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メインが毛人と王子の関係性なのは分かっているのだけど、どうしても毛人と布都姫の悲恋の方に気持ちが向いてしまいます。彼女が自ら志願して斎宮になったのならもう少し客観的に見れると思うのですが、彼女の意志で斎宮になったわけではないでしょうから、還俗する不名誉と恋心の間で揺れ、毛人以外に大した味方もおらず、泊瀬部と王子の勝手な思惑に振り回される彼女に感情移入してしまいました。
かといって、王子を完全に悪者として見ているわけでもなく、今までの孤独の裏返しのように毛人に執着する彼の姿は痛々しく健気で、こちらにも同情したくなってしまいます。こんな状況の朝廷ではまさか男色に走ろうなどとは夢にも思わないでしょうから、王子への親愛と布都姫への恋心を併せ抱く毛人にも共感しますし、いよいよ誰が悪いのか分からなくなってきました。この物語がどこへ向かうのか、結末が楽しみです。