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表題作永遠に咲く花のように

レオパルド
オデルハイム国王
シャルル
ウロボロスの快楽人形

あらすじ

18世紀、オデルハイム王国。恋人を失って以来孤独に生きてきた王レオンは、錬金術師コクトーに亡き人の生体人形を作らせる。
ほんの座興のはずが、瓜二つの出来栄えに激しく揺れるレオン。その反面明らかに異なる人形の性格に戸惑いと苛立ちを隠せない。
一方、人形もまた王を愛する気持ちが自我なのか、人形としてプログラムされたものなのかわからず苦しんでいた。
誰の身代わりでもなく愛され、自分が自分として彼を愛したい・・・人形の切なる祈りは届くのか?(出版社より)

作品情報

作品名
永遠に咲く花のように
著者
須藤安寿 
イラスト
こっこ 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
タナトス文庫
発売日
ISBN
9784812439951
3.5

(4)

(1)

萌々

(0)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
14
評価数
4
平均
3.5 / 5
神率
25%

レビュー投稿数1

ホムンクルス・感情のある人形と聞いてアレ等を連想した方はこれが好きかもしれません。

ゴスエロで創刊したタナトスから2冊目の刊行作品です。
ここは、新人作家さんばかりを発掘していく路線なのでしょうか?
ジャンルは隔たってますが、新人さん注目にはいいレーベルかもしれません。

さて、お話はアンデルセンの「ナイチンゲール(王子と小鳥)」をベースに作られております。
王子はそのままレオパルド国王、生身のナイチンゲールは10年前に処刑された王子の情人フェルナンディド、機械仕掛けのナイチンゲールはフェルナンディドに似せて造られた快楽人形・ホムンクルスのシャルルです。
ホムンクルスといえばあの有名な某マンガ・・・"賢者の石"の代わりに核となるものは番となる相手の"精液"でございます。
錬金術師のコクトーが王からの依頼で造ったのは、王がかつて愛して裏切られた恋人フェルナンディドにそっくりな、快楽の為の人形シャルルです。
城へ連れてこられたシャルルはまだその機能を完全にするための"核"が入っていませんので動くことができません。
しかし原材料は亡くなったフェルナンディドの遺髪を元に造られていますので(多分DNAのなせる技?)感情はあるし、思考もします。
ただ、快楽人形と銘うつだけに、そちらのほうは無条件でインプットされておるようです。
物語はシャルルの移動の景色と、王のレオパルドの回想以外、舞台が城の中から出ることがありませんから、全てが王の葛藤とシャルルの葛藤で進んでいきます。
実はレオパルドに人形を造ることを進言したのは、側近のエヴァンなのですが、彼の存在により最後の秘密の解き明かしが為されていく要注意の人物です。
そして、錬金術師のコクトーも怪しげな過去がありそう。
造る人形全てにシャルルという名前を与え、何やらワケアリそうですが、彼の過去は一切語られません(後日彼の物語は語られるそうですが)
シャルルを通して、本当に自分が欲しかったものは何なのか?どうして彼は自分を裏切ったのか?彼は一体情人であることをどう思っていたのか?
レオパルドはその答えを見つけます。
またシャルルも王やエヴァンから、自分は一体どうありたいのか、真実を見つけ出します。
童話では逃げた小鳥が戻ってきて唄を歌いますが、これは機械仕掛けの小鳥が唄を歌ったととるべきか、機械仕掛けが昇華して本物になったというべきなのでしょうか?

全編通して切ないけど甘い雰囲気の展開になっております。
技術はあの錬金術漫画を連想ですが、BLとしては"ハイブリッドチャイルド"をエロくした版みたいな感じもありました。
ただね、絵が・・・表紙の王の服装と顔がマッチしなくて、それに裸体の描き方がちょっと怖い!?
ロマンチック好みの方にお勧めします。

3

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