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表題作淡雪

武川秀一
高校生16歳
和倉佑真
高校生18歳

その他の収録作品

  • 春雪
  • 融雪
  • 名残雪
  • AWAYUKI(ショートコミック・陵クミコ)
  • あとがき

あらすじ

自分を偽り、明るく振舞う佑真の日常は、無口な後輩に恋心を抱いたことで一変する。誰も好きにならないと決めていたのに…。
出版社より

作品情報

作品名
淡雪
著者
真崎ひかる 
イラスト
陵クミコ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
淡雪
発売日
ISBN
9784344813380
3.3

(17)

(3)

萌々

(5)

(5)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
6
得点
53
評価数
17
平均
3.3 / 5
神率
17.6%

レビュー投稿数6

高校生なのに、こんなに切なくていいのか?

余命わずかな父と二人暮しの佑真には秘密が2つあります。
1つは男性しか好きになれないということ。
もう1つは、武川の父を、佑真の父(元警官)が職務中誤まって事故死させてしまった事。

2つ年下の武川は、学費を免除されている特待生で優等生で、長身でクールな美男子。
小さく童顔の佑真とは正反対。
二人は、焼き菓子専門店のバイト仲間として顔を合わせるようになる。

ぶっきらぼうで口数は少ないが、優しい武川に惹かれる佑真。
ほんの些細な優しさが、佑真の寂しい心にしみ込んできます。
いつも笑っている佑真ですが、内面は今にも崩れ落ちそうな程に張り詰め、父にも他人にも心配かけまいと明るく振舞っています。
まだ18歳だというのに、生活の事や学校の事、進路の事も一人でそれを抱え込んでいる佑真が痛々しく、とても可愛そうです。

武川が何度も救いの手を差し伸べますが、彼はぶっきらぼうなので、それが優しさだと佑真が理解するまでに少し時間がかかったりもしました。
微妙な接点からじわじわと二人が繋がっていく経過は、焼き菓子店でのほのぼのとした雰囲気から暖かく伝わってきます。

佑真の抱える悩みは切なく、それを支えようとする年下の武川の背伸び。
等身大の高校生がキレイに描かれていると思いました。
とってもセンチメンタルな部分が溢れていて、じーんと心に響くお話です。





5

両親の離婚後、佑真(受)の家族は現在入院中の父と二人だけ。佑真は学校が終わると『Pommes(ポム)』というタルト専門店でアルバイトをしています。
そこに、同じ高校の二年後輩で、“特待生”である武川(攻)がアルバイトとして入ってきます。
たった一人の家族である父の病、異性に興味を持てないこと、佑真の心の中には18歳の少年がたった一人で負うには重たい秘密があるのですが、繊細な内面を隠して、明るいふりと愛想笑いで自分を取り繕っています。
そして攻めの武川は、父がおらず、弟妹合わせて4人兄妹の長男で、16歳にしてその存在は父代わり。そのせいか年齢に見合わないような落ち着きと大人っぽさを持っています。
一見明るい受けと、無口で無愛想な攻め、それぞれに家庭に事情を抱えながら、表面に現われる性格は正反対で、初めはギクシャクするのですが、やがてそこに恋が芽生えるわけですね。
しかし、お互いの家庭の事情が、実は重大な出来事で関係していて。

年下攻めなんですけど、攻めの方が精神的にキッチリ大人のカップルです。
佑真は、傷つけば傷つくほど笑顔を浮かべようとしてしまうところがあるので、ちょっと痛々しいのね。武川がそういう佑真に苛立ったり、本当の顔を引き出して、傷ついているのなら守ってあげたいと思うのもわかる気がします。

切ないお話なのかなと想像していたんですが、二人の恋は切ないというより“甘酸っぱい”という感じ。手の甲が触れ合うだけで、そこに全神経が集中したように意識しちゃうのって、初々しい10代の恋の特権かなぁ…と、オバサンははるか昔が懐かしくなりました。

3

あたたかい雪のお話

ドラマCDを聴いたっきり、原作は積読中でした。
大筋を知っているため、どのようなタイプのお話でどう展開していくのかほとんどわかっていたわけですが、やっぱり原作は原作としてよかったです。

父子家庭の一人っ子で父親は入院中の佑真と母子家庭で4人兄弟長男の武川のお話です。
佑真の父親の事情と佑真が同性しか好きになれない事情、密かに武川に惹かれていた佑真のバイト先に武川が入ってきた偶然が、雪の降る季節に展開されていきます。

ハードな事情を抱えながらも気丈に生きている佑真、彼を温かく見守るバイト先の店長・水沢、ぶっきらぼうながらも佑真を気にかける武川たちが涙を誘い心を温かくしてくれます。

CDでは佑真のお父さんが気に病んでいた事件に重きを置かれていると思ったのですが、小説では佑真自身が武川を思う気持ちの方が多く語られていた気がします。
最後まで事件のことを引きずってはいますが、CDほど暗くなかったと思います。

また、どんだけ地獄耳なの?っていうくらいの水沢さんは、緊張するシーンの多いこのお話の中の休憩所みたいな存在だなぁって思いました。

1

無理をして笑うな

これはシリーズモノです。
この本だけでも分かります。
主人公の受けが 痛々しい男子に感じました。
いつも引きつり笑いで ニコニコ笑っている。
笑いたくも無いのに。
攻めとは バイトが一緒でどんどん距離が近づきます。
受けは 攻めに重大な秘密を持っている。
だから 攻めの顔色をうかがってばかり。
かなりシリアスな事がからんでくるわけです。
受けが必死で隠そうとしています。
お互い好きなはずなのに・・・・。
すれ違いが とてももどかしいです。
秘密を打ち明けた後は ラブラブになります。
高校生って 青春ですね。
キラキラがちょっとキツかったです。



2

『雨・雪』シリーズ1作目・『雪』CP。

このシリーズ、こちらのCPより『雨』CPのほうが好きなんです。こちらがダメとまでは言いませんが。

高校生同士(年下攻)のなんとも切ないラブストーリー・・・なんだけど、いろんなものを詰め込み過ぎて消化不良な感じがしました。

『雨』CPもてんこ盛りなところは同じなんですが、あちらよりなんというか『切なさ』の演出がわざとらしく感じてしまったんですよ。メロドラマ過ぎというのか。

これは自分が年取ってる弊害かもしれませんね。すべてを素直に受け止めてストーリーに浸れないんです。

それに、武川(攻)が到底16歳の高校生に見えません。年齢不相応過ぎてちょっと入り込めませんでした。『サムライ』なのは別にいいんですが。

まあその分、佑真(受)がちょっと子どもっぽい?でもホントの『幼稚』ではないんですよ。やっぱり年齢に似合わない経験をして来ているからでしょうね。

ただ、ストーリー展開に関しては、やっぱりシリーズ(リンク)の『雨』CPと、無意識にでも比較してしまうからというのもあると思います。純粋にこの作品だけなら決して悪くはないし、それなりに好きなんです。高校生同士は結構好みだし。

ここからシリーズは続いて行きます。

1

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