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プラチナ文庫小説大賞 編集長特別賞受賞作!
犬なんだけど下僕です。
宮緒葵先生のデビュー作なんですが、ここまで強烈なデビュー作は見たことがありません。
それくらい衝撃的でした。
お話の内容にはファンタジー要素も盛り込まれていて、主人公の天姫が時空をかけたりかけなかったりします。
そんなファンタジー要素も朔の珠玲に対する執着ぶりや下僕ぶりにはかすんでしまいましたが(笑)
珠玲のことが大好きすぎて、今まで珠玲のためだけに生きてきた朔。
最初は嫌われていましたが、徐々に報われていく姿に思わずよかったねと呟いてしまいました。
こういう勢いのある作品は大好き!
私はお綺麗にまとまってなくてなくていいから、作者のこれが書きたい!という情熱に溢れた勢いで全てを読まさしてしまうそんな作品が大好きなのだ。
細かいことは気にしない。
ただひたすらにシンプルにこれが好きなんだ!これを読んでくれー!という情熱を受け止めるだけの作業。
それがすごくおもしろい。
宮緒さんの作り出すワンコは徹底的にド犬で気持ちがいい。
周りからはすごい評価が高く本人も自信に満ち溢れているのに、思い人に対してはすごく
自信が無くなり自己評価も低くなってしまうお犬サマ。
お犬サマは、主の足の指も躊躇いも無く美味しそうに嘗め尽くす。
「俺は貴方の犬です」発言を初夜の早々に言い放ってしまう。
さらに「俺は卑しく汚らわしい獣だ」発言。
初夜の後には酷いことをしたと床板に額をくっつけ土下座で謝罪。
受けの珠玲の蹴りも避けることなく甘んじて受けるお犬サマ。
普通のワンコなら主人が自分を殺そうとしていると分かった時点で、それを受け止めて逝くだろうに、このお犬サマときたら主人が自分以外の犬の主になるくらいなら主を殺して自分も死ぬ、という何とも型破りなお犬サマだった。
新月が朔だなんて早々に予想がつくし、亜樹良さんのイラストも珠玲は綺麗なのに、ことお犬サマときたら亜樹良さんの挿絵の魅力満載のガチムチっとしたそのお姿。
今まで見たことも無い、宮緒さんならではのお犬サマにすっかりハマッてしまった。
大好きな作品で何回目かの読み返しです。ついつい定期的に手にとってしまいます。
前半は珠玲が不憫ですが朔の事をもう少し汲んであげていたらと思ってしまいます。
朔も言葉が足りず獣のように珠玲を犯すので珠玲が追い詰められヤケクソになるのも仕方ないのですが。
そして後半は一転甘々に。ようやくキター!とニヤニヤしながら読んでました。
朔の執着に心をうたれ執着を独占したい珠玲。
誰からも愛されなかった珠玲をここまで愛してくれ求めてくれる唯一の人。いや犬?
あなたの犬、私の光、道連れ、いいですね。
宮緒さんの犬攻めの原点ですね。
しかし犬犬言い過ぎ(笑)
新月の時に姫を裏切って消えたからといっても、姫を自由にするための命懸けの年月を過ごしてようやく長い散歩から帰ってきたのに卑屈ですね。
これがデビュー作とはすごいですね!グイグイお話に引き込まれました。
宮緒さんによって犬攻めに出会いました。ワンコじゃなくて犬!
愛し愛されるっていいなあと思いました。
ある意味花嫁ものというか高貴なお姫様が成り上がりの騎士と結婚してというシチュエーションからして好きなのでわくわくしながら読みました。主人公はれっきとした男ですが姫として拝められてきたので一人称も私で誇り高く凛としていました。始めは将軍のことを嫌っています(いたしかたがないと言わずにいられない)が優しさを知り惹かれていきます。ある事件を機に一気にではなくゆっくりと変わっていくのがよかったです。互いを思いやる素敵な夫婦として末永く暮らしていくのだろうと暖かい気持ちになれました。
忠犬ハチ公×深窓のご令息のお話
デビュー作だそうで、まさに作家さんの大好きてんこ盛りなんだろうなぁ……というのが伝わってきます。
なんちゃって平安となんちゃって古代神話な世界観。
受が女性として育てられ嫁に行くという、個人的にあまり積極的に読みたいとは思わない類のお話でありながらも、あら不思議。
結構普通に読めてしまいました。
執着攻ってわりと好きなんですが、これは想像の斜め上を行く執着ぶり。
BLに心中ものはいくつかありますが、この攻の自己中な無理心中は凄い。
犬だ犬だといいながら、桃色シーンだけは狼になるとかね。
そんな犬に絆されてしまう受も、根が素直で優しいのが好感が持てます。
時間軸のからくりが不透明な点など含め、ファンタジーとしては少し設定が弱い気がしますが、恋愛にかなりの重点を置いているので気になりません。
そして脇役がとてもいいです。
個人的には脇役の雄心でスピンオフが読みたいです。