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堅物で天然な朝家(受)が可愛いのですが、滴るような大人の色気を持つ将久(攻)も魅力的でした。と言っても、こんな受いただろうか、と思う位、ガツンと頭をやられました。
可愛すぎて。
王道ではない作品だと思っていましたが、何も知らない朝家を体込みで色々と将久が教えていく過程は、王道かもしれません。
何度も何度も読み返したくなる作品です。
貧乏な上に、出世欲もない。あるのは、大好きな書物を存分に読んでいたいという欲。。だから恋だってしたことがない。そんな野暮な性格に加えて、受けの朝家は、十人並みというか、寧ろ夢のいっぱい詰まったBLでは『無器量では。。』という容姿。
しかし、そんな朝家にわたしは萌えました!将久(攻め)の気持ちが良く分かります。
きっかけは、経済的困窮を打破する為(何としても愛する書物を守る為という)、家柄の良い女人との婚姻(←よくある話です)を家人に迫られ、嵯峨野の姫君の元へ。しかし、そこは世慣れていない(というか、単に天然なだけかも)朝家。間違えて忍んだ家で、男性に美味しくいただかれてしまいます。(しかも、珍味とか言われる始末)
その相手こそが、実は朝家が毛嫌いしている将久で、将久の方は自分の正体に気付いていない朝家に偽名を名乗り、そこから二人の交流が始まるわけです。
将久は珍しい書物を所持し、朝家の興味は常にそこへ。元々書物さえあれば。。というような朝家なので、中々艶っぽいムードにはならない。
しかし、そんな朝家が可愛くなってしまう将久。とにかく、何でも揃っているような将久にとって、始めは物珍しさに近い感覚で、朝家の天然ぷりを楽しみつつ、いつ自分の正体を明かそうかと意地の悪いことを考えていたものの、上辺だけの美しさや可愛らしさよりも、朝家の内に秘めた純粋さに、いつしか心を揺さぶられ、恋に堕ちてしまうわけです。
平安絵巻のきらびやかさよりも、寧ろお笑いテイスト。それなのに、将久にあれこれ構われ、その中で将久の才能を埋もれさせたくないと、出世に全く関心のなかった朝家が努力する。そんな健気さが可愛らしく、『恋は盲目』とか『痘痕もエクボ』と言われるように、朝家が可愛く見えて仕方がない!(←挿し絵も5割増位?可愛くなっているような(笑))その上、将久の正体を知り、出家しようとして、牛車が動かない位に書物を積み込んだ件なんかは、どれだけ煩悩だらけ?!
地味で不細工な受けなのかもしれないですが、将久は覚悟を決めちゃいます。自分が妻になれば良いと。
個人的には、過去No.1の受けですね~。(基本的には男前受けで、できればクールビューティーが大好物なのですが、その基準を覆すほど、朝家はお気に入りです)
恐らく、今後も将久は朝家に振り回されるのでしょうね~。(勿論、一筋縄ではいかない将久なので、それなりに朝家をいじりながら、可愛いがりそうです)
時代物が苦手でない方には是非オススメです。(苦手な方でも比較的読み易い文面かと。。)
「姫の輿入れ」のスピンオフらしく未読でしたが、作中でさりげなく説明が入っているので読まなくても大丈夫でした。
冴えない主人公が読みたかっただけなので、平安物に期待はなかったのですが、思っていたよりも情熱的な恋愛模様でとっても楽しめました。
平安時代の風流さにドタバタ感が加わり、ほどよく砕けた雰囲気で読みやすかったです。
書物がお友達の冴えない君、小野朝家(ともいえ)と、完全無欠なスーパー攻め様、藤原将久(ゆきひさ)との恋です。
朝家は妻を娶るために夜這いを試みますが、間違えて男の寝所に侵入してしまうというおとぼけ君真骨頂な出会いでした。
真相はどうであれ、受けからのモーションというのが新鮮でした。
そしてノリノリな将久w
初めは表紙や挿絵のイメージから、攻め様に押され押されてやっと恋心を自覚するという堅物流され受けなのかなと思っていました。
確かに流され受けなのですが、しっかりと恋に身を焦がしているんですよね。
知らないうちに恋人に染まっている朝家に萌えたし、恋愛事になったとたん自分に引け目を感じたりあたふたしてる所が可愛かった。
淡々と日々過ごしてきた草食系が、恋愛の情熱に翻弄される姿に滾ります。
草食系=恋愛ができない、じゃないんですよね…
人生何があるか分からない。
将久も百戦錬磨とはいえ、隠遁した身で今更恋に本気になるとは思っていなかったため彼なりに四苦八苦します。
どこか可愛らしさのある2人に愛着がわいてくる作品でした。
平安時代BL、「姫君の輿入れ」スピンオフ。
こちらのCPは、藤原将久(名家に生まれた殿上人にして古今東西の知識に秀で、その上「鬼神すら惑わす」という当代一の美男、源実親を凌駕するほどの魅力) x 小野朝家(家柄は一段低い学者一族出身で、書物だけを偏愛し頭はいいが出世欲はまるでない、冴えない貧乏公家)。
前作では、あどけない年下の受けが陵辱される展開が痛かったけど、本作は受けがしっかりした大人であって、無理やりHの展開の部分もあるけれど、書物や学問の深い話を共有できる間柄であったり、仕事での悩み事を相談して一緒に解決策を探ろうとするところなどが心の対等性があって良かったと思います。
また、書物のことばかり考えてあまり仕事には熱心でなかった朝家が、恋をすることで自分に出来る事、やるべき事を考えて誠実に取り組み始める、という成長譚でもある。
身分は将久が圧倒的に高いのだけど、朝家の飾らぬ人柄、表裏のない率直さ、素直さ等に心から惹かれて。(朝家に対する独占欲も感じられる。)
本名も身分も隠していた将久、朝家に何もかもを知られ別れの危機が訪れます。ここで動いてくれたのが前作CPの実親x狭霧。
想い乱れて出家せんとする朝家を牛車からさらう将久!
騙すようなことをしていて悪かった、と許しと愛を乞う将久!
そして…『私が妻だ』と。『求婚してくれ』と。
将久が無冠であり容姿が麗しいことを気にしすぎて気後れしている朝家に事もなげに告げる彼は、やはり当代一の切れ者でありましょう。
「姫君の余情」
前作CP、実親x狭霧のその後。
遠縁の少年を養子にした、という体で暮らし始めて2年。
実親は友の朝家の家を訪れる。すると中では藤原将久と朝家がイチャついているではありませんか。
当てられて、速攻家に帰って狭霧を抱く実親でした。益々仲睦まじい二人です。
以前に姫君の輿入れをBLCDで聴いて、そのスピンオフである今作も読んでみようと思いましたが…。
二段組で平安風情の漂う文章。
貧乏公家で書物バカな朝家に帝の弟だけど親友の実親。
そして嵯峨野の姫君。
うんうんいいですね、と読んでましたが…。
なんと!朝家が間違えて違う家に夜這いに行ってしまい、そこの男主人に逆にいただかれてしまう!珍味であったと。
まずここで、ガーン。真っ暗で何も見えないのにいきなり知らない男のアソコを…。そして最後まで…。蘇芳殿、ひえ〜。
そしてまあ書物を通じて交流は続き。
朝家の書物バカぶりと素直さや飾らなさもいいですね。書物のためなら体くらいって…。
恋を知らない朝家ともう恋なんてしないよ絶対?な蘇芳殿と。
あんなけやってきたのに?緩やか〜にお互いの気持ちが進んでいくのですが、やること散々やってるんですよ?
薫物合わせの泊まり込み特訓のあたりで脱落。ここまで読むのに何日もかかりました。このゆっくりさ。いいんですよ、逆にえ?いつのまに?なお話が多い中ゆっくりゆっくり気持ちが育っていく描写が読めて。せめて体の方もゆっくりだったらなあ。
主人公が美形でなく平凡だけど心意気や気持ちの持ち方が素晴らしく、きっと朝家のそんなところが見つかったらさらわれてしまう!と焦る蘇芳殿もよし。
ただ緩やかすぎて…。引っ張るだけの掴みも弱く。ごめんなさいです。手元に残していつか続きを読みます多分。