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原作既読。
歴史物ファンタジー大好物なので、期待大。
一国の公子でありながら、盲目故にその存在を顧みられず名も付けられなかった月心(真殿さん)は、自国を滅ぼした国の太子である大牙(小杉さん)に捕虜として敵国に連れてこられる。
清楚で潔い月心に虜になった大牙が、名前まで与えて囲ってしまうお話です。
月心役の真殿さんの嵌りっぷりが凄かった。
小説の方も大好きなんですが、これを聴いた後ではもう月心は真殿さんの声で完全再生ですよ。
なんと清楚で澄んでて、儚げで、艶もあり色っぽいお声なんでしょう……しっとりとした繊細さに思わずため息がこぼれました。
大牙役の小杉さんも、ドスのきいたお声がまさに熱い性格の太子という感じで、まだ若いという事実さえ忘れてしまえば最高でした。
月心が自害しようとするシーンは真殿さんの迫真の演技で、胸が張り裂けそうなくらいせつないです。
大牙の気持ちを考えると、つらくてつらくて、もう視界が霞んでしまうくらい涙が……。
それを知った大牙が、側近の火烏(井上さん)に当たり散らすんですが、井上さんもまた火烏のイメージとぴったりで、大牙を諫める所なんか凄く良かったです。
BGMも変に邪魔していないし、全体通して透き通った印象のあるCDでした。
1枚ながらも聴きごたえあります。
独自の世界をそのまま表現し、スッと引き込むのはインター作品の十八番。
たおやかさと気品あふれる真殿さんが素晴らしい。
小杉さんの苛烈な君主っぷりもさすがです。
ほどよい心情描写がこの作品ではいい方向に出ていて、聴き手がその隙間を埋めながら話へ引き込まれていくように思います。
モノローグ等で説明しすぎず、キャストの演技そのもので聴かせるタイプ。
ベテラン勢の重厚な演技を堪能できる作品です。