maruchan
エロが激しいよ? 読む人を選ぶよ? …ということは分かってはいるのですが、そんなことは置いておいて、本当は「西洋骨董洋菓子店」を読んだ全ての人に「このシリーズまで全て一セットですよ」と言って読ませたい「西洋骨董洋菓子店」の番外編(同人誌)シリーズの第一作です。
本編は、ゲイキャラが登場するだけの非BL作品なのは分かっていますが、主要な登場人物である「魔性のゲイ」の小野さんがメインになるストーリー。
過激なSEXシーンがあるのは確かなのですが、「同人誌でエロ描きたかったんです」の為にだけに出した作品ではないことは読めばわかります。(『食べていただければ分かります』テイストw 千影さんか!)
ゲイとして生きてきた小野さんのリアルが語られます。
そしてシリーズ通して、本編の隙間を埋めるエピソードたちが読めますので、本当に皆さんにオススメしたいのでまとめて復刊とかあるといいのになー…。
魔性のゲイ、小野裕介。
そんな彼がまだ無垢な高校生だった頃の「はじめて」のお話。
本編にあったように、彼は高校の卒業式の後橘に告白しこっぴどくふられる。
山手線の中で日が暮れるまで泣き続ける学生服姿の小野。
彼はそのまま二丁目のバーにふらり出向く。
そこにいたのは、スーツ姿が格好いいやり手のサラリーマンの風貌ながら
おねえ言葉の久世翔平。
彼は、ゲイを隠して結婚した上司の娘との結婚生活が辛くてならない。
その後、ふたりはホテルへ……
大好きだった人に振られたこと、初体験だということ、
泣きながら告白するまだ初々しい小野。
好きな人に入れたかったのか?入れられたかったのか?かと聞かれ、
「両方」と答えて赤面する小野や、
自分なんてどうなってもいい、という小野を翔平が叱る
避妊具をめぐるやりとりもいい。
そして14年の時は流れ、その日開眼しすっかり魔性の男として成熟したw小野は
翔平と飲んでいる。
あの柔らかな笑顔で、人でなしな台詞をさらりと吐きながら。
このアンティークの同人誌は、その後作者のよしなが先生があまりに売れっ子になって
コミケを休場するまで、小野を主人公にして続いていく。
結構濃いエロもあり、でもそれだけじゃあない人間ドラマがとても読み応えがある連作だが
この記念すべき1作目、最初のページで長々と作者がいいわけを書いているのがおかしい。
本編の方は厳密に言うとBLではない「西洋骨董洋菓子店」。
しかし番外編の同人誌はそりゃあもう・・・びっくりするほどゲイゲイしい。
内容的には本編で語られなかった部分、そして本編が終わったあとのお話などを織り交ぜながら、本編以上によしなが節がききまくっている。
違いといえば商業版の方では第三者目線だったものが、同人誌では小野視点で語られているくらいか。
それとエロ。
結構・・・いやかなり激しい。
小野さんリアルだから。
でもそれだけじゃないところが、よしながさんのステキなところだ。
本編では橘をメインに描かれていたが、番外編は小野がメイン。
そこには小野のセクシュアリティの特異さよりも、彼の内面が抱える絶対的な人間不信が何度も語られており、わりと痛いエピソードが多かったりする。
1冊目である本作は、コミックスでは回想しかなかった小野が橘に罵倒されるシーン、その続きのストーリーとなる。
小野の口からも結果としてゲイとしてのアイデンティティを確立できたことを感謝されているが、振られたあの後、彼はどうなったのかは非常に興味深いところだ。
泣くだけ泣いて放心状態になりなりながら小野が向かったのは、新宿二丁目のソノ手のお店。
そこで出会った年上リーマンの久世翔平が初めての相手となるのだが、小野がなんとも初々しくってビックリである。
しかしそれよりもおすすめキャラなのがお相手の翔平だ。
普段(プライベート)はおネエ言葉なのだが、真剣になると男に戻ってしまう。
しかも鬼畜系。
このギャップがたまらなく男前なのだが、基本「受け」だと思われる・・・いや本当はどちらなのか分からない、といった方が正しいかもしれない。
なので、リバが苦手な方は注意して欲しいのだが、騙されたと思って出来れば読んでいただきたい!
西洋骨董の同人誌を読んでいると、とてもリバが自然に見えてくるのだけども、これは気のせいだろうか(笑)
勿論ホンモノについては未知の世界なのだが、そういうものなのかなとつい思わせてくれる力がよしながみにはあると思う。
そんな本物風味を味わいたい方はぜひ。
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