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小説
アーサー・ラザフォードシリーズの番外編ですね。お付き合いも2年。NY生活は1年半の落ち着いてきた二人です。
読み応えがありました。じっくり二人の気持ちや考えが書かれてあり、相手への怒りや反省やこれからのことなど…。
トキに親戚が見つかったから会いたいと言うトキに、アーサー!どうしちゃったの!?な反応で。アーサーは話し合いさえ拒んで寝室も別に。ええ〜本当にどうしちゃったの?な始まりでした。
アーサーの傲慢さにこちらも怒りがわいてきます。なぜわかってあげないの?アーサーはスクールの出資者だけどトキが一週間レッスンを休むのがそんなにいけないの?
そして日本。トキと親戚との対面は心配していたようなことは起こらず。良かったですね。
そしてアーサーもトキも最低限のメールしかせず、お互い反省するのですが…、アーサー!!な〜にがこれくらいの意趣返しだよ!何やってるの!トキがそんなことしたら激怒して軟禁しそうなくせに!
最近は初恋王子シリーズもアーサーシリーズもだんだん攻めが、許しがたいけど憎めないけどやっぱり許しがたいようになってきました。
名倉先生作品の中でも大好きなこちらのシリーズ、番外編。
シーモアさん先行配信を先生のXで知り、拝読しました。
個人的感触としては、甘さはかなり控えめ(でも期待していた剃毛プレイはあり!)。
前半はアーサーに、後半はトキにかなりモヤついてしまうところがありました;
唯一安心して世界観に溺れられるのはハリー×大智ペアだったかな。。
今回のお話は、天涯孤独の身だと思っていたし思われていたトキに
年上の”又従兄弟”が見つかり連絡が来て、彼に会いに日本へ一時帰国するー
というもの。
その帰国を巡って対立するアーサーとトキ。
トキの心も生活も、その名の通り救い出してくれたアーサー。
スパダリなのは間違いないし、恋人としての二人の関係は対等…のように見えるけれど、
やっぱりなんとなく読んでいて格差を感じてしまう。。
トキの英会話教室もアーサーの出資によるものだし(トキは頑張って返済中ではあるものの)、
住まいも生活も「アーサーあってのもの」なので、そのへん、
大袈裟かもしれないのですが現代社会の男女の格差を重ねて見てしまい、複雑な気持ちになったりしました。
たった一人の身内だった祖母を失い、アーサーという恋人がいても埋められない
寂しさを抱えるトキ。
そんなトキが、血の繋がりとしては遠い”またいとこ”が見つかって
心から嬉しいと感じる気持ちに共感できるだけに、独占欲から日本行きを反対する
アーサーには「分からず屋だなあ〜!」とやきもきさせられました;
スパダリには徹底的に紳士で優しくあって欲しい、と願ってしまう自分の中の
欲が抑えきれない…
冷淡なアーサーの言葉に、トキと一緒にショックを受けた感じ;
そしてまた、後半はトキの気持ちにちょっとモヤモヤ…
自分から怒って帰国したのに、そんな自分を追いかけてきてくれないアーサーに
焦るトキ。
トキのことはいつも応援する気持ちで読んでいるのですが、
この点はなんだかワガママ甘えっ子お嬢さまのようで、ちょっと「うーん…」と
思っちゃいました;
…とかなんとか言いつつも!!
トキが旅立つ直前に書き残した手紙の中の「愛してる」の言葉にはかなりグッときたし、
出し抜かれた形でトキに旅立たれ、イラつくアーサーが手紙を見て落ち着きを
取り戻し、「待つ」ということを覚えた(!!)その変化にも「おおお…!」と
拳を握り締めました。
トキがアメリカに戻ってからの、二人のお決まりの剃毛プレイ、甘かった✨
ビターな展開が続いただけに、二人の仲直りに心底「ほっ」となる、
そんな緊張感ある番外編でした。