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二哈和他的白猫師尊 1(ハスキーとかれのしろねこしずん)

husky to kare no shironeko shizun

  • 中国
  • 紙書籍【PR】

表題作二哈和他的白猫師尊 1(ハスキーとかれのしろねこしずん)

墨燃(墨微雨・踏仙君)
死生之巓、楚晩寧の三番弟子
楚晩寧(晩夜玉衡・北斗仙尊)
死生之巓の長老の一人

あらすじ

仙門を蹂躙し尽くし、万民に唾棄される人界の帝王となった踏仙帝君・墨燃(モー・ラン)。
彼はおよそ十年にわたる治世の末、晩秋の頃に、反乱軍の包囲の中でついに自ら命を絶った。
一緒に灰となったのは、かつて墨燃の兄弟子で想い人である師昧(シー・メイ)を見殺しにし、
墨燃の行く手を阻んだ師・楚晩寧(チュー・ワンニン)の遺体である。
しかし、再び目を覚ますとそこはどこか見覚えのある妓楼。墨燃は十六歳の頃の自分に生き返っていた。
師昧に再会して、彼が亡くなる前の時期へと生き返ることができた僥倖を嚙みしめる墨燃だが、
まもなく険悪な仲の従弟・薛蒙(シュエ・モン)、そして楚晩寧にも再会し――。

作品情報

作品名
二哈和他的白猫師尊 1(ハスキーとかれのしろねこしずん)
著者
肉包不吃肉 
イラスト
zolaida 
翻訳
石原理夏 
媒体
小説
出版社
ソニー・ミュージックソリューションズ
発売日
ISBN
9784789737074

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53

4.7

(49)

(45)

萌々

(0)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
233
評価数
49
平均
4.7 / 5
神率
91.8%

レビュー投稿数6

この沼、マリアナ海溝くらい深いです

中華ジャンルでもかなり定評が高く、日本語版を待つ声も多かった二哈。誇張なしで海を越えて世界中に愛されている作品です。(海外版で完結まで読了済みですがネタバレは避けて感想を)
▽個人的二哈の見どころ2つ

『愛憎劇』
私は攻めが受けを『大嫌い→大好き』になる展開が大好きですが、肉まん先生の作品はまさにそれです。前世、墨燃は恩師の楚晚寧を尊敬していましたが、冷たい態度やある事件をきっかけに憎むように…。人界を牛耳った墨燃は楚晚寧を軟禁や凌辱し、最終的に楚晚寧を殺して自分も自害するところから物語は始まります。十数年前の自分にタイムリープした墨燃。徐々に明かされていく墨燃の楚晚寧に対する狂気的執着と独占欲が闇深く刺さる人にはたまりません。

今世の墨燃は軟禁時代楚晚寧と長く時を過ごしたので、楚晚寧好みから寒がりな一面まで受けのことを一番理解しています。随所で見せる墨燃の楚晚寧の詳しさや行動から憎悪だけではない感情が垣間見えるのが萌ポイント。さらに、前世では気づかなかった楚晚寧の優しさに今世の墨燃が気づき、少しずつ心情が変化していく過程が魅力的です。

『肉まん先生の表現力』
骨太ストーリーでありながらしっかり盛り込まれたえちえち展開、情景描写、比喩表現、文末の締めくくり、伏線回収、どれをとっても天才的でとにかく筆の力が強い作家様です。
楚晚寧の名前を使わずとも、楚晚寧を指す何かを仰ぎ見る墨燃をみれば今彼がどう言う気持ちなのか理解できたり、情景描写が鮮明に浮かび上がります。読者の心を揺さぶるのが本当にお上手です……。全てを書き切らないことで読者に想像の余地がありそれがまたエモエモで良いです。

すぐに甘くなるわけではなく、重厚なストーリーである為長いお話ですが、だからこそ人生に残る読書体験が出来る作品です。
たくさんの人に届いて愛されて欲しいです。

11

その壮大なストーリーは勿論、説得力ある深い心理描写に惹き込まれます

第3巻の発売を機に、肉包不吃肉先生の超名作『二哈和他的白猫師尊』を拝読しました。

本当に本当に面白すぎました……。
前世で修真界の頂点に登り詰め、悪事と残虐の限りを尽くした挙句自ら命を絶った主人公、墨燃。
その墨燃が前世と今世にまたがる深い愛憎と執念を昇華しつつ、修真界を巻き込む大きな事件の謎に迫っていく物語です。

非常に入り組んでいるものの、特に第1巻はコメディとシリアスのバランスが巧みでページを捲る手が止まりません。
あまりの面白さに、一冊400ページ超だというのに一冊1日ペースで読んでしまいました。

二度目の人生を送る墨燃が、ひとつひとつの出来事を通して少しずつ変化していくさまの描写、彼の性質の掘り下げが素晴らしいです。
彼も自分で自分の感情が上手く言語化できていなかったり、自分でもなんなのかよく分からない所有欲や執着心に困惑したりと、とても人間味があります。

そして不器用でツンデレどころかツンツンツンツンツン(デレ)の師尊、楚晩寧。
優しさも喜びも寂しさも心の痛みも、すべての感情を上手く表に出すことができないその頑なな心情、この描写がまた素晴らしい。
本人の立場やプライドもあり、難しい顔をして周りから一歩引いて “自分には愛だの情だのは必要ない” というスタンスを取ること、これが彼にとっての最大の防衛方法なんだろうなと。
それらの愛や情を渇望してしまったら、自分がとても惨めに感じられてしまうから。自分から欲しいと言えたならどんなにか良いのに。
でも、言えないんですよ……。そんな他人に尻尾を振るような真似はプライドが許さない。
だから、自分には必要ないし興味もないという顔をすることで自分自身を守っているという。
めちゃくちゃ人間味あります……。

今後、この二人がそれぞれにどう変化していくのか。
続きが心から楽しみでなりません。

7

迷ってる場合では無い、読みなさい。

普段見る専ですが、二哈の魅力を布教するため初レビューいたします。

mtmx3作品、病案本、千秋、鎮魂など沢山の中華BL小説を読みましたが、私は二哈を1番に推したいッ!基本的に師尊と弟子3人で物語が進んでいくので話が分かりやすく、ちゃんと地獄もエチもある。

推しポイント① 楚晩寧の性格
中華の受けってみんな恐ろしく強いけど、基本的にはやわらかく明るい性格をしていますよね。でも楚晩寧は違います。口より先に手が出るし、ブチ切れたら容赦なく墨燃(攻)に鞭を振るいます。かなり理不尽な理由でブチギレる昭和のお父さんタイプなんです。ところが中華BLにしては珍しく、受けである楚晩寧の方が、わりと序盤から墨燃に恋心を抱いています。しかしその気持ちは押し殺し、墨燃が幸せであればいい、と黙って見えないところで攻めに尽くす受けなんです。健気で切ない。受けが先に惚れてクソデカ感情を抱き、攻めに尽くすパターンは珍しいと思いませんか?新鮮で萌えます。

推しポイント② 楚晩寧のリアクション
中華の受けは脳筋が多すぎます。痛みに鈍いのか、傷を負ってもあまりリアクションしない受けが多いと感じているのですが、楚晩寧はちゃんと痛みに顔をゆがめたり、涙を零したりするんです。飄々とした受けも好きですが、痛みをちゃんと感じている上で、弟子たちや平民を守る姿が男前でカッコイイんです。

中華BLでは、攻めの猛アタックの末ゴールインするカプが多い中、こんなに深い愛を初っ端から攻めに注いでいる受けは初めて見ました。楚晩寧の愛の規模がデカすぎてビビり散らかします。中華に足を突っ込んでる人も、そうでない人も、迷っている場合ではありません。さぁ二哈を読むのです。

6

読めば読むほど深い!スルメのような中華BL小説

私は普段、商業BL漫画においても日常・現代世界をテーマにしたものしか読んで来ませんでした。
以前天官賜福のアニメを見たことがありましたが、独特の世界観を理解するのに時間がかかってしまうせいか、中華ファンタジー系のジャンルにはどこか苦手意識を持っていました。
しかし、肉包不吃肉の「病案本」にドドドハマりし、この先生の他の作品も読んでみたい!と強く思った結果、「二哈和他的白猫師尊」を読むに至りました。

前半は世界観理解に苦しつつ、また、読めない漢字やわからない単語の多さに苦戦して(自分が勉強不足なだけ)「??」と思うことも多くありましたが(前半部分が面白くないというわけではありません)、後半は慣れてきたのか、めちゃくちゃ面白く感じてきて(やっと面白さがわかってきた!という感じでした)読む手が止まりませんでした!!!現在1巻を読了して2、3巻も購入しましたが、特装版を買わなかった過去の自分をぶん殴りたいです笑。

メンタル強強なド執着攻め×淡白で堅物なスパダリ受け(ただし、不器用な面あり+攻めに不意をつかれると動揺)というカップリングが最高ですね。これは同じく肉包不吃肉先生の書く「病案本」に共通する点も多いと思います。
現在1巻まで読了の私として、一番感情がたかぶるポイントは、普段感情を表に出すことのない厳しい師尊(しずん)の楚晩寧(チュー・ワンニン(=受け))がとても弟子(攻め含め3人)思いだということがわかる言動です。

あと、カップリング以外のところで言うと、個人的に弟子3人の掛け合いも好きです。バチバチの仲悪い(?)2人(墨燃(モーラン)と薛蒙(シュエモン))とそれをなだめようとする師昧(シーメイ)の3人はバランスがとれていますよね。そして、それを見守る師尊はもっと好きです笑

とにかく、今まで自分が苦手意識をもっていたファンタジー分野で初めて心掴まれた作品として、「二哈和他的白猫師尊」は自分にとって特別な作品となりました。本には登場人物表が挟まっており、「これ誰だっけ?」となってもこの表を確認しながら読み進めました。あとは3枚の挿絵を楽しみにこれを目指して読み進めていきました笑
よくわからない部分があっても初めは完璧に理解しようとはせず(いつかは理解したい)、とりあえず全体を読みきってみるのがいいと思いました。

5

 中華BLは、天官賜福しか読んだことないです。
 邦訳小説が発売される話が出る前から、2haが気になってたので念願の2haデビュー。
 
 原作ほ読んでない(読めない)です。
 たぶん神視点。
 攻め視点がメインで進んでいたのに急に一、二行だけ受け視点というか、攻め視点では知ることの無い相手の気持ちの描写が入るから、これは墨燃が思ってる事なのか楚晩寧が思ってることなのか? と困惑する。
 一人のセリフで括弧が分割されてたりするから、ちくわ大明神現象になる。
 A「分かりやすくカッコの前に印つけます」
 B「連続で括弧があるセリフを書かれたら、二人が交互に会話してるみたいだけど〜」
 B「後半は会話じゃなくて一人のセリフだよ〜」
 え、Aがそんなこと言う? みたいになる。

 でも個人的には、天官賜福よりも訳が読みやすいと感じた。

 攻めの墨燃、受けの楚晩寧、とにかく二人のキャラクターが最高。
 前世での墨燃が楚晩寧を陵辱して殺した話が出る度に、もっと詳しく事細かに詳細に! ってテンション上がってました。
 受けは攻めの事が好きだけど、攻めは受けを嫌ってる、ってシチュが大好きなので、二十四章で楚晩寧の想いを目の当たりにした瞬間、大激爆萌えしました。楚晩寧のツンデレレベルカンストしてる。
 墨燃が師昧を好きな上に、師昧と楚晩寧の中身が入れ替わったりするから、楚晩寧の気持ちを考えると切ない気持ちになる。

 設定も粗筋も知っていたがいざ読んでみると、楚晩寧が転生したバージョンがとても読みたくなった。セルフわからせが見たい……。
 次の人生で、墨燃にめちゃくちゃ優しく甘やかす楚晩寧IFが読みたい……。

3

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