• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作午後の光線

(攻め受けなし)村瀬みきお
グロテスクなものに性的興奮する中学生
(攻め受けなし)淀井宏太
家庭環境に苦悩する中学生

あらすじ

”痛み”を介し、熱を帯びた彼らの鮮烈な物語。

母親と、その恋人が取り巻く家庭環境に苦悩する淀井。
トラウマにより、グロテスクなものに性的興奮を覚えてしまう村瀬。
ある日、村瀬が苛烈ないじめに遭っているのを目撃した淀井は、激昂し止めに入る。
それをきっかけに交友をはじめたふたりは、お互いの持つ"痛み"を知り、関係を深めていく。
ふたりのほの暗い青春に、光は差すのか――。

作品情報

作品名
午後の光線
著者
南寝 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
カドコミ【非BL】
発売日
電子発売日
ISBN
9784048113359
4.7

(61)

(52)

萌々

(7)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
9
得点
288
評価数
61
平均
4.7 / 5
神率
85.2%

レビュー投稿数9

素晴らしい作品

私は午後の光線が眩しく思えなかった。読後かなりモヤモヤが残った。
前半から、ダイレクトに今までの経験の中で沢山見てきた男子の嫌な部分がテンコ盛りで胸が痛んだ。いたいた本当にこんなやつらクラスの中に。。。のオンパレード。後半はクラスのまともなやつらの心温まるエピソードも出てきたけれど、主人公があの結末を迎えたし、心が追い付かないし、かき乱された。お話は本当によくできていたけど、読み手の自分が未熟だったのかも。淡い青春に素朴な絵が物語を一層引き立てていたと思う。

0

切なさの奥にある2人の物語

以前テレビで紹介されていたので読んでみました。
まず最初にこの作品は一言で切ないとは言い表せないと思いました。
トラウマを持つ村瀬に対し、自分しか分かってやれないというある意味独占欲のようなものを持つ淀井の村瀬への接し方、想い、行動全てに淀井の気持ちが表れているように感じました。また、村瀬の信仰によく似た淀井への想いを詩的に表す日記の表現がとても素晴らしく思わず感動しました。
最後に淀井が電車の中で笑っているということはきっと村瀬は困った顔ではなく笑ってお別れできたのかもしれないと思いました。
作品をまとめて見たら切ないと言えるかもしれないけど、それだけではなく2人の幸せの感じ方にもとても感じる部分があってすごく素敵な作品だと感じました。

0

BLではない理由

BLレーベルじゃなかったのは2人が同性愛者じゃなかったからかな。結果的には同性愛者じゃんBLじゃんってなるかもしれないけど、村瀬の欲求はトラウマのせいでああいう物に向いていて性愛の対象が曖昧で、おそらくソレが男でも女でも関係なかった。
淀井は自分のことを守れる人や自分が守れるような特別な自分だけの人間が欲しくて、それがたまたま村瀬だっただけで、男性が好きってわけでもなかった。
ただお互いが特別だっただけで、同性愛はテーマじゃない。

0

儚い青春

以前こちらの作品がテレビで紹介されていたので気になって購入してみました。
ジャンルでいうと一般作ということになるのかと思いますがBL要素もあって読み応え十分でした。
中学生の村瀬と淀井。
2人は同じクラスで村瀬は虐められていて。淀井は村瀬がかえるの解剖を見て勃ってるとぽろっと言ってしまったことが原因なんじゃないかと気にしていて。
村瀬は昔人が電車に轢かれるところを見てからグロテスクなものに興奮するようになってトラウマになってます。
淀井は小さいころ父親が亡くなって、母親は男を家に連れ込むような家庭で家になかなか居ずらい。
そんな二人が美化委員で仲良くなって交流していくお話です。
BL的な萌えというよりはヒューマンドラマがしっかり描かれていて。
ちょっと内容は違いますが、スメルズ ライク グリーン スピリットが好きな人には合うんじゃないかと思います。
青春って楽しいだけじゃなくて苦い思いもあったり、それぞれ抱えるものがある二人が出会って交流する中で生まれた一瞬の輝きが良かったです。
読後考えさせられる作品でした。

0

No Title

何って言ったらいいのかわからなくて、読んでから3ヶ月くらいレビューを書かずに放置してしまいました。端的に言うと純文学BL。なかなかお目にかからない作風です。

主人公の淀井は、同じクラスの村瀬のことを気にかけています。いつも口を半開きでボーっと虚空を見ていて、なにを考えているのか分からない村瀬。彼は淀井の迂闊な一言により、虐めのターゲットになってしまったのでした。

淀井は美化委員で一緒になったことと罪悪感から村瀬に近づき、仲良くなります。ところが虐めがよりエスカレートし、目の前で村瀬が傷つけられるのを見た淀井は怒りに我を忘れてしまい……。


冒頭はよくBLにありそうな話でもあるのですが、トラウマを介して関係を深めていく二人というのもあるっちゃある話なのですが、でもすごくて!!(ボキャ貧)

村瀬の内面の豊かさ、彼の目を通して見る世界と淀井の美しさが、キラキラと輝いていて良いのです。

彼は無意識下で死に魅入られていつつ、絶望に黒く塗りつぶされる訳でもなく世界の輝きを受け止め、表現力豊かな筆致で日記に書き留めたり、淀井に一生懸命伝えようとしたりするのです。

最初は淀井に助けられるばかりだった村瀬ですが、やがて淀井の淋しさや諦観を繊細な感性で受け止めて支えるようになります。

何となくハッピーエンドは無いだろうなという雰囲気は最初からずっとあるのですが、薄々そう思っていても終盤はかなりしんどい。淀井と村瀬が憧れた死というものは彼らに何をもたらすのか。それを描いた最終話は読み応えがありました。

……って、うーん。やっぱり私、頑張って何か言おうとして何も言ってないな。

ともあれ、黄昏〜闇の腐女子と自認のある方は読んでみてください!

2

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP