―私に愛されたくはないか?

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作闇の底で千の祈りを捧げ

フェレンツ
トランシルヴェニアの領主
留架
バチカンから派遣された祓魔師

その他の収録作品

  • 桜闇
  • あとがき

あらすじ

祓魔師の瑠架は、吸血鬼退治のため訪れた東欧の地で、異質な雰囲気を纏う領主・フェレンツと出会う。唇に浮かぶ酷薄な笑みとは裏腹に恭しく扱われ、凄惨な過去を生きてきた瑠架は戸惑いながらも思慕を覚えていく。しかし時を同じくして、瑠架は淫夢に苛まれるようになり!? 熱く溶け疼く身体を抑えきれないまま、自らを慰める姿を見られてしまった瑠架は、悪魔に魅入られていない証として、フェレンツの前で触手の試練を受ける事となり――。
(出版社より)

作品情報

作品名
闇の底で千の祈りを捧げ
著者
バーバラ片桐 
イラスト
朝南かつみ 
媒体
小説
出版社
ブライト出版
レーベル
ローズキーノベルズ
発売日
ISBN
9784861234378
2.8

(5)

(0)

萌々

(0)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
13
評価数
5
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

禁欲と淫乱を表裏一体で併せ持つ聖職者

アルルから出た新レーベルのローズキーノベルズは、新書版の薄めでさらっと読むのにちょうどよい長さ。
活字も他の新書より細かく、まるで文芸誌の新書みたいです。
今回も朝南氏のイラストは色気が~!!見開きカラーがピエタみたいですごい色っぽいですよ!!
しかもバーバラさんのエロが絶好調ときたもんで、触手プレイが実に中間に20Pww
甘くてエロくて、そんな雰囲気に浸りたい方にぴったりの作品だと思います。

お話は親に捨てられ愛を神に求めた超ストイックな祓魔師の瑠架が吸血鬼伝説の残るまるで中世のようなトランシルヴェニアへ、吸血鬼退治に派遣されることから始まります。
過去のトラウマから性欲に対し嫌悪さえ抱く瑠架が、領主の教会の司教の罠にはまり潔癖の証を立てる苦行を与えられ、自分を信頼してくれている領主のフェレンツの為に、彼の言葉を信じて乗り切る。
そして、佳境の吸血鬼退治へとクライマックスへ!

と、さらっと書くと甘いラブロマンスかと思われますが、ところがどっこい、結構この領主のフェレンツは実は早く瑠架を領地から追い出したくてたらしこもうとしていた腹の内。
瑠架も、トラウマから神なんか信じないと思っているのに、それしかよりどころがなく未練がましくしがみついていた人。
とっても人に愛されたくて、という心を持っていたので、フェレンツのたくらみにイチコロで、まるで犬のように信頼してしまうという、結構単純な健気ちゃん。
彼に与えられた拷問めいた触手の誘惑に3日3晩耐え抜いたのも、フェレンツの言葉があったればこそ。
で、その健気さと芯の強さにフェレンツはメロメロになってしまって、首都へ買い物に出かけているシーンはもう恋する男になっていて、微笑ましかったりもするのです。
こんな、人外をテーマにし、場所もちゃんとそういう聖地を選んでいるところ、そして時代設定といいなかなかに面白く、すんなりと受け入れられてしまうストーリーは楽しめました♪

『桜闇』では東京オリンピックの年、昭和39年に日本を訪れる2人の姿が描かれており、幸せのようです。

3

触手スキーさんにはオススメの一冊

ローズキーノベルズ、今回初読みでした。
他の新書と比べて薄っ!!と驚きましたが、紙が薄いだけで実際のページ数がそれほど違うわけではないようです。本棚には優しい薄さですね。

さて内容の方にいきましょう。
バチカンから派遣された祓魔師の瑠架は、吸血鬼退治のために訪れた東欧の田舎で異質な雰囲気をまとった領主のフィレンツと出会う。
古い考え方を維持している住人たちの中で瑠架の吸血鬼退治は上手くいっていたかのように思われた。しかしある時から瑠架は謎の淫夢に苛まれるようになり……

とにかくエロに特化した吸血鬼×祓魔師。
世界観と朝南さんのイラストがマッチしてとにかく美しいです。
主人公がかなり冒頭から攻の領主にフォーリンラブ状態なのが気になったといえば気になったけど、いいか、エロのためなら。

なんと言っても今回のメインは謎の触手植物です。
触手スキーさんは絶対読むべき!
こってりどっしりと愛を感じる濃さと長さです。
すごいよバーバラさん!!

2

静のイメージを感じる正統派吸血鬼もの

第一次世界大戦後の東欧を舞台とした正統派の吸血鬼もの。
他作品の吸血鬼攻めって、基本にプラスアルファでオリジナル設定を付け加える事でそれぞれ差を出しているが、この作品のトランシルヴァニアの領主・フィレンツはそういった飾ったところのないまんま正統派で渋い。

バチカンから派遣された祓魔師・瑠架の出会いからを、お互いの心情を織り交ぜて静かに進行していく。

この話の目玉としてよく触手プレイが取り上げられるが、実は正直言うとあまり萌えなかった…

瑠架自身が快楽に堕ちるよりも理不尽な拷問に耐えるってのが重要なのかなと感じたし、終盤のラブシーンのほうが丁寧に書かれていてむしろそちらのほうが個人的萌えだった。

この話の魅力は奇をてらうエロシーンよりもしっとりとした静のイメージを感じることかなと思う。
激動の時代の中で二人がひっそりと生きていく様子が想像できるかも…

1

吸血鬼の領主と訳あり祓魔師の耽美な世界

吸血鬼、触手というキーワードに惹かれない私には積極的に読みたいジャンルだとは思いませんでしたが、朝南さんの描く美麗な領主とクールビューティな神父様を拝見したくて思い切って手に取りました。

過去の出来事で出世の道を断たれた司教(現在は祓魔師)が悪魔払いのためにやってきたトランシルバニア地方で出会った美貌の領主フィレンツ。

神を信じ日々精進していたのに信じられない目にあって司祭としての身分失い、敬虔な思いにぐらついていた時出会った領主の不思議な雰囲気に取り込まれいつしか虜に…。
真面目でまっすぐ、純粋で健気な瑠架。
瑠架の存在を疎んじていた司教の策略で異端存問にかけられるのです。

食わず嫌いなわけではないのですが、残念ながら触手攻め萌え要素を持っていない私には、責め苦が長々と続き途中読むのが辛くなりました。
25ページほどになりますが、つい飛ばしてしまいたくなりました。
触手大好きな人には楽しめるかもしれません。

最後は美しくまとまって私の好みに終結でしたのでいろいろありましたが後味よく安堵しました。

カバー絵をはじめとして朝南さんのイラストは想像以上に美しく耽美な世界を盛り上げてくださり見とれてしまいました。

1

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP