電子限定おまけ付き
売れない新人ホストのタカヤは、同じアパートに住む小説家のサイトーさんの家の前で寝ていたところ、助けられる。
ゲイだというサイトー。
ちょっぴりおバカなタカヤとサイトーさんの出会いは、タカヤの挑発により、えちな展開となるが、、、
このお話の主人公はタカヤです。
けれど最後まで読み進めていくと、真の主人公はサイトーさんだったのかなあと。
好きだった相手を踏切事故で亡くしたサイトーさん。
それ以来、自分がタヒで楽になることも許さず、自分を罰するような、そんな辛い生き方をしてきたという。
そんなサイトーさんが、夜明け前に出逢った一筋の光。
それがタカヤで。
タカヤの存在によって、救済されたわけで。
タカヤもサイトーさんのお陰で、人生が変化したわけで。
でも救われた比重的には、実はサイトーさんのほうが重かったなあと。
タカヤ母の口から語られた、大切な人を亡くしたあとの考え方。
なかなかそう考えるのは現実的には難しいですが、それでもサイトーさんと同じく、まりあげはもハッとさせられました。
朝が来て、目が覚めてもずっと隣にいる距離になったサイトーさんとタカヤ。
作品終盤で、想いを遂げ合い、長く暗い夜が明けた二人。
もう朝なんて来なければいいじゃなくて、これからは朝が来てあなたがいて、ずっと幸せだという毎日が永遠に続くことを陰ながら祈りたくなる。(どの立場だよ!おい!)
そんな1冊でした。
お表紙開けて、扉カラーのアイス食べてる暗がり? なサイトーさんもエモい!!(泣ける扉絵12月期、大優勝)
山田ノノノ先生の作品、今までの作品は顔がキツイ人物のイメージがあって敬遠していたのですが今回の表紙を見たら今までと、違う。なんか可愛いホストとメガネの小説家。興味が出て手に取りました。
題名からも救済?夜明け?そういったテーマの作品だと思っていましたが、キャラクターの性格や表現がしっかりしていて、タイトル回収の場面では思わず唸ってしまいました。
おバカで駆け出しのホストをしているタカヤがとても可愛いんです。隣の部屋に住むサイトウと知り合って、色々サイトウに迷惑をかけるんですが、そんな交流の中で、暗闇の中で生きていたサイトウの心が少しずつタカヤの明るさに照らされて、温かな感情を取り戻して行くのが良いんです!読み進めていくと、サイトウの心の闇は思った以上に深くて、サイトウがタカヤを可愛がっていけばいくほど、ある日突然大切な人を失ってしまうことの恐怖はとても大きかったのです。
タカヤの八重歯の印象的な顔が可愛いんですよね。そしてホストの仕事の中で、ホストの先輩とか客の女性にタカヤは無知な為に貶められたりするんです。裏表のないタカヤにはホストという仕事は似合わないと思っていましたが、最終的にホストは辞めて別の道を選んでくれた事が嬉しかったです。最初はおバカが目立っていましたが、サイトウと出会って、彼に色々アドバイスされたりする事で自分で考えて行動していくようになり、勉強も少しづつ始めていったりして、そういう素直に成長していく様子が見ていて微笑ましかったです。
そんなタカヤを見てサイトウの心も救われていくのがよいんです。性格も職業も全く共通点のない二人が、お互いに影響し合ってより良い方向に心を開いていけたのが、涙しながら読みました。
それと、サイトウがメガネを取るとかなりのイケメンだし結構プレイはハードな感じがギャップがあって萌えでした。タカヤは見た目どうりにそういうシーンでも可愛さがたくさんありました。
思いがけず良作に出会えて歓喜しました。
売れない新人ホストのタカヤと同じアパートの住人で小説家のサイトーさん。鍵がなく酔って玄関前で寝ていたタカヤを、サイトーさんが助けてから始まる恋。
タカヤのホストなのにスレてない素直で明るく嘘がつけない性格に、どこか影を抱えているサイトーさんも段々惹かれていって…。
愛する人を突然失う悲しみは忘れる事が出来なくて、どうして?という思いと助けられなかった後悔が残された者の胸にはずっと残る。
私にも経験があるのでサイトーさんの苦しみに共鳴しながら読んでいて、でも何年経っても失った事実は変わらないけれど悲しみと共にその人は胸の中に生き続けていて、いつの間にか自分の一部になっているんだな…と改めてこの作品を読んで思いまた泣いた。
タカヤの真っ直ぐさが本当に眩しくて可愛いくて、ずっと2人で笑っていて欲しい。最高に愛おしい2人。眼鏡を外したサイトーさんのイケメンぶりがまたヤバい!エチも濃厚で200点満点!!