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本当はもうお互い愛してしまってるのに、思ってても気づかなくて
他のことに捕らわれてケンカばかり。
身体の関係はあるものの…
で結局というお話。
短編いくつか~な話しですが、どれも直線的に好いた惚れただけではないかんじですね
個人的にはもっと甘くて楽しい嬉しそうな顔がみられたらもっと嬉しかったかな
最後の加奈子の話は男女もの
宇宙人の話をする幼なじみと~な流れで個人的には一番好きかも
ただ、最後が無償にせつなくて…
結局、結論としては宇宙人に…なのかな?
『アイツの大本命』のようなコミカルな作品とは180度ちがう、ちょっとダークで寂しい雰囲気のある作品ばかりでした。
いわゆるBLのセオリーにはまったくとらわれてない作品群で、非常に私好みでした。趣味はわかれるかもですが。
『許されない男』
いきなり死体と血まみれになって泣いてる男が…
愚かな男の愚かな行為を描いてました。
とりかえしがつかないことを突き付けられて終わる結末は、非常に切ない。
『愛しあってる2人』
この終わり方、めちゃくちゃ好きです。
「本当は好きなのにそれを相手には告げず、セフレの地位にいる」ってシチュエーションだけで萌えるよ。
『正義の味方の恋の行方』
トンチキ!だけど、話の軸はしっかりしてて面白かったです。
アイツの大本命へと繋がる作風の片鱗が見える…かも。
『加奈子の話』
男女カップルの話です。
でも話としてはこれが一番面白かったです。
加奈子の天然ぷりが笑えるんだけど、主人公の気持ちを考えると切なくてさ。
くるのかこないのか登場人物にも読み手にもわからないエックスデイに近づくごとに高まっていく緊張感が神でした。
ラストは余韻たっぷりです。
【許されない男】これが一番印象に残った。
血まみれの死体と血飛沫を浴びた男のお話。愛し合っていたはずの二人がどこで擦れ違ったのか…。めちゃ重い読後感。
【愛し合っている2人】
毎日のように行われる学校の先生と居候男との喧嘩。喧嘩の原因は宗教にはまった幼馴染に居候男が色々貢いでしまっているから。ちなみに居候男のバッグボーンは過酷で親子心中で両親&兄を亡くしているし、先生にはサイコパスのような女生徒に粘着されているしで短編なのに、めちゃ重い設定が詰まってる…。
許されない男にも登場した訳あり顔の謎の男が出てくるんだけど、この人の正体が相変わらず全く解らない。いろんなものを詰め込み過ぎていて、それが回収されていないので消化不良感が大きい。
【正義の味方の恋の行方】
幼馴染もんなんだけど、その村出身の人々は特殊能力を持つ正義の使徒(スーパーマンみたいな)で、悪と戦う…みたいなノリでして、ついてくのがやっとでした。
【加奈子の話】
BLではなくNL話。
5歳の時に宇宙人に遭遇して以来、宇宙人と交信ができると主張する加奈子と幼馴染の男子高校生。
誰も加奈子の話は信じないが、彼だけは加奈子の宇宙人話を黙って聞いてやっているのは好きな加奈子を独占できるから。
でも実はあまり聞いておらず、適当に相槌を打つのみ…。
謎めいた話が多かったり、めちゃダーク設定を詰め込んだり、突拍子もない展開が多くてついていくのが精一杯でした。
頭が柔軟な人が読んだらもっと楽しめるのかしら…。
短編集です。
少し古い作品の新装版です。
最初の「許されない男」が一番インパクトがあります。
長い関係だけど、相手が仕事もせずゲーム三昧で無気力なことに疲れ、殺してしまっう、というお話なのか?
元気のよいコハルや、ナゾの男など脇役が登場して話を進めていきますが、違うといいながらも結局犯人は恋人のコージだった、という結末のようです。
ナゾの男は、「愛しあってる2人」にも登場。やっぱりナゾです。
その「愛しあってる2人」は、お互い好きなのに、体だけというふりをしているカップル。先生と青年。青年のラストの方の表情がかっこよくせつなくていいです。
先生につきまとう変な女性と、やっかいごとを解決してくれるという、前の作品にも登場した謎の男は、やっぱり謎のまま。
正義の味方は、超能力を持つ村出身の若者たちが、正義と悪とに別れ、ひそかに戦っているという田中鈴木さんお得意のSF設定。しかしそれはメインではなく、田舎から出てきた同郷のワンコと、ちょっとドジな先輩の恋物語でした。
最後の「加奈子の話」は幼なじみの加奈子が宇宙人に取り憑かれていて、いつかその宇宙人の方は宇宙に帰ってしまい、別人格が残って寂しい思いをするというラストでした。
全体に謎が解けきらないままという印象が残ってしまい、なんとなくすっきりしない読後感でした。
私が読んだのは2004年発行版なのですが、こちらの新装版にしかレビュー書けないようなのでこちらに書きます。
新装版の目次を見ると、新装版あとがき以外は2004年版と同じ作品が収録されているようです。
2002年~2004年に雑誌掲載された4つの短編集です。
表題作と『許されない男』はリンクしていて、共通の登場人物が3人います。
田中さんのダークでシリアスな作品は好きなのですが、この2作品には謎が残っていて、面白いのに惜しい~!という印象でした。
表題作に登場する関根という女生徒が殺したと言っているのが『許されない男』の住吉さんなのか?
だとしたら謎の男が現場に登場した意味は分かるのですが、なぜ関根が殺したかったのか?等々、考えれば考えるほど謎が深まるお話で、余りスッキリしなかったです。
似たようなことは男女間の恋愛モノの『加奈子の話』にも感じられて、この3作品のモヤモヤ感で評価を中立にしました。
やるせない切なさが哀しい作品集でした。