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表題作花にして蛇シリーズ1 アンヒンジ

アダム・マルヴァニー
27歳、サイコパス兄弟の末っ子、元スーパーモデル
ノア
21歳、アダムの被害者の息子

あらすじ

子供時代父親を殺されたノアが突き止めた犯人は元モデルで、大富豪マルヴァニー家に集められたサイコパス兄弟の一員だった——。人を愛せないサイコパスに芽生えた感情、注目の新シリーズ開幕!

作品情報

作品名
花にして蛇シリーズ1 アンヒンジ
著者
オンリー・ジェイムス 
イラスト
市ヶ谷モル 
翻訳
冬斗亜紀 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403560606
4.8

(38)

(35)

萌々

(2)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
186
評価数
38
平均
4.8 / 5
神率
92.1%

レビュー投稿数4

「魂についた傷は消えない」

シリーズもので、登場キャラが継続、起こる事件は一冊でまとまっている感じかな。原書はサイコパス7兄弟を一人ずつ主役にして進んでいく、全7巻(他にアンソロも1冊有り)の作品。これはぜひシリーズ全冊翻訳版をお願いしたい!

まず一人目のサイコパスはアダム。その特殊な生い立ちは、序盤にさらっと語られる。虐待から保護され、殺人者として育てられるなんて辛くなってしまうが、本人の様子や殺しのターゲットのあまりの酷さに、つい応援したくなってしまう。

原書のシリーズ名“Necessary Evils”の通り、法が役立たない悪を成敗する“必要悪”。兄弟たちには、司法システムの誤りを正すという信念があった。
ちなみに日本語版のシリーズ名“花にして蛇”は秀逸だと思う。作中に記述があるが、サイコパス7兄弟をとても綺麗に表している。

今回アダムが出会ったのは、昔殺した男に関係するノア。いきなり銃口を突きつけてきた相手に、まるで恋でもしているような反応を示すアダム。ノアも殺すつもりだった相手に、キスを許し無防備になる不思議な反応。

急速に近付き、恋人のような関係になる二人だが、サイコパスの人を愛せない性質が障害に。といっても、傍から見れば本人たちが気にし過ぎかな、と。
愛なんて形のないものは、そこに在ると言い張れば良い。ノアのためなら何でもすると決めたアダムが言えば、感情が分からなくても、それはもう愛で良いと思う。

ノアに執着するアダムは、確かにサイコパスの特徴を持っているのかもしれない。でも自分に足りていないところを理解し、できない・分からないことを自己申告したうえで、ノアと関係を築こうとするところが良かった。

ターゲットの犯罪はどこまでも広がっていき、児童売買・虐待から殺害疑惑まで。被害の描写はボカされているので、読みやすかった。ただ、悪を成敗するシーンまで描写がカットされていたのはびっくり。読みたかったわけでなく、ビクビクしながら覚悟してたので。
印象的だったのは「魂についた傷は消えない」というフレーズ。とても重い言葉。

事件の残虐さや犯人たちの醜悪さなど、読んでいてしんどい面もある。権力者による隠蔽や立証の難しさなどから野放しにされ、今も苦しむ子供たちがいる現実。サイコパスなダークヒーローたちに期待したくなるシリーズ。

1

サイコパス狂犬×トラウマ持ち

とっても良かったです〜
サスペンス読んで気持ち悪くなったりしないタイプの腐人におすすめです。
とってもグロではないけれど、ややグロくらいかな。ペド注意。
子供が大変な目にあっています(ぼかされていますが受けの様子に心が痛む)
あと洋書の言い回しに抵抗ない方がいいかも。
ベイビーとかいいます。
元々米サスペンスドラマが好きで、ク◯マイとかブラックリ◯トやコールド◯ースが好きな私にはどんぴしゃでした。

受けだけに優しい殺人鬼を地で行くお話。
シリアルキラーでサイコパス、元モデルの攻め

攻めに殺された被害者の息子
(実際は父子に血縁はない上、父は誘拐犯でペド)

2人が出会い、強烈に惹かれ合いペドたちに復讐を遂げるお話です。
悪人が20人ほど死にます。
攻めの家族が特殊で、そのお話が花にして蛇シリーズとなっているようですね。

BLとしての注意点は
攻めが受けの希望を何でも叶える(バチボコ殴るし首絞めたりもするし雑にも扱う)
プレイ以外は攻めは受けだけの忠犬
サイコパスのわりに攻めは受けだけに優しい

サイコパスの初めての愛かもしれない気持ちなので、受けがひどく落ち込んで吐いたり泣いたりで忙しい時に、攻めの中で頼れる人たちに電話して、対処法を聞くのがめちゃくちゃ良かったです。
萌え散らかしました。

続きも追っていきます。

1

「愛を感じる能力がない」という男の愛

『サイコパス』『殺人鬼』
という言葉がかなり散見されるお話なんですが、
想像以上に温かな愛を感じてビックリしました。

このお話は、
<サイコパス殺人鬼×殺された男の息子>のCPで、
あらすじからは血生臭いダークな香りしか感じません。
一体どんな痛々しいヒリつく関係になるのか…。

緊張しながら本を読み進めたら、、、ですよ!!!

あれ???甘い???っていう(∩´///`∩)ネ!
攻めは受けにめっちゃ優しいし、愛しかないし、温かい。
(もちろん受け限定で。受け以外はどーでもいい)

というのも、この作品のサイコパスは
『必要悪として訓練・管理されたサイコパス』なんですね。

大富豪がサイコパスの素質がある子どもを集め、
擬似家族の中で一般的な感情の模倣を叩き込み、
本来の性分を活かす場として殺人もさせて。
統率のとれた『サイコパス7人兄弟』を作り上げて。

(殺す相手は連続レイプ魔や小児性愛者など)
(裁きを受けずのうのうと暮らしている奴等が対象なので)
(大富豪パパの言い分としては「必要悪」な殺人っていう)

なので攻めは『管理され自覚のあるサイコパス』。
独占欲・執着心が格段に重いのを理解しているからこそ、
暴走する前に自制心を持って距離が置ける人なんですね。

もちろんどうでもいい相手にはしないけれど、
受けには嫌われたくないから事前確認を怠らないのです。
自分の感情は異質で暴力的だと理性的に捉えてるのです。

だからこそ受けに対する言動の端々に気遣いがあって、
これがも~~~~~めっちゃ甘いッ!!!
受けが傷つかないことを第一として動く姿が良きです。

あと苦しんでる受けを癒やす方法がわからなくて
他者に相談してる場面も愛しかなくてめっちゃ好き。
(今まで相談なんてしたことなかっただろうに…)

愛情たっぷりな行動にしか見えないのに、
攻め本人は「愛を感じる能力がない」という矛盾よ…。
自分は愛も罪悪感も良心の呵責も持ち合わせてないと。
このチグハグさがグッと萌えました(∩´///`∩)

受けは……とても強かったです。
小児性愛者の被害者で、強いトラウマを抱えて、
酒とドラッグでなんとか記憶を誤魔化しててーーー。

けれど攻めの存在が生きる世界を変えていきます。

自分を苦しめた奴等を見つけ出そうと戦う姿、
7人のサイコパス殺人鬼を前にした時の豪胆さ、
もがき苦しみながらも前へ前へと進んで行く姿。

受けの心が壊れそうで心配になる展開が続きますが、
受けは攻めの存在があって強くいられるんですよね。

何気ないところで心がフッと救われるというのかな…。
攻めが一般的な感情を持ち合わせてないからこそ
酒やドラッグ漬けになっている受けを肯定するんですね。

普通の人なら重すぎて手に負えない状態でも
ケロリとして側にいるのがすっごい良かった…!!!
サイコパスな点が長所として在るんですよね…!!!

この作品でサイコパス攻めのイメージが覆りました。
私にとっては良い意味で…でしたけど、
狂気的なサイコパスを求めてたら違和感があるやも。

今回の攻めは7人兄弟の末っ子なんですが、
兄弟の中には殺人に快楽を求めるガチヤバもいます。
今後のシリーズ展開で兄編を読むのが楽しみです…!

面白かった!!!
あと市ヶ谷モルさんの表紙がかっこよすぎて好き。
(元々のきっかけは表紙買いです)

8

殺人一家のサイコパス7兄弟が贈る歪な恋1作目

モノクローム・ロマンス文庫のディープ・エッジライン。
黒地に真っ赤な文字で「ヤバい恋、あります」なんて書かれてしまったら、これはもう読むしかないでしょう。
結果、非常にディープで読む人を選ぶ内容の作品だったかなと思います。

とある大富豪に引き取られた、人を殺めることになんのためらいもないサイコパス7兄弟の恋を描いたシリーズの1作目となる今作は、美しい容姿を持つ末っ子・アダムが主人公。
かつてまだ少年だったアダムによって父親を殺された青年・ノアとの出逢いから始まる物語…と、この時点で愛憎入り混じるドロドロの展開を想像したくなるところなのですが、予想に反して不思議な読み心地になる作品でした。

正直、アダムのサイコパス感は期待していたよりもやや薄く感じられたものの、読んでいてなんだか変な気持ちになるんですよ。
アダムとノアの両視点で綴られる、ノアの父親が殺された理由を彼らとともに紐解いていくうちに、だんだん自分の中の「普通」の感覚が麻痺していくんですよね。
殺人を犯しているはずのマルヴァニー一家の方が正しいもののように見えてくるというのかな…
もちろん決して褒められた行いではないのですけれど、ある意味ダークヒーローのようにも見えてくる不思議。
それもこれも、作中で描かれていた犯罪がどれも卑劣であり、その一方で粛清する側のアダムたちのキャラクターが魅力的に見えたからなのかもしれません。

そして、世界観も題材もダークだというのに、アダムとノアの関係性が終始甘くて驚きました。
どう見ても2人ともどこかがおかしいんです。
ただ、第3者から見ればおかしくても2人の間では成立していて、とびっきり甘い恋模様を繰り広げてくれる姿はまさに破れ鍋に綴じ蓋。
愛を理解できないアダムの執着にも似た一途さと、読み始めと読み終わりで印象ががらりと変化するノアの相思相愛っぷりは好みでした。

個人的には、海外にはこんな切り口のお話もあるのだなとおもしろく読めたのですが、やはり題材的にも少々好みが分かれそう。
次巻はまた別の兄弟の恋が見られるようなので、7人分じっくり追いかけたいです。
注意点があるとすれば、犯罪の種類において、いわゆる地雷的な苦手要素がいくつかあるよという方にはあまりおすすめはできないかもしれません。
特に子供がつらい目に遭うのが苦手な方は間違いなくしんどいです。
フィクションとして分けて読める方は問題なく読めるかなと思います。

11

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