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ついに完結!これぞ正統派青年誌流BL道
あ〜〜〜最終巻で突如BL味がマシマシになひました。だからといって"よくあるBL"みたいな事ではなく、非常に好みの関係性に落ち着いてくれました。あとがきを読むと作品への理解がかなり深まります。そうそう「男同士の行き過ぎた友情」が見たいのよ。それぞれどうあっても生きていける。互いがいなくても生きてはいける。でも互いがいたほうが…という家族ともまた違う個と個の関係が好きです。番外編「ギフト」のやり取りがまたいい。あとがきにラブラブハッピーエンド、ではなくと書いてありましたが、最終話から番外編の間に有田がずいぶん大人になり、ただ彼らしい雰囲気を残したまま、白洲は相変わらずで、そして2人の間にラブが確かに見えるという、これがラブラブハッピーでなかったらなんなのだという。作品が完結しても彼らのエンドが描かれたわけではないので、まだまだ何があるか分からないのが人生ですね。
お前じゃなきゃダメだ!な依存ラブにそこまでロマンを感じないので、この2人が行きついた先は私的にはよかったかと。
全部で繋がらなくとも、揺れながらも繋ぎ合った絆が2人にはあるって思えるいいラストだと思う。
(2012.2.29)
この最終巻で2人の距離が一気に縮まって、萌えがぐんと増しました。確かに3巻まではお互いの気持ちも曖昧で非BLだったかもしれない、でもこの4巻は、誰が何と言おうと私の中では間違いなくBL。女性に頼られたら呆気なくその手を取ってしまう悲しきノンケの性。でも、白州に優しい言葉をかけた舌の根も乾かぬうちに、美人の先輩と駆け落ちしてしまう有田の軽率さにただ憤ることはできなくて。経験値もない夢見るニア童貞だもの、恋も愛もまだ分からないんだもの、それでも先輩の隣で彼は何度も白州のことを思い浮かべていたから許してあげる、そんな風に思えました。
先輩の方も別に有田のことなんか好きじゃなくて、有田はただいいように使われただけですしね。ノンケには十分な仕打ち。そこからの流れも秀逸で、白州は1人になった有田に突っかかるのかと思いきや、怒りも泣きもせずいつものテンションで有田に話しかける。言い訳などされずとも、白州には有田の気持ちなんてお見通しだったのかな。今まで一番の親友だったんですもんね。ロマンチック過ぎず、あくまで男子高校生らしいノリでもつれ込む濡れ場も好き。そして、何年も経った後の有田の誕生日の話も。今更有田が女性に気持ちが移ることなんてないとちゃんと分かっているからこそ、パンチの効いた白州からのプレゼント。本気で3Pだってしてしまえばいい。そんなことでは、この2人の関係は露ほども崩れたりしないでしょう。
ついにやっちまった二人。
「お前とは変わらず友達でいたい。ずっとじゃなくても、せめて…高校生やってるうちぐらいは。」という白州。それを聞いてたまらない気分になった有田は白州を抱いてしまいます。
基本純情な有田は、速攻で白州が可愛く感じちゃって彼氏気分になるんだけど、白州はそれを笑い飛ばして「ノリ」で寝たと突き放す。
もう二転も三転もする展開にハラハラするし、そして今まで一巻から散りばめてきたネタ(脱童貞時の天井の様子やら、童貞喪失話を聞くとか、ゲイビを買いに行った時とか)も上手く回収されて読んでて嬉しくなっちゃう。
掲載が青年誌だったので非BL扱いになっているのだと思いますが、あとがきで「青年誌でBLを描く」と作家さんが述べていらっしゃるように、最初からBLとして描いていらっしゃいます。
そしてBLに読み慣れた層ではなく、BLを恐らく読んだことがないであろう青年をターゲットにしているので、男同士が友情を超えて体の関係を持って、それ以上の関係を築いたり保つためのあれこれがそんじょそこらのBLよりも丁寧に無理なく描かれていると思います。
BL愛読者ならあっさり男同士がくっついたとしても、まぁBLファンタジーとして受け入れられると思うのですが、BLを読んだことがない青年の場合、そこら辺を適当にすませて男同士がくっついてしまうと、はぁ?ありえねぇ!と拒絶反応が起きるはずですが、そうは思わせない説得力を持った作品だと思います。
彼らが25歳になったとき、35歳になったときもそれぞれ描かれています。
肉体関係を持ってハッピーエンド、いつまでも二人は幸せに…といった寝惚けた顛末ではなく、パワーバランスのかけひきを楽しんでいるような二人です。
25歳の有田は、多分白州に恋人はイナイと思っているので、恋人同士と一言では言い表せない状況のようです。でも二人仲良く「友達でも恋人でも家族でもなんにだってなってやるさ」と思う有田には激萌えします。
35歳の有田は従業員に「恋人が男の人ってホント?」と聞かれて おかしい?と返事をしているので、あぁ恋人同士ということは認めているのだなぁ、10年前よりは進化しているなぁと読んでて思うのだけど、その子とキスをしちゃってやらしてくれるかな?と考えてるし。
ところがその女の子は、たまには女を抱かせてやろうと、白州が手配したまさかの誕生日サプライズで…!
最後の最後まで面白かったなぁ。
答姐で教えていただいた作品ですが、とっても面白かったです。
非BL扱いだったので男同士の友情話かなぁ?と読む前は思っていたけど、読み応えはあるし、萌えどころもあるし、で本当に読んで良かったです。
教えてくださって本当にありがとうございました。
感想というか雑感になってしまったので、作品の要所についてお知りになりたい方はどうぞスルーして、他のレビューを参考にしてくださいませ。
青年誌『IKKI』で男性向けBLとして連載された作品。全四巻の最終巻です。黒娜さかきさんはトゲのあるダークな作風のイメージだったのですが、『かえってほしいの』で掴まれまして、この作品でKOされました。
女子高から共学に変わった年の桜学園に四人だけ男子生徒が入学してきた。そのうち、イケメン眼鏡・白州雅寛はゲイだった。メインは彼と天然ドーテー同級生、有田悠人の友情↔︎恋愛物語。
作家さまは男性向けということで試行錯誤されたようですが、一般的な(ということは女性向けということになるのでしょうか)BLと変わらず、思いっきり楽しみました。わたしはこれまで読むきっかけがなかったので少年漫画も青年漫画も数人の作品を除いて殆ど 読んだことがないのですが、そこから二次に発展していくのはよくわかります。男同士の絆や友情は腐視点の源ですものね。かといってあの文字と絵のてんこ盛りな情報量といい長尺の連載期間といい、体力も気力も衰えているオバハンに今更少年漫画を読むの余力はないのです。(あと寿命的にも余裕がない。)その手間を取っ払って、オイシイところだけを抽出して読みやすく萌えさせてくださったのが『青春♂ソバット』だっといったところでしょうか。
高校一年生。まだ未熟な部分が多いかもしれない。だから悩みは尽きない。でも友達になったヤツが困っていたら守ってやりたい。友達がゲイでも、友達のことを好きになってしまっても、関係を壊したくない。ずっと一緒にいたい。わたしにとっては一番萌えるシチュです。あとがきで作家さまが作品を描きながら辿り着いたテーマについて語っていらっしゃるのですが、男同士の友情以上恋愛未満に萌える方は作品を読み終わった後、是非併せて読んでみられると興味深いと思います。
誰かと出会って恋愛して(選択の余地があれば結婚して子育てもして)、その中で衝突して傷ついたり傷つけたり冷めたり嫌いになったりして、それでもいつかそんな倦怠期や辛い時期を乗り越えて、今はその相手が一番の親友だといえる。クサいですけどね。でもですね、そんな人生の途上で長い時間を掛けて築き上げてきた関係を、BLでお目にかかる男同士の特別な繋がりの中に凝縮されたカタチとして投影して追体験する、そんな時もBLを読んで励まされる瞬間だったりするんです。