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角川ルビー小説読者賞受賞作品。
なるほど、ぐいぐいとお話の世界に入り込んで、とても面白かったです。
昨今の多様性とか、生き方とか、いろんなメッセージを受け止められるなぁᡣ(*^^*)
受様は、今では星詠みと言われる神聖な存在のハシュナ。
重大な嘘を抱えて星詠みとして生きてきて、結婚式を前に婚約者である王子テムジンに、嘘を告白するも拒絶され、海辺入ったところを海賊ガルディに助けられる。
このガルディこそ、この度の攻様。
ハシュナだけでなく、ガルディも嘘を抱えて生きてきて。
帯にもありますが、ガルディの「嘘も真実も、全て受け止めてやる」って言葉がグッときました。
1人では抱えきれない時、この言葉は泣けますね。
サバサバした女が好きなはずなのに、と納得ならないまま、ハシュナから目が離せず独占欲を育てまくってるガルディににまにまでした(*^^*)
浮名を流してきたガルディが本気になっていくのは、非常に萌えますわ(*^^*)
婚約者のテムジンが現れてハシュナを奪っていった時は、残りこれだけで、どうなるのかな、とハラハラでしたが、祖国に決着をつける事ができてよかった(≧▽≦)
ただ、ちょっと慌ただしいというか、あっさりというか。
そもそも、そんな時期に往復2か月余り、留守してて大丈夫だったん?
お金をかけるところが違うのでは?
と、テムジンに対して、どう思えばいいのか。
モヤモヤしたものが残りましたけど。
ともかく、星詠みと海賊のお話としては、ワクワクにまにまで読ませて頂きました(*^^*)
不憫な生い立ちの美貌のハシュナは、過酷な環境から逃れるために、王国の王子の伴侶であり「星詠み」となるべく、肩に焼印を押して痣を作る。
その後、20歳を迎えるまで星詠みとして国を支え、王子との婚姻前日、弱気な王子を前に自らが星詠みではないことを明かした。
するとたちまち王子は怒り狂い、ハシュナは逃げ、海に投身しようとしたところ大海賊のガルディに拾われて、、、
というお話。
ハシュナの一人称「私」で綴られている、めずらしい作品で、人によっては好き嫌いが別れそうな文章の運びのような気がします。
読み進めていくとハシュナの「私」呼びな性格に納得なんですけど、最初はなんとなく、BLなのに「私」って、、、と思ってしまったまりあげはがいました焦汗
すみません。
で、先生があとがきで「嘘から始まった人生を肯定すること」がテーマだと仰ってて、物語がドラマティックなのに、この一文だけを見るとなかなか誤解されやすいテーマだなあと、、、
(あとがきから読む人はあまりいないかもしれないけれど、、)
攻めが海賊船を率いる大海賊なので、闘いのシーンなど迫力があり、ラストにハシュナの婚約者であった王子が攻めてきたシーンは息呑む躍動感溢れる展開で、ハラハラドキドキしました。
あと、ガルディがハシュナへの独占欲剥き出しにし、隠そうとせず、最大のピンチもスパダリ的に間一髪で危機を助けに来てくれたのは、まさにルビー文庫さんだなあ♡
という、多幸的展開でした。
「私」という一人称さえ気にしなければ、とても読みやすいお話です!
めちゃくちゃルビーィィィって感じの作品だった。俺様攻めと守られ受けのファンタジー。神話やキャラの設定が凝ってて面白かった。
途中からテムジン推しになり、自分にとっては悲恋のお話になってしまった。
ハシュナはなんとなく聖母的な雰囲気を感じる主人公。地獄から抜け出す嘘を吐いたこと以外、話し方も考えもふんわり。人としての欲も最初はあまり見えない。
ガルディは我儘な子供っぽい。感情を全然隠さないので、ハシュナ視点からでも分かりやすい。
ガルディの第一王子の設定は、神話に当てはめるために必要だったのかな。この設定のおかげでテムジンに一気に同情してしまい、悪役ながら可哀想に思えた。
再登場したテムジンは別人のようで驚いたが、本物のガルディと偽物の自分の立場に苦しんだだろうし、そんな中ガルディが好き勝手にやっているのを聞けば、歪んでいくのも無理はない気がする。
ガルディに全てを押し付けられ、雁字搦めのテムジンにとって一縷の望みであったハシュナまで奪っていくなんて。さらには王族の禁忌まで背負わされて……。
確かに圧倒的に魅力的なのはガルディ。でも本当にハシュナの支えを必要としていたのはテムジンの方なんじゃないかな。「君は好きに生きろ」とハシュナを見送るテムジンに泣けた。これから先も、テムジンは好きに生きることはできないのに。
今作のテーマは、嘘から始まった人生を肯定することらしい。“嘘から始めた”でなく“嘘から始まった”とする意図が気になった。肯定と正当化は紙一重で、細かなニュアンスで捉え方が変わってしまうとこだと思う。
個人的にメインカプの印象は、自ら運命を創造するお話って感じだった。
一人称の文章はちょっと読みづらかった。もう少し主語を省略してくれた方が好み。私は私は、としつこく書かれるのは苦手。ハシュナ視点のみでも状況が過不足なく描かれ、没入しやすいのは良かった。
また楽しみな作家さまがデビューされました。文章力も構成力も文句なしだと思いました。サクサク進むお話はテンポが良くてストレスを感じませんでした。そしてキャラがとても魅力的でした。
1番驚いたのはハシュナの一人称で書かれている点でした。受け視点のお話は数あれど最後まで一人称なのは初めてに近かったです。この一人称によってハシュナがとても真面目な人物だと言うことが伝わって来て、星詠みだと偽った事にずっと罪悪感を抱える人物像が上手く書けていました。
なので後半のハシュナがその枷から外れる瞬間と、ガルディに向き合うまでの気持ちの動きが凄く良く分かりました。また、ハシュナ視点のみなのでガルディのバレバレの本音がいつ届くのかも楽しみでした。
1番キモかったのがナジュム国の王でしたが、彼の圧政に苦しむ民がハシュナを支持する場面がドラマティックで、皆が呪いのような呪縛から解放されるシーンが見事でした。
次作も楽しみにしております♪
今回は大海賊と精霊の生まれ変わりを騙った孤児のお話です。
星詠みを騙って結婚前夜に放逐された受様が
海賊の攻様との出会いで彼の傍らで新たな生き方を見出すまで。
受様の暮らすなナジャム王国の礎は
始祖である大陸神は地に落ちた星の精とされます。
夫より短命だった妻は生まれ変わる事を誓い
数十年後に右肩に星型の痣のある赤子として生まれ
再び一緒になったとされます。
星形の痣を持つ子が生まれると
その前後で神の生まれ変わりとされる王子が生まれ
王国に繁栄をもたらしてきました。
受様は王国の外れにある養児院で育ちますが
黒髪黒目の王国民の中で金髪黄目の受様は見下され
肩身の狭い思いをして生きてきます。
養児院の女主人は特に受様にきつく当たり
闇市で奴隷として売る算段をされているのを聞いた
受様は
元々あった逆三角形の痣に焼き鏝を当てて星型の痣とし
星の精の生まれ変わりの星詠みとして王宮に迎えられます。
受様は星の教えてくれる自然現象を読み取る努力を重ね
それらは予言として広く国内に宣言されました。
受様は偽りの星詠みという嘘を抱えて生きていますが
王子と受様が夫夫となる王国建国記念日を控え
王子がやつれ始めた事で
王子には失踪した兄王子がていて
自らを偽りの世継ぎだと思っている事を知ります。
式の前日、受様に自身を偽物と言う王子に
受様は自分も偽の星詠みだと打ち明けるのですが
王子は「出ていけっ!!」と突き放されてしまいます。
受様はふらふらと城下町へと逃れますが
罪が明かされ死刑となるなら王子の手を煩わせない様に
自死しようと考えます。
受様は見つけた浜辺から冷たい海に身を沈めますが
意識が途切れる瞬間に力強い腕が受様の腕を捕られ・・・
角川ルビー小説大賞・読者賞受賞作家さんのデビュー作は
国作りの伝承をベースにしたファンタジックな恋物語です♪
帯の受様のキャラクター紹介から
小狡い感じのツンデレタイプかなと思ったのですが
理不尽な待遇から生きるために星詠みを騙るものの
民のために懸命に努力を重ねる健気さんでした。
受様を海から救った人こそが今回の攻様で
海賊たちを統べる首領と言われる大海賊です♪
海賊たちは様々な事情もちであり
攻様も自身の過去を隠しているのですが
そんな攻様事情が物語の鍵ともなていて
丁寧に張られた伏線とともに物語を盛り上げていて
とても楽しく読ませて頂きました (^-^)/
ただ2人の関係性が創世神話の踏襲前提のためか
惹かれ合って当然な雰囲気が端々に感じられるものの
どうしてお互いだったのかという部分が
もう少し描かれていると良かったかなと思います。
天然ぎみなニブチン受視点だからと言われれば
そうかもと思えなくもないですが
片視点ならせめて視点者の想いは語って欲しいです。
次作に期待しています♪