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黒竜の王弟殿下は孤独なオメガの王子を寵愛する

kokuryuu no outeidenka ha kodoku na ouji wo tyouaisuru

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あらすじ

長く幽閉されていた第一王子でオメガのシオンは、人質兼側室として他国へと出される。だが王とつがわされる前に発情不全が発覚し、王弟で竜族のアルファ・ラルフと共に生活することに……?

作品情報

作品名
黒竜の王弟殿下は孤独なオメガの王子を寵愛する
著者
幸崎ぱれす 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403526244
4

(1)

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
4
評価数
1
平均
4 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

”発情促しレッスン”から始まる、溺愛竜人王弟×”期待はずれ”王子の恋物語

幸崎ぱれす先生の新刊は、王族×竜人×オメガバースファンタジー。

笠井先生の描かれる竜姿の攻め・ラルフがもう、神々しかった✨
美しすぎて、じーーっと細部まで見入ってしまいました。

不憫受けが攻めと共に生活することとなり
新たな道を見出していくストーリー、
そして朴念仁攻めの甘い溺愛、コミカルさ漂う物語の雰囲気が
とても心地よかった(*´˘`*)

”天然おっとり系の受け”ってちょっと苦手だったりもするのですが、
今作の受け・シオンはとある事情を抱えていることもあり、
頬をぷくっと膨らませたりする姿にほっと安堵したり、微笑ましくなったり。

後半にはただ”可愛い”だけじゃない、頼もしい姿も見られ
素直に応援できる受けでした。


主人公は小国の第一王子でΩのシオン(受)。
6歳でバースが判明した時から16歳の現在まで幽閉され、
塔の中から出られない生活を送っていました。

そんな時、大国・カルドシア国王のもとへ
人質兼側室として送られることに。

シオンを迎えに来た王弟で黒竜竜人・αのラルフ(攻)と共に
カルドシア王国へと渡るのですが、
そこでシオンが発情不全であることが発覚。

そこで国王から「ラルフが責任を持ってシオンと共に生活し、
発情を促すように」と命じられー

と始まる、朴念仁攻め×不憫天然受けの恋物語です。


なんといっても一番萌えたのは、長く続いた孤独な幽閉生活に
身も心もすっかり慣れきり、感情が欠落して ”なすがまま、されるがまま”に
なんでも受け入れます…という状態だったシオンが、
不器用なラルフとの交流によって感情を花開かせていく様子!!!

「怖い」とか、「可愛い」「美しい」と思うこと、
それを”隣にいる誰か”と語り合える、共感し合えるという幸せー

そういったことに少しずつ気付いていくシオンの変化と、
そんなシオンをたまらなく可愛く思い、内心身悶えしてるラルフの描写が
胸キュンでした・:*+.


特に好きだったのが、二人で庭を歩いている時のお話。
木の上のリスが持っていた花が落ち、シオンの頭の上にぽてっと着地するシーンです。

しげしげと花をみつめ、その後木の上のリスを見つめ、最後にラルフを見上げて…

「ヤコウリスさんが、お花をくれました」

と、呟くシオンーーーー!!!


シオンの詳しい表情については書かれていないのですが、
”自分がどんな表情をしているか 分かっているのだろうか”という
ラルフの独白から、ぱあっとその表情が目に浮かんで…

感情を心の外に出す術を知らなかったシオンが花開くように変わっていく様子、
たまらなく萌えました...

もーーーこんな可愛い年下の子とくっついて生活してたら、
そりゃラルフだって絆されるよねっ!!という感じ(*´艸`)

実は出会った当初は感情の欠落したシオンを苦手だと感じていた
ラルフなんですが、
常に心のどこかで気にかけちゃってる様子とか、
ちょっともう特別な感情、興味を抱き始めちゃってるよね!?って思えるところにも、
また萌えました◎

そんなこんなでキャッキャウフフ…と交流を深めていく二人。
本気でシオンに恋してしまったことを自覚し、
シオンもまた自分を特別に想ってくれていることを感じ取ったラルフですが、
シオンはもともと、兄王であるヴァレリーの側室候補!

”発情を促す”という当初の目的は達成したものの、
自分が本気で恋をしてしまったから一緒になりたい、ということは
許されないことは必至。

それを十二分に理解し、ある覚悟をもってシオンへの恋情を兄に告げようと
決意するラルフが、カッコ良かった…✧

そんなラルフですが、シオンを前にすると
デレッデレになってる(真っ赤になってたり、鼻の下伸びてそー!っていうのが
想像できちゃう溺愛っぷり笑)のもまた、萌える〜〜

で、兄王との恋の対決、いかにー
と思われたところ、(うっすら予想していたけれど)
食えない兄・ヴァレリーの思惑にニヤリとしました( ̄∀ ̄)

そんな感じで中盤までコミカルかつ甘く進んでいく物語ですが、
後半は隣国との対立という問題が立ち上がり、一転、シリアスな展開に。

竜の姿となり解決へと赴くラルフに、自分は何もしてやれない、、と
焦り落ち込むシオンですが、ここでシオンの持つ知識が、
紛争解決の大きな鍵となります。
幽閉中に書物を読み漁っていたことが、思わぬ形で生きてくるのですね。

αのように大きく強い体や武術の心得など持たないシオンだけれど、
別の形で大きく貢献することになるー

そんな主人公の活躍に、ワクワク!!!
心沸き立ちました。

一方で、あれっ?とちょっと気になった点も。

一つは、ヴァレリー(国王)が元側室でシオンの親友となったレフィ(女性)を
「病死」したことにしていたこと。
それが原因となり、彼女の弟による逆恨み事件・
シオン誘拐暴行事件が起こってしまいます。

レフィ、そこまでして家族と縁を切りたかったの..?
弟が”姉を死に追いやった国”として恨むようになるのも
仕方ないような気がしてしまった。。(やったことは絶対許せないけれど!)
病死を偽装する必要、あったのかな、、

また、事件を起こした弟のその後の処遇が曖昧なままなのも、
気になった点でした。

もう一点は、
”女性のΩは、番と離縁しても新たに番にはなれないが、
結婚や出産は可能”

という独自の設定です。

なんとなく、一般的なオメガバースの世界観だと
「つがい」以外の者との性交は受け付けない、とか激しく苦しむことになる、
というイメージがあったので。。

”女性Ωに限り、番と離縁しても新たなパートナーと子供をもうけることができる
=性交できる”っというのが、不思議だなあと思いました。


と、「ん?」と思った部分も少々ありつつも。

”期待はずれ王子”だったシオンが感情や自尊心を取り戻し、
愛し愛されて幸せを掴んでゆく過程、じっくり浸って楽しみました✨

来年春頃出版予定だという続編も楽しみ♡
ラブラブな二人に、可愛い子供が生まれたりするのかな…?(*´˘`*)

2

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