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アンバランス・バランス

unbalance balance

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あらすじ

――なあ、オレのこと飼ってみない?
エリート街道を突き進む商社マンの前に現れたのは、
仕事も住む場所も失った人生どん底の同級生!?

十数年ぶりに再会した元クラスメイトの園山(そのやま)を、
家政夫として雇うことになった商社マンの瀬田(せた)。

最初は勤勉な働きを見せる園山だったけれど、
ひと月経つ頃には家事を放り出し、
パチンコ三昧の日々。

それでも、たまに見せる優しさがうれしくて、
「オレのこと好きなんだね」
と問われれば否定できない。

それには中学時代、
園山に救われた過去があるからで…?

思春期に秘めたどうしようもない純愛が
偶然の再会で芽吹くとき――
上野ポテトが描く、ボーイズラブのリアル
初Charaコミックス待望の刊行!!

作品情報

作品名
アンバランス・バランス
著者
上野ポテト 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784199610325

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71

4.1

(9)

(6)

萌々

(1)

(0)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
35
評価数
9
平均
4.1 / 5
神率
66.7%

レビュー投稿数2

どうしようもなさを感じるには感じたけど

手のひらで転がされているように感じた物語の導入が、後半に差し掛かるタイミングでまさかそんな裏事情が隠されていたとは。物語の変化をつける技の上手さや、引きつけ方はさすがの作者さんです。

好きの想いをとことん引きずってしまう愚直な瀬戸のキャラクター性が面白く、天然なんだかちょっと変人入ってるところが物語の良いスパイスになってます。
自分の想いを急に熱く語りだすあの感じはイイですね。瀬田の相談や決意をいきなり聞かされた上司も探偵さんも反応に困っただろうな(笑)
見た目はパリッとスーツを着こなしているだけに、瀬田の素顔が面白かったです。


うだつの上がらない園山とのBLは、ぼやっとしながらも一応の終わりを迎えた感じ。
あんまり締まらないエンドの感じがこの2人っぽさがあって良いのかなと思うけど、クッキリハッキリとした終わり方を期待していた私としては少々心残り感…。続きがあるのなら納得も多少できますが、そんな風ではなさそうだし、うーん…でした。
"どうしようもない"2人がコンセプトとすればこの緩さがベストっていうことなのかしら。暗めの雰囲気とか過去を引きずってる執着心の重さなんかは結構好きな世界観なんですけど、ちょっと期待し過ぎちゃったかも知れない。

この先の2人を見てみたいなと思ったので、少々物足りない読後感でした。
恋人なのか、想いが成就したのか分らない曖昧な関係性を評価してしまうと、私の中では中立でした。

1

どうしようもなく愛おしい、どうしようもない二人

はーーーー…すごい作品を読んでしまった…

読み始めて一気に物語世界に引き込まれ、
中盤、まさかの展開に「ええっ!?」と声が出、
最後の最後には「そうくるかーー…」と呟いてしまいました。

時間を忘れて読み耽ってしまった一冊。
変な言い方なのですが、心地よい衝撃に鳥肌が立ちました…!

以下、本編の重要部分に触れてのレビューとなります。
未読の方、ご注意ください。




最底辺クズヒモ男・園山×エリート商社マン・瀬田。

中学時代、憧れており片思い相手だった園山に、
十数年ぶりに偶然再会した瀬田。
家を追い出されたばかりだという園山を自宅へ連れていき、
家政夫として雇うことにしたものの、彼は家の仕事は何もせず、
昼間からだらしない格好でパチンコに出かけてしまう始末。。

それでも、園山が時折見せる優しさに
どうしようもなく惹かれる瀬田だけれどー

と続きます。


もうこれ、中学時代の憧れからの、
受けの一方的な純愛…というか、執着!と思っていたら。

そこはまあ揺るがないんですが、ちょっと自分の想像の上をゆく
執着と愛、でしたよーーーー…!!!

いや、まさかまさかの、仕組まれた再会!?
あのチンピラは、◯◯だったの!?

で、えっ、園山はそこに乗り込んでついて行って
住み込みで働いちゃうの!?

と、思いもしなかった展開にもう、驚きまくり。


20歳の頃の園山が経験した炎上事件、
住んでいたアパートを追い出されることになった時に
現れていた瀬田。

これ、見た時一瞬「瀬田が嫌がらせしてたの…!?」と思ってしまったのですが;

…違うんだね。。
貼られた嫌がらせの紙の数々を、剥がそうとしてたんだね...!


園山のことが好き過ぎるあまり
どこまでも追いかけて執着して、
再会後に「好きなんだ」「理解したい」と自分の気持ちをぶつけながら
告白して、

「オレはずっと お前のことムカついてたよ」

と言われ、すれ違いが生じて。

そこからの瀬田の奮起、巻き返し、一途さ、諦めなさ、覚悟がもう、
すごかった。(語彙力、、)ちょっと泣きそうになりました( ; ; )

こんなにひたすら一途に思われ慕われたら、もう。
落ちてしまうよーー...!


終盤、”なぜキスをしたのか”を知りたがる瀬田に対し、
園山が心の中で呟いたこと。

”誰だってわざわざ言わない 本当のことなんて”

みんな都合の良い相手が欲しいだけだから…

でも、
”瀬田の言うことは(いつも)「本当」” で本音で、嘘偽りもなく、
愚直なまでにまっすぐなんですよね。
そんな人物は、今まで園田の周りにはいなかった。

”なぜだか、オレでいいらしい…”という園田の独白、
ここに、表情や態度にはなかなか現れない彼の喜びが
ぎゅっと凝縮され、現れている気がしました。

どうしようもなくダメダメだなあ…と思う二人が、
どうしようもなく愛おしくなってしまう物語。

しばらく何度も読み返して、噛み締め浸りたいと思います。
最高の一冊を読ませていただきました…!

迷いなく、「神」一択です◎

★修正:なし(濡れ場はありますが露出なし)電子シーモア

7

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