昔話の常識を覆す、傑作平安コメディ!

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表題作満月物語

藤原隆明
かぐや姫(笑)

あらすじ

絶世の美女と噂のかぐや姫。彼女を一目見たいという友人の付き添い役を渋々引き受けた隆明だが、池で裸の姫の水浴びシーンに遭遇。かぐや姫が「男」である証拠を目撃してしまうのだが…!?
出版社より

作品情報

作品名
満月物語
著者
中村春菊 
作画
中村春菊 
媒体
漫画(コミック)
出版社
角川書店
レーベル
あすかコミックスCL-DX
発売日
ISBN
9784048542111
3.8

(18)

(6)

萌々

(3)

(9)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
69
評価数
18
平均
3.8 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数10

中村春菊の歴史書

この満月物語は、2001年にZERO COMICSから出版されていて、その再録がこのコミックのようです。

物語は、平安時代の貴族のお話。
藤原隆明や藤原成人やかぐや姫(笑)などの登場人物が織り成す痛快時代劇(?)。

僕としては、こういう時代物を読むのは、おそらく初体験だったので、少し抵抗がありましたが、そんなことはお構いなしで、一気に読めて、かつ面白かったです。

最初に謎を振っておいて、徐々にその謎が明らかになる物語の流れは読者を飽きさせませんね。
シリアスな場面もあれば、ドタバタコメディーもあったりとメリハリの利いた展開はいっそう読者をひきつけると思いました。

この満月物語は、BLコミックの範疇ということなんですが、いっさい男同士の絡みは出てきやしません。
絡みゼロです。
ですから、攻めや受けという区別はなく(僕は、隆明が攻めで成人とかぐや姫が受けだと思いました)、そういったものを求める読者にとっては物足りなさを感じるかもしれません。

でも、物語としては最高に面白いです。

どこか純情ロマンチカに通ずる源流を感じたのは、僕だけではないだろうと思いました。

4

笑いも、涙も

もともと8年も前の作品です。
ビブロス版を読んでいるのに買っちゃって、積読だったんです。
それにしてもいつ読んでも面白い。

お話は「かぐや姫」や「牛若丸」などのパロディーのように見えますが、その時代に生きる様々な境遇の人たちの悲喜こもごもが語られていると思います。

不本意に解官されて無職になった隆明(そもそも変わり者)然り、
明朗快活(単純バカとも言う)な成人(実は辛い過去あり)然り、
記憶喪失のかぐや(男・仮名)然り、
じじとばば(相当したたかだけど、結構いい人)然り、
その他の登場人物にも無駄がありません。

基本的にギャグ寄りのコメディの中に、心に訴えるエピソードが盛り込まれているので、楽しみながらウルウルできる作品です。

だから、中村てんてー時代物をまた描いてくださいよう。

2

あたたかい愛を頂戴?

2001年に刊行されたものを、年に新装版として発行。

表紙のみ書き下ろしで、中身の絵の方は古いです。

しかし新装といってもそこまで古い作品でもない…ここから、現在の中村春菊先生の絵が生まれたのなら、すごい成長力だと思います☆



エッチシーンは一切ないけど、逆にそれが良かった!

隆明がかぐやを大切にしていることが、かえってひきたったと思います。



これまで名前がなかったかぐやの名をしきりに呼んでみたり、ずっと部屋に閉じ込められていたかぐやに、もっといろいろなものを見せてやりと頻繁に外へ連れ出してみたり…。

しまいには年!?はしゃぎすぎて?身体を壊してしまう隆明には、まさにかぐやへの愛が感じられます!!



シリアスでありながらギャグである、メリハリがしっかりの心温まるストーリー。

この頃から中村先生の作風だったんですね。



最後、かぐやがそんな優しい隆昌と離れたくて「やっぱりお前嫁とるのやめな!!おれがヨメになってやるから!」セリフはキュンとしましたvV

1

おもしろくて笑える!

 なよ竹のかぐや姫は女性で、男性を引きつけて…というのが、かぐや姫の大方のあらすじですが、かぐや姫が実は男で、しかも下品って!もうそれだけで笑えます。しかも、じーさま、ばーさままで金に汚い(笑)
 ぱっと見ると、BL要素がないと思いがちですが、かぐや姫は女と見間違うほどの美しさ、加えてそれに振り回される男たちも美少年が出てくる。ということで、恋愛感情や交わりがあるわけではないのですが、広い意味でBLなのかなーと思っています。

 個人的にはまだ「かぐや姫」になる前の、双子のエピソードが好きです。かぐや姫は実は双子で、片方は何不自由ない裕福な生活を、一方もう片方は鬼神、夜叉の生まれ変わりということで、ずっと牢屋で監視された生活を送っているのですが、ある日の事件をきっかけにこの双子はは入れ替わってしまいます。その葛藤や悩みがまたストーリーに大きな色を添えています。
 最初はお笑いのBLだと思っていたのですが、こういう葛藤で、物語に色を添える展開もさすがです。笑えるのはもちろんですが、読んでいるこっちまで切なくなって、苦しくなる世界を描き出せる春菊先生は、やはりBL界の大御所なのだと感じる一冊です。

2

もっと早く手を付けるべきだったよね。

「冊数が多く知名度が半端ない」中村春菊さん。
名前だけ知っていて未読、トピックまでたててしまうほど
読んでいなかったのがなんか後ろめたかったのですが、
やっと手を付けることができました。1冊だと気軽に読めますしね。

いやぁ、面白かったわ~。

自分の持っているイメージとしては「べたべた、あまあま、ど王道」だったのですが、
この本をBLにカウントするとしたらば、そんなことまったくもって、ないw

かぐやに限らず姫が男であったり、自由奔放であったりする位なら
物語の二次制作BLにはよくある事。
でもこの本の場合それに振り回される人であるはずの隆明が明らかにおかしい。
この人も上司の責任取らされて蟄居させられた性ばかりでなく幼少時の性格からして
屋敷を動物園にしたり宗教はじめちゃったり・・・と明らかに「変人」のカテゴリに入ってしまうような人!というか、普通にこいつが振り回す側で行ける。

そして、妙にジジいどもが味がある。
さらにはBLの見せ場というべき「きれいな顔」の割合が妙に少ないw
あれ、こんなにコミカルな作風の人なの中村春菊さんって?

もしかして、世界一何とかも、純情何とかもけっこうコミカル風味なの?
それならもうガツガツ買いますよ私は。ラブコメ好きですからね。

2

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