重ねる彼の母親を見ると、年月の移ろいを強く感じる。その際に、
彼の心の重い負担が久慈と過ごすことで徐々に軽くなっていくのがちらりと見えてとても温かい。

久慈が亡き父の著書の文庫化のエッセイの執筆を依頼されて、
その作業を通じて、父親との関係と向き合うことになっていく姿が胸に響く。

2人の心情はそれぞれ違うけれど、
お互いに寄り添いながら、時が流れる中で、
自然に深まっていく関係が本当に素晴らしい。

久慈の初恋の話に少し心が沁みる。
その初恋に嫉妬のような感情が湧き上がる吾妻がちょっと可愛い。

胸に迫ったのは、

吾妻が久慈に抱く表に出ない恋する感情。
リアルで、少し疼くなるような
久慈を求める本心ーー
一緒にいることで癒されること。
久慈を感じる体ーー
久慈の体温や匂いを感じるたびに、溶け込んでいくような気持ち。
久慈を思う姿勢 ーー
久慈の誕生日に特別ではないが何かをしてあげたいという行動。
久慈の誕生日さえ知らなかった吾妻、
そんな2人の関係性、さすがに独特の味わいがある。

そして、
これから吾妻が誰かといても、
吾妻とずっと一緒にいるという久慈の道筋。
派手ではないけれど、
吾妻へのひそかな愛情が込められているのがたまらない。

さらに、
吾妻が「本心がただ漏れしたんだよ」と言った後、
感情が溢れ出す久慈の泣きそうな顔。
2人の想いが通じ合ったことがはっきりとわかった。

温泉宿に急に誘うとき、「朔太郎」と呼ぶ久慈。
信号待ちの時、自然に繋ぐ2人の手も愛しくて仕方ない。

半同棲生活、一緒にご飯を食べたり、タバコを吸ったり、
自然形なキス、エッチ・・・日常の一瞬一瞬で、

一緒にいるのが当たり前の2人の馴染み感、読んで心地いい。
日常に潜む愛情や垣間見える本音が丁寧に描かれて、
静かに支え合う2人の関係性にじんわりと心を奪われました。

12

流れている時間がリアルに感じる抒情的な日常感が素敵❤︎

日常がゆっくりと描かれるなかで
そこから滲み出るように内面の成長が
描かれていく、かもめ先生のこの名作は
今回クライマックスを迎えます。

前回の後半で、ようやく素直な気持ちを
伝えることができた朔ちゃん。

普段、言葉にすることもなく
空気を読み合うようにして
お互い居心地の良さを感じるようだったのが
一度、言葉にしてみると楽になったり
足元がしっかりしてくるような多幸感。
そして、そんな自分を愛おしく思う気持ちが溢れて
また相手のことを愛したい気持ちが鮮明になっていく、そんな朔ちゃんの姿が
ありのままといった感じで淡々と描かれていきます。
この恋愛モードが、とても大人のそれで素敵です。

また、偶然の成り行きにみせて、その先の辿り着く気持ちは恋の行く先にもなっているという
本当に見事なストーリーテラーぶりを
今回もいかんなく発揮されています。

そして、大人の恋愛ということで
身体で繋がる場面が、ガッツリなんですけど
またモノローグと共に本当にエモいです。

心も身体も繋がっていく2人の姿を
ぜひ堪能していただきたいです〜

11

彼らの日常から自然に生まれるエピソードだからこそ完成している世界観に変わらず惹きつけられます

取り敢えず、、、まずは一言残しておきたいと思います

………………。。。
って、、、『かーちゃんだったんかい…っ??!!』と…‼笑笑笑

出鼻を挫かれるというか”久慈らせられた”というか…?!(久慈らせる…完全なる造語ですがニュアンス的に久慈さんを匂わせる的な事ですかね?笑…お察し下さればこれ幸い)

脱線気味に始めてしまいましたが、いつも心待ちにしている大切で大好きなシリーズ作品です

或る意味新しい形の始まりになるこの5巻はすごくすごくドキドキしてページを捲りました
そんなドキドキをこんな形でいきなりクスっとさせられるなんてwwwイメージとしては完全に吉本新喜劇の全員でコケるあの感じでコケてからのツッコミ不可避でしたよ?朔ちゃんの「かーちゃんだった」発言は(笑)
たまらずレビュー冒頭でその気持ちを書いてしまった訳です、、、

そんな始まりで迎えたこの5巻
2人の時間と体が今まで以上に重なっていく瞬間を多く感じられました
決してひとつになることはできないけれど、それを分かっているからこそ手繰り寄せる2人だけの形と日常

変わらずに丁寧に切り取られた2人の時間に引き寄せられてしまいます
散りばめられたエピソードもちゃんと今までの積み重ねの上にあるお話しなのもこの世界に私を留めてくれていてずっと集中して読めます
展開を産む為のエピソードではなく、彼らの日常から生まれるエピソードだからこそずっと浸って読み耽る事が出来ます

ずっとこのまま出来るなら続いて欲しいシリーズです

手をしっかり繋いで信号が青になるのを待つ2人
足をぴょこぴょこ(という表現が最高に可愛かった♡)させて逸る気持ちを抑えられない久慈さんとそんな久慈さんを愛おしく思う朔ちゃん
このシーン、すごく好きでした

読者としてどんどん2人への愛情が増しています
とっても満足度の高かった5巻でした

9

最高に渋くて甘い…

待って待ってようやく届いたコミコミさん便!待ちきれなくて、電子で買ってしまおうか…と何度も思ったんですが、どうしても紙で味わって読みたくて我慢しました。

本当に本当に、我慢した甲斐があった……!!
シリーズ一とも言えるほど、甘い巻だったーー…!!(私には)

今巻の自分的最高に萌えたシーン(久慈)は。↓

1.ぜえはあ言いながら走って吾妻を追いかけ、「朔太郎!」と叫ぶ久慈。
2.温泉宿でのえち時、浴衣の袖からチラ見えする脇毛。

決して毛フェチではないはずなのに……!浴衣から見える脇毛に”男”を感じて萌えてしまいました。

そして、追いかけられ叫ばれた相手・朔太郎が放ったセリフがもうね。嘘偽りない正直な気持ちが照れもなくそのまま出ちゃってて。眩しかった…!

久慈の過去の淡い恋心、朔太郎が向き合う”老いていく母”という現実、そんな中で交わされる二人の静かだけれど深い愛、描かれている全てのことが愛おしく思える一冊でした。

久慈のお姉ちゃん視点の短いお話があるんですが、それがまた最高に沁みて、なんだか泣けました。弟思いの、いいお姉ちゃんだなあ…

二人が再会してから2年、41歳×40歳の日常と恋を、この5巻も堪能させていただきました。はあ…ほんと沁みる。。

8

多忙な日々に追われる二人。

吾妻は学習塾の正社員になり、久慈はお父さんの本の巻末に載せるエッセイを執筆中。なので、なかなか会えない二人です。

そんな彼らですが、多忙に引き裂かれてすれ違い仲違いなんて事にはならず。なにせ大人なので! つまらない邪推をしたりだとか、ワガママを言って相手を困らせたりなどは、しないでのです。なぜなら大人だから!

互いに聞き分けのいい日々を送りつつも、暇があれば会って、一緒にご飯を食べて、セックスしてと、仲睦まじいのです。ほっこり。しかし前から思ってたけど、彼らけっこう性豪だなって。忙しいと益々盛んのような。

多忙な日々の間に挟まる、ちょっとビターなエピソードたち。わたし的に最もジンとしたのは、久慈と三上さんの別れのお話。なんて切ないんだ……でもそれはそうだよね……という納得感のある話でした。

それこそ死ぬまで付き合える関係性は「家族のような」ではなく「家族」くらいしかないわけで。しかし家族という関係性の最後は決して幸せとは言えないものです。幻滅と気苦労と後悔を長く噛みしめた末に、死によって終止符を打たれるもの。しかも、山のような残務処理を残して。

久慈も吾妻も既に父親を亡くしているので、遺された家族の悲しんでる暇もない苦労などもよく解っていて、だからこそ互いに遠回しに、時には直球で、相手に思いをぶつけることはあっても、お互いの関係性を確かに繋ぐような決定的な告白はできない訳です。

言うなれば自らもだもだで停滞することを選んだ二人。彼らがずっと一緒にいたいという気持ちを控え目かつ小出しにアピールする姿がほほえましいのですが、今回はかなりでかいのが来ましたね。それを目撃した原さんの役得ぶりが羨ましいクライマックスでした。

6

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