お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
剛しいらさんの陰陽師もの、全2巻の第1巻。
晴明でなくライバルの道満にスポットライトを当てた珍しい作品です。
歌舞伎などで悪役として描かれることの多い道満ですが、本書では晴明の方が悪役。
その解釈も面白いし、耽美かつコミカルな世界観も魅力的で、オリジナリティ溢れるパラレルワールドとして楽しめるシリーズです。
あらすじ:
桜庭の中将という若き貴族に仕える家人・友則(受け)は、主の恋の成就のため、都随一の陰陽師と噂される道満(攻め)のもとを訪れる。
道満は、主の恋を叶えてほしくば友則の身体を差し出せと言い出し…。
友則は、中将へひそかに想いを寄せる忠君。
主のためなら道満に抱かれることも厭わない肝の座った人物です。
しかし、媚薬を使われ道満に抱かれて以降は、道満の雄々しさや術の凄さにすっかり心酔。
弟子として恋人として道満を慕う、愛らしさと男らしさが共存した魅力的なキャラクターでした。
そんな友則を可愛がる道満は、金色の瞳と髪を持つ大男で、孤高のヒーローとも言うべきエキセントリックな人物。
魑魅魍魎を自在に操り、さりげなく人助けする姿に渋い魅力がありました。
サブカプの中将×少将の相思相愛ぶりも、可愛くていい感じです。
二人の馴れ初め編に登場する虫姦はインパクト大でした。
中将の禁欲中、夢の中で中将に抱かれる少将ですが、実はその正体は道満の放った白い幼虫。
無数の蟲が少将の体内に入りこんでいく光景はリアルに想像するとゾワゾワしますが、描写が耽美なので何だかそれもまたおかしと誤魔化されてしまいましたw
その他脇役としては、少将の姉・橙子様がとても良いキャラ。
男装し蔵人として出仕したり、盗賊に攫われた弟を助けに駆けつけたり、姫君とは思えない勇ましさが大変印象的でした。
全体として、メインカプのイチャイチャより怨霊退治など陰陽師ものとしての要素の方により多くのページが割かれており、魑魅魍魎の世界を堪能できました。
次巻にはいよいよ安倍晴明が登場。
しいらさんの解釈で描かれる晴明像と、道満とのバトルに注目です。