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表題作間の楔 6

イアソン・ミンク
タナグラのブロンディー
リキ
スラムの雑種

あらすじ

踪したリキは、特権階級が住むエリアにいるらしい!? 居場所を突き止めたガイは、リキのパトロンがイアソンと知って驚愕!! けれど、イアソンに「これはわたしのペットだ」と所有権を見せつけるように、目の前でリキを嬲られてしまう。嫉妬に眩むガイは、リキを拉致し、イアソンとの全面対決に挑むが…!? 主人とペット──その歪んだ絆で繋がれた究極の執着愛、ついに感動と衝撃の最終巻!! 
(出版社より)

作品情報

作品名
間の楔 6
著者
吉原理恵子 
イラスト
長門サイチ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
間の楔
発売日
ISBN
9784199005565
4.7

(41)

(36)

萌々

(1)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
12
得点
192
評価数
41
平均
4.7 / 5
神率
87.8%

レビュー投稿数12

とうとう最終巻、涙でした!

ついに最後を迎えました!
今回の表紙はイアソンに抱き込まれ、おだやかな表情をするリキとの2ショット。
やっと二人に安息の日が訪れるのですが、その結末は・・・
この新装文庫版で初めて読んだ作品でしたので、毎回どうなるのかドキドキで、この二人が、そしてガイがどうなるのか、どういう結末を迎えるのか、それは二つに一つしかないだろうとは思っていましたが、そちらできたか、、、やはり吉原さんだった、と思わざるをえない。

前の巻でガーディアンの秘密を知ってしまったリキにファニチャーがあり得ない行動を起こしたが為に初めて暴露された、イアソンはリキを愛しているという事実。
ただし、それはリキは知らないのですが。
アパディアで緩い自由を与えられ、それでもペットリングという拘束の元、イアソンの下でおとなしくなったリキ。
ガイを始めとするパイソンのメンバーがリキの居場所を突き止めて、無断侵入してくる。
ペットの事実を突きつけられて、自分の知らなかったところでかばわれていたことを知り、激しい驚きと怒りで憤懣やるかたないガイ。
そしてガイはリキを誘拐し、そこから終幕へと移るのですが・・・多くは語らない事にしましょう。

ガイはとても素直だったと思います。ただリキは不器用でした。
ガイはパートナーとして大事だったから守りたかったけど、イアソンのペットとして暮らすうち、自分も知らない間にある感情が芽生えてきていたことをリキは認めたくなかったのでしょう。
脳は生身であるが身体は人工体の完全なるブロンディーのイアソンが脳の興奮によりリキに欲情して、セクサロイドに成り下がってしまっているのだと、カッツェに知らされた時、言葉には出さないけれどリキは初めて彼の気持ちに気が付いたのだと思います。
そしてガイに誘拐された時に、捨てられてもいい、それまでペットでいたいとさえ思う気持ちが何であるのか、初めて、自分の気持ちに気付かされたのだと思うのです。
でもガイを傷つけたくないばかりに、ペットにこだわってしまったばかりに、ねじれてしまったのですね。
本当に、不器用で不器用で、どうしようもない彼らだ。
ガイはその罪と想いを一生引きずっていかなくてはならない枷を与えられてしまったのかもしれません。

最後でこの題名の『間の楔』の意味がわかりました。
身分違いの愛には、この結末でしか対等になりえなかったのでしょう。
この最終巻でイアソンの見えない優しさと愛が、ブワっと見えてきて涙を誘われました。
実に感動的な最後でありました。

今春発売になるであろうOVAが楽しみです。
小説キャラに付いていた付録のOVAダイジェスト版を見ましたが作者の情熱がこもっています。
CDでも手を抜かないこだわりで、優れた作品を生みだしてきているので、今からその日が待ち遠しいです。

13

完結

ある意味これもハッピーエンドのひとつの形
というアトガキを最初に読んでしまったわけですが、
読み終えて、あ~なるほどな。な感想でした。
ある意味ハッピーエンド。いいえて妙ですが、決してハッピーエンドではない。
王道てきなハッピーエンドではないのだけれど、これまでの紆余曲折の結論としてだけ見れば、これはこれでハッピーエンドと言えるのかなと思ってしまうのです。
ハジマリは最悪。いきがってしまったがための天罰。
払ったツケは払わなければいけない。決して欲した未来ではなかったのだけれど
輪廻という運命の中で必然として出会った二人の必然的な最終地点。
重なり合ったものは身体だけではなかったという結論が
なんだか凄く良かった。

古き良き語り継がれる話って、大概死エンドよね。。。と
友人にメールしたら「そんなもんよ」との返事でしたが
結局さっぱりハッピーで終わった作品は心に残らないということなのだろうか
と、思ってみたり見なかったり。

執着という部分だけがイアソンの醍醐味みたいな感じでずっと見てましたが
実際、自らが生身のリキを抱いて快楽を得るわけではない~
感じているリキをみて興奮し、なおも快楽を・・・と思うと萌えたw
自らの身体で悶えるリキの図を想像するとなんだか凄くイアソンの愛を感じるのです。
悪食と言われようと、どんなリスクを重りを持とうともリキに惹かれるイアソン
逆に、イアソン視点での話が読めればまたなお面白い気がしました。
リキにせよ、イアソンにせよ、お互いの気持ちを確認し合うことなくな最後でしたが
これはこれでよかったのかな~・・・うん。

ガイ。結局暴走が暴走を呼んでの結論でしたが
リキを愛していた気持ちは誰よりも。
幼い時分からのリキへの執着。なんだか少し切なくなりました
とにもかくにも、面白かった。時代を経ていても色あせない作品だと思います

12

悲しくて読めない…

とうとう最終巻ということで、とにかく2人の結末が気になり
最後の方から読んでしまった私…

だめ、もうだめ号泣!!
えーっ、この結末になるのか~(@@)
正直全部読めてないんですが、でも今はなんとなく読めない…
心痛いわ~、切ないわ~

表紙見ると、本当に2人の最後の場面に見えて、また涙(T T)
なんて穏やかな表情なんだろう、もう涙(しつこい?)

7

大作でした

エロ・バイオレンスSFの映画を観終わったような満足感。ストーリーもキャラも設定が丁寧に作りこまれてて、昔の作品ながら、現在でも色あせない名作だと思います。挿し絵も大変色っぽくて良いです。リキえろいよ。アンドロイド(脳は生身)を虜にし、温厚だった親友(ガイ)を狂わせる魔性の子でした。黒髪受けはイイ!強気で誇り高い子が乱れる様ってイイ!イアソン様が萌え萌えになるのもうなずける素敵な挿し絵が1~6巻までにたくさんありました。

面白くて全巻一気に読んでしまいましたがこの6巻では急展開で大変びっくりさせられました。特にリキの元パートナーだった、ガイの暴走と狂気。あれは人としてしてはいけないよ。あんなのは愛とはいえないよガイ。男の嫉妬って怖すぎると思いました。5巻までは良い人だと思ってたのにがっかりだよガイ。

イアソン様は逆に最後の最後にリキに選んでもらえて良かったね。でもこのラストは悲しすぎる。作者様のあとがき通りこれがJUNEってやつなんですね。BLはまってから年数が浅いのでその世界は詳しくないのですが甘ちゃんなので今の王道脳天気ハッピーエンドの方が好きで、こんな話でも「実は生きていた?!」っていうのが希望なんですが、この話はこれで良いです。長い時間楽しませてもらったし。

イアソンとリキは二人とも最上級のツンデレですからね。ここまで追い詰められないと素直になれない人達だったんでしょう。お互い口にだして好きとか愛してるとか言えませんでしたが、心の奥では繋がって理解しあえてたんだと信じたいです。

7

ハッピーエンドじゃなかった・・・

私的にはハッピーエンドではありませんでした。悲しかったです。やっぱり読んでいると、二人にはちゃんと時間をかけて恋人とかそういう関係になってほしいです。
表紙ではリキがイアソンさんに抱え?られていて、どちらも幸せで、穏やかな顔つきでしたが、最後はあーなってしまうなんて・・・
リキがガイをカッチェに託して、また足が壊れて動けないイアソンさんのそばに戻るところはとても悲しくてなかなか先に進めませんでした。
その後、カッチェがタバコを吸いながら泣く場面で私も一緒に泣きました。
でも、こういう結末だからこそ、この作品は神大作になるんですね。


5

この作品が収納されている本棚

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