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うほっ、レビューがいっぱい。さすが砂原糖子さんだなァ。
『センチメンタル・セクスアリス』の番外編ですが、完全に本編を越えてました。めちゃくちゃ切なくて、めちゃくちゃ面白かったです。
砂原糖子さんの作品のなかでは、『セブンティーン・ドロップス』に次いで、好きな作品となりました。
主人公には、ずっと好きな人がいる。九つ年上のカメラマンで、亡くなった兄の恋人だった男だ。
健気で芯の強い、一途な受けです。
攻めのカメラマンは、俺様で自信家で遊び人の強いオトナ。…のように見えて、実は…っていうギャップにも萌えまくってしまいました。
亡くなった兄の存在感も凄かったです。コインのオチにキューンとしまくってしまいました。
コイン含めてあちこちに散りばめられている伏線の張り方も秀逸でした。
攻めのカメラマンは、何年もたってから、やっと亡くなった恋人の本心が分かるのだ。
分かったことで、はじめてその弟にもきちんと向き合うことができるようになったのだ。
超絶切なかった。
あと、エロいですw
ハメ撮りとかところてんとか、色々とエロエロです。
きちんとしたストーリーがあってのエロエロは本当にいいなァ。
やっと心が通じあってからのベッドインに、萌えまくりでした。
ダメ、萌え殺されました…
登場人物がみんなみんな愛しい。
日和佐がどれだけどうしようもない男でも、それでも愛し続けた千夏史。
亡くなった恋人・由多夏が自分のことを本当に愛していたのか悩む日和佐。
自分の気持ちを上手に伝えることはできなかったけど、亡くなる直前まで日和佐を愛し続けた由多夏。
みんなただ相手が好きなだけなのにうまく伝わらず、まとまるまで時間がかかりましたねー
飄々とした日和佐よりさらに飄々と自由奔放に生きていた由多夏。日和佐は由多夏と4年恋人として過ごしたが、彼の本当の気持ちはわからず、セックス目的で自分といたのでは…と疑問を抱いたまま。由多夏はもういないのに。
7年間そうして由多夏のことから目をそらし続けた結果、結局由多夏の気持ちにも気づけず、本当に好きな相手もできず、複数人とだらだらとした関係を送ることとなる。
それが千夏史のおかげで由多夏と向き合うことができ、昔の自分たちはあまりにも子供だったこと、そのために由多夏の気持にも気づくことができなかったことがわかる。
写真の中の由多夏はあんなにも自分に愛を伝えているのに。
由多夏は由多夏で、変に大人ぶって日和佐に上手に愛を伝えることができなかった。
日和佐のことをずっと図書室から見てたのに。日和佐と関わりを持つために吸わないタバコを持ってたり、彼を手に入れるために両面表のコインを使ったり。
弟の千夏史にコインをあげて「これで欲しいものは手に入れたよ」って言うシーンではぐっときました。ちゃんと、日和佐のこと愛してたんだよね。
千夏史は振られても、傷つけられてもそれでも日和佐に寄り添い、日和佐と由多夏を向き合わせました。
そして由多夏のことが好きな日和佐のことが好きだと告白し、日和佐の呪縛を解いたのだと思います。
自分の想いを認めた日和佐はほんと、可愛いですね。無理に大人ぶってたけど、結局由多夏が亡くなったときから彼の時間は止まってたんだろうな。
Hのときはやはり大人っぽいというか、しっかりと千夏史をリード(というか、教育?)してくれるけど、普段はすっごく子供っぽい。
千夏史もそりゃぁ可愛いって思いますよね。
いろんな人達の想いが絡み合って、それが綺麗に片付いて、ようやく二人の恋はまとまりました。
「メランコリック・ステディ」では日和佐も千夏史に頭が上がらないようなかんじで、すごく微笑ましかったです。
以前の彼だったら、家から追い出されたりなんかしたら怒り狂うでしょうに。
これも愛のなせる技ですね♪
もーほんとによかったです。大好きな一作になりました。
かにゃこさん
日和佐がねーすっごい私好みの男だったんです。ほんと惚れそうなくらい。
女も男も気に入ったら誰とでも寝ちゃうような遊び人なんですけど、実は亡くなった恋人のことが忘れられない、またそのことで次の恋もできないような臆病で繊細な男だったんだーってわかったらすっごい萌えてしまって!!
めちゃくちゃ愛しいです。
由多夏も千夏史もそれぞれ可愛くて、もーーほんとこの人達のこと考えるとたまらんですよ!萌えまくりです。
うるっとくるし、読後も「よかった…」と思える一冊でした。
まぁ私はあんまり小説自体は読まないんで…2009マイベストといいましても、1年で何冊読めるのかというかんじなんでね(笑)あんまり役にたたないと思います、すみません。
ヤマダサクラコ先生の絵も素敵でしたvv
もどかしい、もどかしいけど“子供の”恋ってこんなぐるぐる感があると思います。
二人の気持ちは同じ方向を向いているようなのに、どうにかまとまるまであまりに長いので、萌評価止まりにしようかなと思ったのですが、
その分ずっとキュンキュンできたし、結局最後は泣かせていただいたし、
何よりあの春巳君のお話(センチメンタル・セクスアリス)の裏にこんなものが隠れていたのねという、名誉挽回作になっていたと思うので、神にすることにしました。
亡くなった兄の恋人だったカメラマン・日和佐と9歳年下の大学生・千夏史のおはなしです。
「子供は嫌い」と言い切る日和佐に大人になったら認めてもらえると思っていた千夏史。
初めて会った9歳の頃から、日和佐に恋をしていた千夏史は長い間同等に扱ってもらえていないと思いながらも側を離れることをせず、あれこれコンプレックスを抱えながら、大人として認められることを待ち望んでいたのですが・・・
千夏史の幼いけれど一途な恋。
日和佐のあまりにも博愛的なセックスライフとその裏に隠された“子供のような”傷つきやすい心。
由多夏(兄)の二面性のある行動の理由。
そんなお話を読みながら、みんながみんな大人のように見えて、子供なんだね、
その子供の心を大切にしなければいけないんだね、としみじみ感じました。
幼く傷つきやすいからこそ、お話の端々でキュンキュンさせてもらったし、
最終的にパズルのピースがピッタリとはまった感じになった時は、それまでの灰色な部分も解消されて、「よかったね」と泣かせてもらいました。
脇役の面々もしっかりとそれぞれの役割を持っているし、小さな小さなエピソードにまで伏線が張られていたのには感心しました。
「センチメンタル・セクスアリス」のCDを聴きなおしてみましたが、これもCD化お願いしたいです。
しかしそうすると、この厚さなので、2枚組みでも相当カットされちゃうかもね。
「センチメンタル・セクスアリス」のスピンオフになりますが、そちらを読んでなくても特に問題はなく読めるかと思います。あと両方読む予定なら読む順番も気にしなくてもいいんじゃないかな。
この話では2つの恋が書かれています。
現在進行形の恋と、そして過去の恋。
その2つの恋が最後に上手く絡まって、そのラスト部分が良いのですなー。
あ、あとがき後にSSがありますのであとがき読まない派の方は要注意。
千夏史〔受〕はやっと20歳になった大学生で、彼がずっと長く想い続けている相手は29歳のカメラマン・日和〔攻〕
日和は千夏史の兄の親友で、そして兄の恋人でもあった男。
しかしもう兄は亡くなっていて。
かつて幼い頃に日和は千夏史に「子供は嫌い」ときっぱりと告げます、そしてそれは今も変わらない。
20歳になっても千夏史は日和にとって子供でしかないのか。
男女問わずセフレ感覚で付き合う日和を見るのは千夏史にとって辛い事で、それでもまだ千夏史は彼を諦められない。
長い長い片想い。
千夏史と日和との恋がやっと成就した時に、日和はかつて付き合っていた千夏史の兄・由多夏が自分が思っていたよりも幼い、ある意味本当の彼の素顔を知るのです、そこに過去の恋があります。
由多夏と日和の恋、それは断片的にしか書かれていないのだけれど、兄が千夏史にいかさまコインを譲ったり、そのコインは兄が日和と付き合うきっかけになったコインだったり。
過去の恋がぶわっと最後に膨らんで来る、そのシーンが読んでて最も印象的でした。
健気に日和を思い続ける千夏史も良いんですが、この話に深みを持たせているのは彼の兄、由多夏の存在が大きいと思いますね。
千夏史の恋だけでしたら萌評価でした、神にしたのはそれに由多夏の恋が加わったからです。
「センチメンタル・セクスアリス」でとても気になるキャラだった日和佐の恋バナ。
軽薄そうなタラシなのだが飄々として憎めず、本編ではアテ馬でありながら主人公達の恋を取り持ってやっていたりしたカメラマンの彼。
さぞかし面白いエピソードの持ち主かと思いきや、予想に反して泣かされてしまった(苦笑)
「恋」はある意味、“執着”なのだろう。
だから、失うことが何よりも怖い。好きになればなった分だけ、それは比例する。
22歳で恋人を(文字通り)失った日和佐に残されたのは、いきなり取り上げられてしまった「恋」に対する執着でしかなかったのかもしれない。
過去にとらわれてしまったままだった心を解き放ってくれたのが千夏史。
目を逸らさずに過去とちゃんと向き合って。
哀しさにとらわれたまま「なかったこと」にしないで。
本当は寂しがりやで臆病で、けれど優しい、そんな日和佐を誰よりも好きだから ……
千夏史の一途な恋心が、日和佐の頑なな心を揺さぶる。
相手のありのままを受け入れることで「恋」は「愛」に成長し、千夏史は大人になったのだろう。
主人公以外の登場人物たちからも目が離せない。
日和佐の遠縁でもあるモデル事務所の女社長が、なかなかの名バイプレイヤー振り。
二人の関係が停滞している時に、それとなく互いを焚きつけてくれるのだ。
そして、千夏史の兄であり、日和佐の恋人だった由多夏。
コイン、タバコ、それから、写真 … 、心をギュッとつかまれるような切なさが痛い。
日和佐の中で、彼はきっとずっと色褪せることはないんだろう。そうであってほしいと思う。
そのうえで、千夏史と二人で歩いて行ってほしい。
読み終えた時、心の中のやわらかいところにスッと沁みこむような、そんな優しさが残った。