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冷静な瞳の奥の、愛が欲しくて。
「じれったい口唇」のスピンオフ作品。
2004年ビーボーイノベルズにショートが追加されています。
前作とリンクしているので、両方読んでいると理解しやすいと思います。ただ、こちらを先に読んでも構わない気もします。
「まなざしの誘惑」
前作「じれったい口唇」で肇が雅之を嫉妬させようと恋人と偽って別荘に同行するホストの谷口聖(受け・20歳)が主人公です。5年前から父親の私設秘書で聖の世話をしている荻原大成(攻め・28歳)の気を引こうと高級ホストクラブでバイトをするという話です。
聖の目線で進んでいきますが、大成も好きだという雰囲気が感じるので安心して甘いすれ違いを楽しむことができます。
「好きだというより」
大成と恋人同士になり、聖はホストクラブのハイトを止めようとするのですが、強引に最後の仕事を入れられます。相手に素性がばれて脅迫されるのですが…という話です。あわやという場面で大成が颯爽と現れるという王道の展開ですが、偶然に頼っていないのが良かったです。
「ウォーター・ラブ」
大成の視点で進みます。休暇を二人っきりで過ごすという甘いショートです。プールの中で全裸でエッチというのが素敵でした。イラスト欲しかったです!
前作『じれったい口唇』に出てきた聖のお話です。
前作の軽井沢別荘での出来事が、聖目線から読めるようになっいるのが良かったです。
聖の父の秘書&世話役の大成 × 議員の令息&出張ホストの聖の主従関係逆転もの。
議員の令息でありながら、出張ホストのバイトを続ける聖。
それは父の秘書&世話役の大成の気を引きたいから。
怒って、もっと感情を見せて欲しい、昔のように笑いあいたい…
そして、本当は恋人として付き合ってみたいと思いつめていきます。
大人の大成は、いつもつれない素振りばかり、聖との間にも、しっかりと線を引き、指一本触れてこようとしません。
そんな大成に焦れた聖は、今度こそ止めてくれる事を期待して、泊りがけホストの依頼を受けます。
それでも大成は、相変わらずそっけない態度。
必死で大成を誘っている聖が、健気で、いじらしくて、色っぽいんです。
そして、聖が全身で好きだと訴えているのを知っていて…
聖が自分を試している事も分かっていて…
自分の感情を抑えて見守り続けていた大成も、聖のじれったく、意地悪過ぎた動向に、抑え込んでいた激情が溢れ出し、我慢の限界に達します!
無表情で冷たい瞳の奥に隠された大人の激情。
「俺を試すのはよしなさい。俺の我慢にも限界があるんだ」
ストイックだった「私」モードから…「俺」モードのスイッチが入った大成。
このギャップが、結構萌ポイントで良かったです。
Hも、普段のストイックさとは違い、大いに求めてくる、情熱的な男だったのも、意外に好みでした(笑)
大成なりに、雇い主の息子に手を出す事、年の差とかいろいろ悩んでいたんです。
でも、自分の立場を考えれば、いくら聖の事を愛していても、隠すしかなかったんです。
最終的には、方法はちょっと考えものでしたけど、聖の強引な行動のお陰で、我慢の限界がきてしまい想いが通じあったから良かったんですけどね(笑)
こちらのカップルも、前作同様じれったい2人でした!
聖の誘い受っぷりは、なかなかいじらしくて可愛かったです。
好きな人に振り向いて欲しいと思う、可愛らしい我儘と、まなざしの誘惑!
これで堕ちなかったら、大成のヘタレっぷりに怒ってるところでした(笑)
目の前で、自分の為に、綺麗で、可愛くて、危なっかしい方法で、あれこれ一生懸命仕掛けてくる聖に、どれほどやきもきさせられたんでしょうね(笑)
でも、ギリギリまで理性を保ってた大成の我慢强さには、『愛』を感じられなくもありませんでした。
聖が大成に始めてあげたプレゼントのエピも、お話のアイテムとてほのぼのとした気持ちにさせられて良かったです。
最後の書き下ろしは、恋人になってからすれ違いつつも、お互いに愛しあっているのが伝わる甘〜いお話でした。
ギリギリの聖のピンチに駆けつけた、大成の情報網の賜物には驚かされつつも、冷静な男気に惚れ直します。
こちらも『じれったい口唇』と同様、悪の強いキャラ⁉なので、好みは別れる作品だとは思います。
私は、相変わらず、大好きな蓮川先生の絵の効果もあり、結構…それはどうなのよ⁉展開でも、楽しめた作品でした。
主従関係逆転ものが好きな方、
じれったい恋が好きな方、ストイックな眼鏡攻、誘い受が好きな方、
さりと読めて、読後は爽快感もあるのでオススメします。
わがままなお坊ちゃんの受と、そのお世話係の攻なんですが、攻の気を引くために、おかしなバイトをしている受はアホすぎる。
こんなアホの子でもいいという攻も悪趣味。
リンク作ともども、読んだ時間を返してほしかった。