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藤井沢商店街シリーズの完結編は、おなじ街に育った幼馴染みの2人だった。家も2軒隣(たぶん)という近さの、同級生の受と攻。家庭も似た環境だったせいでなにかと仲がよく、小さい頃から比較されて育った受は、なににつけ自分より優れていた攻に劣等感に近いものを抱いていた。それでいて、ナイトのように背後に立ってくれている攻の存在を心強く思っていた。
話は、そんな2人が社会人になってからの再会もの。
とにかくおもしろかった。受がなんとも愛すべきキャラクターで、考えなしでやんちゃなのに、読んでいてほほえましいほど。攻も寡黙で懐がでかいのかと思いきや、意外なほど小心者で人間くさくてイイ(笑)
そんな2人が商店街のドタバタとした日常の雰囲気のなかで、気持ちを通じあわせていく過程が描かれてあった。
同時収録の話は攻視点からのもの。
これを読むと、どれほど攻がかわいい男なのかわかって楽しい(笑)
ひちわゆか作品でヘタレ攻萌えに目覚めてしまった私ですが、この作品のヘタレ攻もかなりのキングオブヘタレでした。
しかも大好物の幼馴染みモノ。
藤井沢商店街シリーズの最終巻ですが、シリーズ中一番好きな作品でしたねー。
最高です。
前半は受視点、後半は攻視点なんですが、前半と後半で攻に対する印象が180度変わります。笑いすぎて腹よじれるほどに変わる。
どんだけヘタレ!
どんだけドンカン!
どんだけ不器用!
笑えるんだけど、笑いつつも超切ないです。この微妙な匙加減で作られる、切なさと笑いのコラボレーションは、榎田さんにしかできない技なんじゃないかなァ。
ちなみにこのシリーズ、どこから読んでも大丈夫です。
順番に読むと、チラッと登場する前作キャラにこっそりニヤケることができますが、本編には関係ないお楽しみみたいな感じなので。
都心で美容師をしていた晴輝は、親との約束を果たし実家の美容院を継ぐため、しぶしぶ藤井沢に帰ってきた。
そこで再会したのは幼馴染みで親友だったおとなりの圭治。
海洋学を学ぶ学生だったはずの圭治は、なぜか父親の後を継いで理髪師になっていた。
近くにいると安心をくれると同時にコンプレックスを刺激される晴輝は、圭治の真意がつかめずに混乱するが……
シリーズ通して再読してきましたが、いよいよ藤井沢シリーズも最後です。
最終巻は幼馴染みで理容師×美容師。
ずっと受のことしか見ていなくて、あらゆることでこっそり彼をサポートしてきた一途な攻と、それにはまったく気づかない、単純だけど悩むとぐるぐる系の受。
本来結構簡単に両思いになってもおかしくない状況なのに、コンプレックスとか勘違いで上手くいかない展開にはじれじれさせられます。
前編のハル視点ではどんだけ器がでかいんだよっていう圭司が、後編ではかなりダメな人っぷりをさらしていて、そんなのがかわいいんだよなあなんて思った。
いままでのキャラ集合のラストもとても素敵でした。
やっぱりシリーズものは順番に読むべきだなあと思います。
物語の前半が受け視点で、後半が攻め視点になります。
個人的には受けに溺れるあまりに右往左往する攻め視点のお話を読むのが大好きなのですが、あまりないですよね?なぜなんだろう???
攻めの圭治があまり表情が変わらずクールな印象なのですが、心の中のモノローグを読むとものすっごいパニックと混乱の渦中にいて、まさに五里霧中といった様相なのがツボでした!!
受けの何気ない言葉に内心傷つき、ヒビの入った心を必死に兵隊がセロテープで修復する、という表現のところなど(←これを読んでもなんのことやらわからないと思います、すみません)卓越した比喩表現に萌えました。
圭治視点のパートが本当に良いです!!
派手な設定よりもごくごく普通の人たちが織りなすBLが大好きなので、商店街シリーズはどれも大好きです。
ラストのほうで数年後の落ち着いた感じの二人の様子を読んでじんわりと心が温かくなりました。
シリーズ完結編です、今まで出てきたキャラ達が少しずつですが登場して読後感が凄く良かったので萌×2の所を、シリーズ完結編の完成度の意味として神評価としました。
ちなみにこの藤井沢商店街シリーズは、シリーズではありますがそれぞれ挿絵の方も違うし、単独カップルなのでどこから読んでも大丈夫だし、単独で読んでも作品として成立しています。
共通するのは都会でもなく、そして田舎でもない中都市の藤井沢商店街を舞台としている事。
今作は幼馴染で同級生再会モノ。
圭治〔攻〕は無口だけれど実直な性格で密かに晴輝の事をずっと想っています。
そして晴輝〔受〕は社交的で明るい性格、普通に女の子が好きで東京の美容室で働いていたんですが、親との約束の5年を過ぎたので地元の実家(美容室)へと戻って来ます。
そして高校以来、圭治と再会するのですね。
前半は晴輝視点で、後半は圭治視点と切り替えのバランスも良く、圭治の切ない想いも読み手によく伝わって来ます。
所々に藤井沢商店街シリーズの人物が出てくるのも嬉しい。
あと晴輝にはつむじが2つあり、それを本人は気にしていてブローで上手く隠しているんですが、圭治は晴輝を後ろからずっと見ていてそのつむじが凄く可愛いと思っている。
そんなシーンがいいんですね、こんな可愛いつむじの描写があっただろうか!って位に可愛く描写されてます、勿論それも圭治が晴輝を可愛い、愛おしいと思っているからなんですが。
単独としてもシリーズ完結編としても大満足な一冊でした。
愛すべき藤井沢商店街よ、永遠に!