イラスト付き
小説
中華風ファンタジーのループもので、ボリュームがあるのに飽きずに最後まで突っ走りました~。
第二皇子の金髪美人受け・太鳳(タイフォン)
第三皇子の黒髪一途攻め・龍生(ロンシェン)
中華風の名前はいつも覚えられず読むのに苦労するので、とりあえず2人の名前だけ頭にたたき込みました!
他の方々はもう漢字で追うだけ~。作者様があとがきで「読みやすいように読んでくれたら」「私は日本語読み」と言ってくださってたので最後にホッとしたくらい(笑)
それにしても切江先生の作品の幅が素晴らしく、今作ではシリアスで耽美な世界観を堪能させていただきました。
BLのラブもありつつ、事件の真相やループの謎、生死を繰り返すごとに深まる2人&周りの人たちとの絆や関係性など…冒頭は世界観に馴染むのに少し時間がかかりましたが徐々にのめり込んで楽しめました。
受けも冒頭から苦しんでいたり緊張感が溢れるシーンが続きますが、ループを繰り返す毎に本来の柔らかさが出てきましたし、攻めがとにかく一途で受けに真っ直ぐで、2人の関係性が変に拗れるようなことがなかったのでノーストレスでした。
どちらかと言うと事件パートがしっかり重きが置かれているのとCPとして個人的ツボにハマるタイプでなかったので、すべてが終わってからの2人の甘いやり取りは(私は)さらりと読んでしまいましたが、すべてが上手く絡み合っていたと思います!
ラブコメも好きですが、先生のこうした作品もまた読みたいです!
異母兄弟もの
未だ皇太子が決まらない開国150年を超える大国、汪国。
夏の宴席で毒を盛られ他の4人の皇子が皆死んでしまい、唯一生き残ってしまった第二皇子・太鳳(受け)
たまたま、味に違和感を覚え食が進まなかっただけですが、幼い頃から一緒に育ち、慕っていた第三皇子・龍生(攻め)を目の前で亡くし、生きる気力も無くなっていた中、犯人だと勘違いした怒り狂った第三皇子の近習に殺されてしまいます。
気がついたら、宴の前日。
前日と同じやりとりが行われやり直していることがわかるのですが、また龍生の死を見なければならないのかと、今回は自分も毒入りと知りながら食事をし死ぬのですが、なぜか再び宴の前日。
そこから、兄弟たちを救おうとしては死に戻りを繰り返すことになるのです。
いつもはコメディタッチの楽しいお話を書かれる方なのでかなり驚きました。作者名を確認したくらい。
ストーリーは最終的には「面白かった」です。
ただ、二段組なためボリュームたっぷり。
たっぷり過ぎて、死に戻るたびに気力が削られていきました。
その度にインターバルを取っていたので読了までに時間がかかりました。
何度も死に戻り、その度に前回までの情報を精査して犯人や毒の正体について推理するのですが、何とももどかしい。
普段からミステリー系の本もよく読んでるので遅々として進まない推理にイラッとなります。
どうして一番怪しい人物を最初から排除するのか。それで何度もやり直して、流石に4回目に死んだ時は読むのやめたくなりました。
あと何回死に戻ることができるのか判明し、あと2回とわかり、この一回は捨てるつもりで動くと早々に決めてて、読む気が再び失せそうになりました。
諸々を全て揃えて、最後の死に戻り。
やーっと本懐を遂げたーっとなった時はやったー終わったーというが最初に感じた感想でした。
あとがきで作者様は絶賛しておられたので恐縮ですが、太鳳の後見人・沈清のイラストと女性言葉のギャップがあり過ぎてどうにも一致しなくて困りました。
途中まで父皇帝のイラストだとばかり思ってた。
読んでる最中はとにかくもどかしかった。
全部わかって読み終わった感想は「面白かった」
ですが、読んでる最中は死に戻りの度に挫折しそうになるのが本当にしんどかったです。
だから評価に困りました。
萌かな
秀逸なループもの作品でした…!
BLだという事も時々忘れて中華&ループ&サスペンス要素にのめり込みました。
一冊で何と贅沢なこと…!!フルコース料理を食べたような満足感です。
ボリュームは多いですが、全くダレる事がなかったです。
タイトルで思いっきりネタバレしている作品ですが(笑)、ご心配なく。ストーリーは奥深いです。
やり直しをするごとに事実に少しずつ近づく過程が面白かった。
一回ループする毎に太鳳を取り巻く世界に変化もあるので、今までの並行世界との変化を思い出したり、考察する楽しみがありました。
事件の真相も凝っていて読み応えがありました。
中華設定ですが、なんちゃってものでなく、しっかり考証してあるので、安心して読めました。
文体や描写も冒頭から終章まで崩れる事がなく美麗で、太鳳と龍生の耽美な兄弟愛にもうっとり酔いしれました…。美しくも残酷な世界が二人には似合うこと。
太鳳がどの転生世界の龍生をも愛し、執着する弟マニアっぷりには笑いました。
オネェな沈清もキャラが濃くていい味を出していました。
BL作家さんはどんなジャンルもお手のもので、引き出しが多い方が多くて感心しますね。これだけのボリュームで辻褄合わせもなされて。作家さんと編集者さんの力量を感じさせられる作品でした。次作も期待しています。
イラストも素敵で豪華な本はいいですね!
主軸は〝最愛の弟を救う〟ラブストーリーですが、何度も人生を繰り返し、繰り返す度に真相に近づいていく謎解き要素が面白くて夢中で読んでいました。
なんせ、周囲の人間が怪しい奴らばっかりなんですよ
もう、誰が味方で誰が敵なのか分からない!!
唯一分かる事は、どの世界線でも弟は「お兄ちゃん大好き♡」ってこと位です笑
人生を繰り返す内に、気づかなかった事や見えなかった事が分かっていく爽快感と、行動を変える事で味方が増えていく少年漫画のような胸熱展開。
そして、気持ちのいい伏線回収でスッキリした読後感!
基本的にシリアスな雰囲気ですが、後半はクスッと笑えるようなコミカルなシーンもあって、切江先生らしさも感じました◎
と、ベタ褒めなのに何故〝神〟評価にしなかったのかと言うと……
人生を繰り返す度に、すれ違っていた弟(龍生)と和解して良き理解者となり、共に謎を解き明かす相棒へと変わり、2人の絆が深まっていくのですが…毎回リセットされてしまうんですよね。
やり直しモノなので、仕方ない事ですが。
私としては、和解して絆を深めて記憶を共有していた龍生は〝その世界線の龍生〟しかいないので、同一人物なのに新しい世界線の龍生は別人のように感じてしまい、少しモヤモヤ……
あと、中国読みに慣れなくて若干疲れます笑
章毎にふりがなのある親切設計にも関わらず、何度読んでも「龍生(ロンシェン)」を「シェンロン」と読んでしまうドラゴン●ールの呪いにかかり、悪戦苦闘しました。中国読みって難しい……!
とは言え、300P超+二段組の大ボリュームと、そのボリュームに負けない物語の面白さで大満足◎
個人的に太鳳の母方の叔父が気になるので、欧州を舞台にしたスピンオフを是非とも読んでみたいです!
先生ご自身があとがきでおっしやってましたけど、甘く愉快なラブコメを書かれるイメージとは、正反対。
めっちゃシリアスで、テイストの違いにびっくりです。
中華王朝で見慣れない漢字名称と名前には苦戦しましたけど、もう好きに呼ばせて頂きました(^_^;)
受様は第二皇子の太鳳。
攻様は太鳳の義弟で第三皇子の龍生。
大宴の最中、5人の皇子の内、龍生を含む4人もの皇子が毒に倒れる。
1人残った太鳳も、龍生の近習である青琴に殺されるも、気がつけば前日の、龍生から呼び止められる場面に戻っていて。
誰が皇子全員の毒殺を企てたのか。
犯人探しをしながら、兄弟達が死なない未来を模索する太鳳。
繰り返す世界だけど、命に限りがあることを知る。
生き直す度に、情報を集め、協力者を増やしていく。
なかなか複雑で、名前は難しいしで、行きつ戻りつ読み返しながら理解していきました。
最後に犯人を糾弾して、兄弟みんなでその後を迎えられ。
幸せになる為に頑張ってきてよかったね(*ˊᵕˋ*)
龍生が、すげー健気な大型わんこで、何度シッポが見えたことか。
近習の2人も、とてもいい子達で、好きでしたわ~(≧▽≦)