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あんた、俺のために死ねるのかよ?
本編の主人公達は酒が好きで、バーとかで飲むシーンが多くカクテルやら日本酒やら、ウイスキーやらが沢山登場して、酒好きな身には飲みたくなること間違いなし!
いや、そんな酒の本ではありません、あしからず・・・そんな部分が気に入ってしまったのですが(汗、、)
本は厚みも薄く会話が多いのでするする読めてしまいます。
中身はヤクザものなのに、意外にさらっとして淡々としている。
受け様(ヤクザ)がエロいので色気は存分にあるのですが、いやらしくないしねっとりしていません。
父親が組長だったために無理矢理ヤクザにされてしまったヤクザ嫌いの梁瀬。
姐の依頼でバーで知り合った日本画家の遠山に絵を依頼しなくてはならなくなり、そこから関係が始まる。
そして、梁瀬の行っている投資や仕手株の仕事から警察沙汰になることから組に追われる身に。
遠山はいつも気流しで、不遜で金持ち。
梁瀬がヤクザと知っていても臆することもなく、普通に付き合っているし、何だか大きな後ろ盾がありそうな人物。
梁瀬は、自分の存在がいやで結構刹那的に生きている感じの人です。
男のくせに、男に抱かれると女みたいになってしまう自分に嫌悪感を抱くのですが、遠山に抱かれてそれは恥ずかしいことではないということを知らされていく。
恋愛の熱さというのが一切なく、遠山が梁瀬を押し切る形になっているが、その遠山でさえ梁瀬をものすごく愛していると言う感じではないので、恋愛部分がさらっとしてしまって、ものすごく大人だな~という印象を受ける。
運命の恋人というよりは、一緒にいて居心地の良い人を見つけたと言う感じか?
そういう意味であっさりしすぎで、一応ヤマもあるものの、遠山がスマートすぎて大きな見せ場になっていない感じ。
もっと、あがいたり、もがいたり、ドロドロしたものがあったほうがエンタメ的には楽しめるであろうが、でも、これはこれで大人な話なのだと思えば納得がいかないでもない。
色っぽいヤクザ受けというのが気に入ったので、ギリ萌え評価である。
ご本人もあとがきに描かれてましたが、義月さんにしては珍しく、攻めが受けにぞっこん惚れてるお話でした。
受けのほうは美人のツンデレタイプです。
悪くはないんですが、他のレビュアーさんの言ってる通り、盛り上がりには欠ける話だったかなと思いました。
好きな義月小説を読んでるときの、心の奥底からせりあがってくるようなもどかしさや切なさを感じなかったです。
着流しの飄々とした攻めにヤクザ稼業をやってる美人受けというキャラは好きだし、「俺のために死ねるのかよ」みたいなキメ台詞も好き。ストーリーラインも好き。だからこそ残念でした。
その理由はたぶん、攻めのスペックがチートで余裕があり過ぎたせいじゃないかなと思います。
「俺のために死ねるのかよ」という萌える台詞に相応しい、真に命をかけたギリギリの展開があっても良かったんじゃないかなァと思いました。
めちゃくちゃ好きになる可能性があった話なだけに、残念に思いました。
とはいえ、好きは好きです。
着流し攻めのヤクザ受け(作者曰く)です。
期待が高まっていたんですが、意外とあっさりと終わっちゃった感じがしました。
ストーリーよりシチュエーションで読むといいのかもしれません。
組の資金繰りを担っているインテリヤクザの梁瀬は、自分に流れるヤクザの血を嫌悪しています。
いきつけのバーで知り合った寡作の日本画家・遠山は、以前から梁瀬にモーションをかけているのですが、飲み友達の付き合いだけがつづいている状態でした。
ある日組から梁瀬へ、遠山に新作を描かせるように命令が下ります。
遠山は、製作中に梁瀬が側にいる事を条件に仕事を請け「熱い」作品を仕上げていく、というのがメインのお話だと思いますが、その裏でもう一つの事件が進んでいるのです・・・
美貌で冷静だけれど、男に抱かれて悦ぶ自分を否定し、さらに内に秘める熱さとともに何か裏の事情がある梁瀬。
才能と財力があり堂々としているものの、梁瀬への態度は飄々として決して強く出る事をしない遠山。(遠山にも思いっきり裏があります。)
二人とも熱く語るタイプではないし、梁瀬は自己完結型、遠山は秘密主義型なので、ヤクザ絡み・色っぽい関係がらみの割りに、お話の前面に出てくるものが意外とあっさりとしています。
(本をペラペラしてみればすぐに分かりますが、会話が多い作品で、大した時間をかけずに読み終えられます。)
どちらかが嫉妬深かったり、熱烈なラブコールを送り続けていたりするのなら、それなりの盛り上がりもあったのでしょうが、どうにもいまひとつ盛り上がれないままハッピーエンドになってしまいました。
番外編も色っぽい話のはずなのに、なんだかあっさりしているんですね。
ヌードになれと言われればさっさと脱ぎ捨ててしまうような、男前の梁瀬なのでいまひとつ色気に欠けるのでしょうか。
遠山は一歩間違えればコメディ畑に行けそうなくらいの飄々さ。
いっそのことコメディ路線で攻めてみるのも有りな気もしてしまいました。(失礼)