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表題作欲しいのは、愛

奈良橋漣
34歳、元モデル、モデル事務所社長
甲斐遙佳
24歳、元モデル、モデルのマネージャー

その他の収録作品

  • ラブネスト
  • あとがき(伊郷ルウ)
  • あとがき(タカツキノボル)

あらすじ

高級マンションでワインを飲み、ベッドへ――わかってる、彼とは「セフレ」…。モデルのマネージャーをしている遥佳は、別事務所社長・奈良橋漣と週末ごとに身体を重ねる仲。しかし、奈良橋は遥佳も憧れていた元トップモデルで交友関係も派手。セフレの領分を超えまいと、遥佳は好きな気持ちを打ち明けることができずにいる。――捨てられるのは怖い、でも捨てられるなら自分から離れてしまいたい。思い悩む遥佳は…。大人の恋のすれ違い――洗練された男たちの不器用なアダルトラブ。

(出版社より)

作品情報

作品名
欲しいのは、愛
著者
伊郷ルウ 
イラスト
タカツキノボル 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796401388
3

(9)

(0)

萌々

(3)

(3)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
24
評価数
9
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

心に危うい…長すぎる春

これは3年間もお付き合いしながら、3年間も何やってたの?!
…と問い正したくなるような、精神的すれ違いカップルの危ういお話です。
攻様=モデル上がりの辣腕社長・超美形…ただしかなりの自信家。
彼に言わせりゃ受様は「3年も愛し合った恋人、言葉なぞ不要。」
(↑おいおい…愛してりゃ言葉はいらないなんてのは、
  多くの男達がやらかす、典型的なしっぱいなのですよっ。)
受様=顔美貌・でも中身地味な、モデル上がりのマネージャーさん。
彼は攻様のことをこう言う…「3年たってもまだセフレ、言葉にしたらもう終わり…。」
(↑言葉にしなけりゃ伝わらないのは、当たり前。
  日本人にはよくある失敗です。本当によくある…。)
かくして受様はひとり、3年間も心悩ませるわけなのですが…
それにしても3年間は長い、そして長さが重苦しい(…)
どうしてここまで悲壮感が漂うのか?
それってやっぱり…3年間という月日ってのが、恋人同士にしてみりゃ、
一種の霊数みたいに、心にずしっとのしかかってくるからなんですよねぇ。
新しい仕事始めても、恋人関係スタートしても…普通、
3年もすりゃ人間、何だかの手ごたえが欲しくなるわけでして~
適齢期を前にした男女カップルの内輪もめみたいなことが、
BLにだって、あってもおかしくないわけです。
受様にとっては攻様は、自分よりも遙かに「高めの男」で、
セフレに過ぎない(と思いこんでる)自分は、かなり「安めの男」ポジション。
このあたりの「高さ」と「安さ」なんて考えちゃうと、
かなりロクでもない悲壮な考えしか浮かばないという、負のスパイラルです。
そうそう…だからね、こうならないためにゃ…
付きあい始めの頃に言葉でハッキリさせるか、
3年という月日なんぞ、ものともせずに、がっつり話し合うしかないのですが…
言葉ってのは(愛さえあれば)便利です。
このカップルの場合、話さえすれば…あっさりハッピーエンドでしたよ☆
さて…お楽しみのエロですが、やってるコトは普通のSEXなのに、
そういう場面が…これでもかというほど出てきましたよ(笑)
それよりもねぇ…受様をめぐるライバルとの鞘当てが、
大人げ無い! 実に大人げ無いんです…美貌のセレブが小学生みたい。

2

こういう話大好きだっ!!

読後に感じたのはタイトルと話がとても合っていること、まさにタイトル通り『欲しいのは、愛』という話だったなということ。

人気絶頂時にモデル業を辞め、自らモデル事務所を立ち上げ社長として若手の育成に力を注ぐ奈良橋。
人気が出始め頂点へ到達しそうなところで、モデル業に疲れマネージャー業に転身した遥佳。

大人同士、関係も良好で体を重ねる逢瀬も楽しんでいる。でもお互いに分かり合っていない部分があり、不器用でちょっとしたことですれ違っている。そのすれ違いが無くなった時、ふたりは本当の恋人同士になるんですね、きゅんという感じです。
早々にネタバレしてしまいますが、奈良橋からすれば遥佳は「もう付き合って三年になる恋人」という位置づけ。
遥佳からしてみれば、奈良橋は「もう三年も付き合っているセフレ、でも本当は好きで愛しているから離れられないし、この関係が壊れるのが怖い、壊れなければいいのに・・・」と切なく思っている相手。
三年も一緒にいるのに、二人はお互いの気持ちをちゃんと確かめ合っていない。
何故か?それは初めて遥佳が奈良橋と体を重ねた時に言われた言葉に原因がある。
その奈良橋に言われた言葉で遥佳は好きな相手にとって「自分はセフレなんだ」という思いを抱きつつ、途切れることなく週末の逢瀬を重ねていたのかと思うと切なくて。
奈良橋曰く、遥佳は自分に気があることに気が付いていた。好かれていると確信していたから言わなくても分かってもらえるとか・・・思っていたらしいのです!自分に自信有りの男の身勝手な傲慢さを見た!と思っちゃいました。
遥佳はずっと奈良橋からの「愛してる」と言う言葉を待っていて、ほんと受け身なキャラでした。
そう思えばちょっと乙女入ってるかもしれません。
昔は遊び人だった奈良橋に、自分から確かめて、面倒がられて関係が壊れるのも怖い。ならじっと我慢して体だけでも重ねられるなら・・・それでもいいとかかって、健気だなぁ。

アテ馬として登場したデザイナーの父親とモデルの母親の間に生まれたサラブレッド、ジュリオ。
恵まれた男が手に入れる事の出来なかった、遥佳。
彼の遥佳への執着・横恋慕からくる意地の悪い行動のおかげで、二人は本当の気持ちを確かめ合う結果になり、アテ馬というかお邪魔虫としての役割をキッチリ存分に働いてくれた事がふたりの仲をぐんぐんと近づけて行く結果に。
こういう役割を担って出てきたからにはそれ相応の働きをしなくっちゃね!グッジョブ!ジュリオと思ってしまった。
そうそう、ジュリオに対して奈良橋の「俺の遥佳」宣言にはぐっと心掴まれました。
凄い、ここまできっぱりと受けを「俺のもの」宣言してる攻め久々に読んだ!男らしい!

デキ上がっているふたりなので、ベッドで仲良くしているシーンが沢山ありました。
でも、伊郷さんの文章ってさらっとしていていやらしくない、でもたま~にそのさらっとした文章の中に「いやん」ってなってしまう描写があるので油断できません。
今回も一箇所「いやん」となってしまいました。
自分的に最近読んだ伊郷さんの話の中で一番好きかも!です。

短編『ラブネスト』では晴れて二人は同棲スタート。
新婚さんの甘々なひと時といったラブ度の高い短編となっていました。

0

嫌いな展開ではないけれど…

不器用なアダルトラブな内容にひかれて購入したんですけど…
確かに、年齢的にはアダルティなんですけど、やってる行動見ていると子供っぽい印象を受けてしまって、萌までいかなくて残念でした。

モデル会社社長の蓮 × 別モデル事務所マネージャーの遥佳の年の差&年上攻、元モデル同士の恋愛もの。

2人の関係が始まって3年。
遥佳は、「セフレ」だと思っていて、
蓮は、最初から一目惚れで持ち込んだ関係だと思っているから、遥佳のことは「恋人」だと想っている。

言葉の足りなさすぎる漣と、
蓮も愛してくれているとは気がつかずに思い悩む遥佳‼
そこに、当て馬として以前から遥佳にアプローチしてくるジュリオ。
無理やり横槍をいれてくるので、三角関係とまではいかないんですけど、遥佳は自分のせいで、蓮の会社が危ないと思い、自分の身体をジュリオに捧げようとしたのは、健気受でした。
それにしても、40歳のジュリオの、子供染みた行動には若干イライラしました(笑)

確かに、大人の不器用すぎる、恋のすれ違いと、王道展開なストーリーになっているんですけど、
3年もお互いの気持ちがすれ違ってたって…どうなんだろうって⁉
1番最初に蓮のいった言葉が誤解を受けたのは分かるし、蓮の口下手が原因だったのも分かるんですけどね(笑)

ただ、遥佳は蓮との関係が壊れてしまうのが怖かったからにしても、3年も何もリアクションを起こさず、「セフレ」だと思い続けていたことに対しては、健気受なんだろうけど、一緒に過ごしてきて、蓮の本心をみようとしなかったヘタレっぷりは…なんか蓮も可哀想だなあと思いました。

そんな問題ありなカップルなんですけど、関係は3年もと出来上がっているので、ベットシーンが多くて多くて(笑)
濃厚であまあまでした♡

ストーリーは可もなく不可もなしと言った感じで、すれ違い続けた2人が、当て馬のジュリオのお陰で⁉…
最終的には想いを確かめ合いハッピーエンドでした。

スピンオフとして、ジュリオが主役の「惑わすは、愛」ち続くようです。
こちらは未読なので、感想は言えないんですけど、良かったら一緒に読んで見てくださいね‼

2

三年間も!

 モデルのマネージャーをしている遥佳は、元モデル。
 そのモデル時代に知り合った、今は同じくモデルを引退し、別のモデル事務所を経営している奈良橋漣と週末ごとに体を重ねる仲だった。
 けれどそれは、恋人同士という訳ではなくあくまでも体だけの関係――「セフレ」だった。

 遥佳は、昔からトップも出るとしての奈良橋に憧れていて、最初に誘われた時に、迷いがなかった訳ではなかったが、ついうっかりOKをしてしまった。
 その後、「また暇があったら相手をしてよ」の一言で、三年間、ずっと体だけの関係を続けていた。
 遥佳は、交友関係も派手で、付き合いも多い奈良橋に迷惑はかけたくない、セフレの領分は越えたくない、と自分が奈良橋のことを好きな気持ちを隠し続けていた。
 けれど、それもそろそろ限界かとも同時に考えていた。
 捨てられるのは怖い、でも捨てられるなら自分から離れてしまいたい――揺れる遥佳の耳にある噂が飛び込んできて……

 という話でした。
 結局のところ、奈良橋も遥佳のことが好きで、奈良橋は遥佳が自分のことを思ってくれているのを感じ取っていたから、てっきり自分の気持ちも遥佳に伝わっているもんだと思い込んでいて、三年間一回も好きだと言うこともなく、遥佳の態度に疑問を持つこともなく、過ごしてきて。
 他の男に遥佳がちょっかいを出されたら、臆面もなく「俺の遥佳」と言ってしまえるのだからすごい。

 遥佳が最後に泣きながら主張してたけど、本当に言葉にしないと伝わらないこともあるんだから、そういうのは本当に困る。
 そのせいで不安になり続けた遥佳も遥佳だけど、どちらかというと遥佳の気持ちの方が理解できるかなー……という感じです。

 なんというか、もてる男の傲慢……のようなものを垣間見たような気がします。

 ハッピーエンドはハッピーエンドなんですけど、なんかイマイチ釈然としない感じの話でした。

1

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