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土の楽園で会いましょう

tsuchi no rakuen de aimashou

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表題作土の楽園で会いましょう

サウィン
竜人,森の民,1000歳以上
ウルド
森に捨てられた末の王子,少年→大人

その他の収録作品

  • 書き下ろし:星の花
  • 書き下ろし:幸せの記憶
  • あとがき

あらすじ

役立たずと森の外れに捨てられた末の王子ウルドは、
変わり者の森の民で竜人のサウィンに助けられる。
サウィンと二人きりの楽しい日々を重ねるウルドだが、ある日騎士団たちの迎えが…
「貴方が最後の王なのです」。
ためらうウルドを引き留めもしないサウィン。
ウルドは王となるがすぐに隣国に攻め入られ、追い詰められ、絶体絶命!
その時に空から竜がやってきた。敵味方すべてを焼き払って……!
「もう帰るところなくなっちゃったから、俺といっしょに帰るよね、ウルド?」
人間の機微の分からない竜人×棄てられた王子の感涙必至のハッピーラブストーリー
少年時代と大人時代、それぞれのふたりわちゃわちゃの書き下ろし2篇あり

作品情報

作品名
土の楽園で会いましょう
著者
あかいあとり 
イラスト
冬之ゆたんぽ 
媒体
小説
出版社
リブレ
発売日
電子発売日
ISBN
9784799768365

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82

3.6

(25)

(10)

萌々

(4)

(5)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
4
得点
85
評価数
25
平均
3.6 / 5
神率
40%

レビュー投稿数4

197ページで全部持って行かれる

私が持ってるのは紙版なんですが、197ページのモブ(?)のセリフに全部持って行かれるんですよ。
帯に「読んでー!絶対泣くから!!」って書いてあるんですが、個人的にもうこのページ開いただけで泣ける。
その前も泣けるし、その後ももっと泣ける。

なお帯には他にも「人間の機微の分からない竜人×棄てられた王子、ハッピーラブストーリー♡」って書いてあって、これ以上の説明は要らないくらい内容が凝縮されてるんですが、中身を読んだ感動が伝わらないのがもどかしい。

冬之ゆたんぽ先生のイラストがまた美麗で素敵。
不埒なシーンがいっぱいあって大満足。
Web版を読まれた方も是非。

1

私には合いませんでした

初読み作家さまは毎回この作者さまは作品は合うのか合わないのか、ドキドキしながら読んでいるのですが残念ながら今回はあいませんでした。というか面白さが分からなかったです。

書き下ろしですが私は別章にするのではなく、思い切って本文に入れて大幅に改稿するべきだったと思いました。本編が終わってあのお話を読まされるのなら、本編最後の続きが読みたいと思ったからです。

お話の内容は淡々としていてドラマティックな展開がなかったように思いました。あるにはあるのですが上手く表現出来てないように感じました。途中で何度も飽きたしまい、でも購入したからには読まないのは悔しくて飛ばしながら読みました。引き込まれるシーンがなかったからだと思います。

ただ本編の終盤で泣いてしまったのは面白いからでも感動したからでもなく、◯ネタがあったからです。◯ネタがあったからこそ書き下ろしは過去の話ではなく、本編後の続きにして欲しかったです。

5

種族を越えて惹かれるのは

今回は長命な竜人と妾腹の第7王子のお話です。

忘れられた王子だった受様が残された王族として王となり
役目をはたして攻様の傍らに戻るまでの本編と
本編幕間の番外編2話を収録。

受様は小国ルインの第7王子ですが
メイドの母には嫌悪され、父王に荷は認められず
異母兄達とって暴力や嫌味の標的でした。

月の明るいある夜
第5王子と第6王子に暴力を振るわれた上に
長命な竜人がすむとされる神秘の森の入り口で
腕と腹、胸元を切りつけて置き去りされます。

受様は物狂いで血だらけの身を隠す場所を探し
木の根に躓いて転び深く大きな穴におちてしまい
そのまま目を閉じたのですが

この穴を家だと声をかけられつつかれても
「うるさい」と返すだけで精一杯でした。
この声の主が今回の攻様です♪

攻様は森に棲む竜人の中でも変り種の竜で
重い執着を何かに抱いた事がなく
興味の赴くに任せて暮らしをしていました。

ぼろきれ状態の人間の少年はギリギリの境界線上だし
拾ったら俺のモノと、攻様は少年と同年代の人間に擬態し
声をかけたのです。

攻様にとっては新たな娯楽、暇つぶしでしたが
果たしてこの出会いが受様にもたらす未来とは!?

両親にも兄達にも愛されずに育つ受様と
竜の執着心が薄く気ままに生きる攻様の
人外ファンタジーになります♪

最初は2人の関係性が微妙かもと思いましたが
とても面白かったです。

攻様は久しぶりの人間に興味津々ですが
満身創痍の受様にはなかなか受け入れられません。
それでも攻様の態度は変わらず
受様はすこしづつ攻様に気を許していきます。

誰にも愛されなかった受様は
1人で森で暮らす攻様も自分と同じ寂しさを知る者で
家族同然と思っていたのですが

受様が森に捨てられて5年後
流行病で王子達が全員亡くなり、王まで病に倒れ
受様の帰城を促す使いがやってくると

受様は攻様にあっさりと家族の元へ帰れと言われて
攻様に望まれなかった怒りと悲しみで
城へと帰る決意をします。

そこで受様を待っていたのは国の舵取りや
混乱するルインを狙った隣国からの侵略戦争であり
受様は最後の王族としての義務と役目を背負って
自らの首で戦いの終止符を打つ覚悟をしますが

攻様は受様の死を許さず
竜人として受様の命を賭けた戦いを止めるのです。

受様の選んだ道は総じて厳しく
読者にも攻様にも至難な道にしか見えませんが
退く道を選びません。

攻様は受様の望むままに生きられるようにと
献身的に受様を支えていく展開が
私にはかなり予想外でしたし

受様が王政を廃したルインをでて
攻様と森の家で過ごしだしたら
2人の命の長さの違いが浮き彫りになりますが

受様の命尽きるまでの時間を大切にした
2人の想いの深さに胸が詰まりました。

3

未知の感情と恋を育む様子が感動的

サウィン×ウルド


帯に書かれている「読んでー!絶対泣くから!!」に釣られた。
泣くまではしなかったが、泣きたい気持ちになった。


腹違いの兄たちから嫌われ、
残酷な待遇を受けている不憫な王子・ウルドを救ったのは、
竜人サウィン。

両視点から描かれていて、2人の心情に共感しやすい。

森の中での2人だけの隠された時間、
家族的な温かさと、恋人のような甘酸っぱさが混じり合っている。

少年から大人へと成長していくウルド、
最初は強気な一面を見せつつも、
次第にサウィンに馴染んでいく姿がとてもいい。

サウィン、
人間のことがあまりわからず、
ウルド出会った最初ちょっと面白い。
1000歳以上の長寿を持ちながらも、
ウルドの年齢に合わせて人の姿になることに目を引く。
(その人の姿、挿絵から見ると決してイケメンではないが、
少年のような愛らしさがあってちょっよ可愛い。)
竜の姿もドラマティック。
優しいスパダリが、後半で見せてくれる重い執着がまたたまらない。

王族の複雑な関係での別れと再会。
痛手を伴う戦争が2人を試練にかける。

諦念せずにいるサウィンのウルドへの強い想いが胸に迫る。
その後、
王族としてのウルドを後押しして、守り続ける姿がカッコいい。

見どころは、
2人とも恋愛初心者で、
愛されることを知らないウルドと、
「好き」という感情がわからないサウィンが、
孤独を埋め合いながら生まれる愛情。
純粋な2人が、まだ知らない感情や関係、そしてエッチを通じて
心の隅々まで浸透してくるようなやり取りが心温まる。

寿命の違いが切なく・・・心臓に突き刺さる。
涙を誘う感動的なラスト・・・で、
素晴らしいハッピーエンドで本当に良かった。

結末の後の書き下ろしが、過去に遡って、
2人の成長過程を読んで自然と微笑んでしまう。

登場人物が少なくて、複雑なこともほとんどなく、
大変読みやすいファンタジー。

お互いに新たな感情や関係を築き上げる姿が素晴らしい。
読み心地の良い作品でした。

5

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