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表題作銀のバッチ Love stories of the four

波手
端正なクラス委員
病弱で子供のような少年

その他の収録作品

  • 冷たい氷の鎮魂歌
  • 舟遊びと夏の水
  • Hearty―心から―
  • Hearty―心のまま―
  • Hearty―心のまま・2―
  • はるか上空のかまいたち
  • 夏の鳥かご
  • スノーマンにお願い
  • ロングスロー

あらすじ

地方の全寮制高校に転入してきた柄木永江。寮費が安かったのでオンボロな旧寮に入った永江は、端正なクラス委員の波手と身体が弱い莢の、たった三人だけで寮生活を始めることになった。子供のように無邪気な莢が気になる永江だったが、莢と波手の身体の関係を知ってしまい…?

作品情報

作品名
銀のバッチ Love stories of the four
著者
藤たまき 
媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMIC BUNKO
発売日
ISBN
9784877249199
2.8

(5)

(1)

萌々

(0)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
12
評価数
5
平均
2.8 / 5
神率
20%

レビュー投稿数2

壊れるから美しい

冬の長い休暇明け、永江が登校すると、
親しい友人の訃報が飛び込んできました。

『好きだった子が死にました』

名作「トーマの心臓」を思わせるオープニングで始まった物語は、
死んだ少年の軌跡を描いて行きます。

冒頭で亡くなった少年の名は莢。
莢はクラス委員の波手と恋人です。小さい頃に虐待されていた莢は、
自分を初めて優しく抱きしめてくれた波手を、熱烈に愛します。

莢の熱烈なアプローチの末、なし崩しに関係を結んだ波手。
真っ直ぐに本能のままに波手を愛する莢と違い、波手は常識人なので。
莢を愛していながらも持て余し、血を吐くまで悩んでしまうのです。

きっかけがどうであれ、莢と波手が愛し合っているのは一目瞭然なのですが。
相手を好きだというだけで、ハッピーになれないのが辛いです。

そんな莢と波手の関係に優しい波風を立てたのは、転入生の永江です。
優しいけれど自分を甘やかさない永江にときめく莢。
莢を愛していながらも、彼から目を反らそうとする波手。
莢に恋をしても彼を強引に奪おうとはせず、
莢と波手の良き友人(理解者)であり続けた永江。

莢・波手・永江の三角関係が切なくて。
『私小説』でも絶妙な三角関係を描いた藤たまきさんですが。
この人は本当に、胸が痛くなるような切ない三角関係を描かせると上手いです。

子供のように笑ったり泣いたり、短い人生を駆け抜けた莢の姿は、
波手と永江の中で一生、生き続けることでしょう。
悲しいけれど儚くて、美しいお話でした。

4

なつかしいが

すごくなつかしかったけれど、あらためて読むと胸が苦しくなるような話だった。いい悪いではなく、痛々しい。

0

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