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CDとして大好きなシリーズなので
どなたのレビューもないのが寂しくて
重い腰をあげてレビューを書き込みにきてしまいました~。
お話そのものは多分ありがちな展開だと思うのですが
(このシリーズ一作目に関しては目新しいエピソードは皆無かも…)
それぞれのキャラが立っていて個性的なので
キャラの魅力で充分楽しめるCDになっていると思います。
メインカプの三四郎とカイだけでなく
サンドラとロードもキャラクターとして素敵。
特に自分は女性としてキリっと凛々しく男メンバーと渡り合い
かつ、女性らしい思いやりや繊細さも持っているサンドラが大好き。
存在感があり、かつ邪魔にならない気持ちいい女性キャラの出てくる
お話ってBLでは貴重な気がしています。
三四郎は非常に野生的で色々直感的かつ粗暴な男なんですが
これまた素晴らしい懐の広さというか、妙な魅力のある攻めで
それを森川さんが実にたくみに演じてくださっていると思います。
私的には三四郎の存在が神。
カイ役の中原さんも独特の頑なさと繊細な暗さのある受けを好演してくださっていると思います。
(でも実はちょっと自分のイメージと違ってました)
面白く、あとになるほどゲストキャラも広がっていき
世界観的にもますます盛り上がっていくお話なので
機会があれば聴いてみていただきたいシリーズ作品です。
月人と書いてルナンと呼びます、万華鏡の様に変化する瞳をバイザーの下に隠した美しいルナンのカイ。
なんかもうこれ読んだ段階で萩尾望都SFを読んで育った世代としては懐かしさと期待でドキドキしますがな!
萩尾望都やレイ・ブラッドベリのSFが好きな方なら抵抗無くすっと世界観に入り込めるかと思います。
サイバーパンク系が出る前の私にとっては一番好きだった時代のSF、古き良きSF時代の香りがする名作です(それ以降のSFも好きは好きではあるんですが)
女性1人と男性3人4人が2人ずつバディと呼ばれるコンビを組み宇宙船で任務をこなすというシステムになっており、バディの組み合わせはコンピューターによって選択されます。
相性から特性まで全てのデータからバディは決まるのですが、カイのバディは元傭兵で軍人としては型破り的な三四郎というとても相性がいいとは思えない相手。
それでもそれぞれ優秀なクルーである2人は的確に任務をこなし宇宙船の航海は順調と思えたのですが突然謎の「青ヲ探セ」というメッセージが宇宙船の緩やかな暴走を引き起こします。
その原因解明の為に彼等4人は全員で挑み動きます。
シリーズ全編、特にこの1作目は単純にSF小説としてよく出来てます。
宇宙船が起動を外れた謎、青ヲサガセのメッセージが最後で解明される部分はSFならではの余韻と味わいでしょうな。
とりあえず萩尾さんSF世代にはBLでこういった作品がまた聴ける(読める)とは!!っていう再会の喜びをしちゃってみて下さいよ~!
三四郎役の森川さんは声がまだ若くてやんちゃな部分もある彼にぴったりで、抑揚を押さえたでも色気溢れるハスキーなカイの声は中原さんにぴったり。
脇キャストも音楽や効果音も世界観を壊す事なくしっかり作ってあります。
恋愛面が弱いと感じるかもしれませんが、私はルナンの設定だけでご飯3杯軽く行けます!!
出会って直ぐに恋ではなく先ず相棒(バディ)として彼等が成り立っていく、そういうとこもSFっぽで良いのですよー。
SFに馴染みのない方も先ずは1作目を聞いてみて下さい、と!1作目は単作としても聴けますので。
しっかりしたストーリーとストイックなルナン(本来ルナンは快楽的で淫蕩っていうのもイイ!)カイと無頼漢っぽな三四郎の魅力と宇宙船の謎にワクワクしちゃって下さい。
そうしてSFの持つ魅力に目覚めちゃえばいいと思うです~。
大満足の一枚です。
非常に面白くて、ガッツポーズしたくなります。
当初、三四郎ならばもっと野性味があって粗野な感じの声がいいのでは、とか
カイならもっと色気を隠し持ってる風な声の方がいいのでは、
などと思ったのですが、
聴き終えてこれがベストだと思いました。
私のように2作品目から聴いてはダメですよー。上記のような思いにとらわれてしまうかもしれないので、是非ここから聴いてください。
三四郎は非常にアクの強いキャラなので、森川さんのような端正さがあってよかったと思うし、
カイの中原さんは思った以上にストイックさと艶やかが入り交じった、実に魅力的なカイでした。
但し、中原さんのカイは塩沢兼人さん系のささやきヴォイスに徹しているので、
ヘッドホンやイヤホンで聴いたほうがより良いかと。
CD2枚で過不足ない内容だと思いました。
原作が良いのは勿論のこと、脚本も良かったのだと思います。
この作品の何が好きかというと、恋愛感情以前にお互いの才能を認めあっている相棒関係があること。
このドラマCDでも、バディとしての気持ちと、互いに惹かれはじめる気持ちの両方が描かれています。
テンポもよいので、一気に聴けてしまう作品ですよ。
最後のキャスト紹介では一番出番の少なかった真殿さんがゆるーく仕切っていてw
話を方向修正するしっかりした森川さんと
梁田さんのつっこみが妙に笑えて楽しかったです。
SF大好きなのでその要素のBLの要素をうまく取り込んで、監督さんがテンポよく仕上げているかなりの一品のCDです。
SFに抵抗感のない方(設定に強いこだわりを追及しない方)や名優さんの若い演技を聞きたい方。
ドラマチック満足感を試してみたい方におすすめです。
そういえば、昔はS・キューブリックの『2001年宇宙の旅』とか、タルコフスキーの出世作といわれる『惑星ソラリス』と、一種、哲学的なSF映画がありましたよね。
なぜにそこまでSFというジャンルに熱狂したのか、その原点を垣間見たようなドラマCDでした。
何もない宇宙という未知の空間だからこそ、生っぽい人間の姿が映し出されるわけで。
何が起きるかわからないところもハラハラします。
コンピューターが相性バッチリの相手を割出した上で相棒となるわけですが、
その相手が月生まれでしかも同性、というスタートからもう波乱。
にしても、三四郎役の森川さん、当時30になったぐらいでしょうが、すでにこの頃には安定感存在感バッチリです。べらんめえ調の巻き舌喋りに「おおー!」と盛り上がってしまった…。
その相手のカイ役に中原茂さん、最初は「あれ?石田彰さんっすか…?」と勘違いしかける。控え目な敬語表現、おまえ呼ばわりととんでもないほどにセリフの温度がころころ変わるので、それを混乱するー!と思うか一種のギャップ萌えー!と思うかは微妙なところ。なかなか難しい役どころだろうな…。
さらに脇役も美声!とくにサンドラ役の小林優子さん、映画の吹き替え調でいいアクセントになっていた。C級SF映画『バーバレラ』を思い出したよ…。
で、カイがやたら色気あるんで、さぞかしHシーンも…と期待ハァハァしかけたのだが、
Hシーンはてんでありません(笑)
ラストはありえないほど爽やかな終わり方をしています。
90年代のドラマCDってホント、あなどれない。