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すごく面白かったです。
あらすじは大体こんな感じ↓
画家の父を亡くした篤史は父の同業者である久代の家に引き取られます。久代は優しいけれど、息子の忍は時々冷たい。種明かしすると、忍はずっと篤史に片想いしていて、篤史が忍より久代に懐いているから心中穏やかではないという微妙な三角関係。叶わない恋に苦しむ忍はやけっぱちになって色んな女性と付き合いますが、当然の如く長続きしません。篤史はそんな忍に呆れつつ、忍が家に寄り付かないことを淋しく思っています。とうとう忍の想いが溢れ出て篤史は強引に奪われてしまいます。
忍んで忍びまくった男がへたれてます。
攻の忍は、爽やか兄貴を演じている時は胡散臭いことこの上ない男なんですけど、ダメ男の正体を晒し始めた辺りからあり得ないくらい可愛く見えてきます。
篤史に苦労をかけたくなくて出来の良い兄を演じたかと思ったら注意を引きたくて意地悪になったりする忍にーさんの性格は妙に現実味があって親近感が湧きます。
しかも真の姿は子供っぽくだらしないダメ男という・・・正直、想いを忍ぶのには向いていない人だと思います。
それでも頑張る姿に好感度大です。
強引に奪うだけじゃ酷すぎるし優しく甘やかすだけじゃつまらん。
多面性があるから面白いんです。
ちゃらんぽらんなへたれ攻、大変美味でした。
ちなみに心変わりする受なんて御免だね!と思われるかもしれませんが、受のあっくんはただのファザコンなので、恋愛対象として好きになる相手は忍だけです。
さすが樋口先生。コストパフォーマンスが高いです。
血の繋がらない家族ものはよく読むのですが、こんなにきゅんきゅんして、泣いたり笑ったりして、素直に萌えることのは久しぶりかもしれません。それぐらい素敵なお話でした。
一番初めに言いたいのは、この表紙に写っているのはお兄様の忍さんと主人公の篤史くんです。お父様ではありませんのでご注意を!
このお話は、母を幼い頃に亡くし、画家の父に育てられていたのですが父が脳出血により死んでしまい(主人公は当時7歳)、それが「自分のせいだ」と思い深く深く傷ついてしまった篤史くん(受)と、その篤史くんの意地悪だけど優しくて、自分は大人だからと我慢して大人ぶっている義兄さまの忍さん(攻)のお話です。
義家族ものなので、どっかしら血が繋がっているのかと思うと思いますが、まったくもって、他人です。ですが他人じゃありません。それが今回の見所だと思います。
物語は両親を亡くし、親戚も遠い親戚しかおらず困っていた篤史くんは実父の後輩の久代さんに引き取られたところから始まります。その頃から意地悪だった忍さんに篤史くんは「自分のことが嫌いなんだ」という印象を受けてしまいます。
このおはなしのいいところは、そういった「細かい過去が人格を作り上げているところ」だとおもいます。
簡単にいえば設定が細かい、ということなのですが、そうではなく、人格形成の形がしっかりとしていて、キャラクターそれぞれの考え方や行動パターンなどが「こういうことがあったから、こういう動きをして言葉を発するんだ」と、とても分かりやすいというか理にかなった動きをするので、まるで生きている人間を見ているかの様な印象を受けました。
途中で当て馬の様な福山という男の人も出てきますが、どのキャラもとても素敵に描かれていて、特にいいなと思った脇役さんは、篤史くんのお友達でした。みんな個々に感情を持っていて、読み進めていくうちにどんどん気持ちがもっていかれました。
挿絵の穂波さんの絵も素敵で、イメージにぴったりで、買ってよかったなあと思いました。
トラウマや、すれ違いなどが好きな方には、是非オススメしたい作品です!
それにしても忍って、忍さんにぴったりの名前だと思います。名前のまますぎて、思わず笑ってしまいました。素敵な作品をありがとうございました!
めっっっちゃ好みな作品でした!
というか攻めの性質が自分のツボに入りまくりました。
・受けを溺愛してるけど悟られないようにしている(そして実際に受けも気づいておらずむしろ嫌われているとすら思っている)
・好きすぎて行動が一周回っておかしくなってる(無理に彼女つくろうとする、実家になるべく寄りつかない等)
・受けのピンチを陰ながら阻止している
・蓋を開けるとタガが外れて変態っぷりがモロに出てくる(受けも案外すんなり受け入れている)
溺愛、変態な攻めが好きな人には刺さる作品だと思います!
ちなみに一応兄×弟ではあるけど、血のつながりは全くないので近親ものが苦手な自分でも普通に読めました。
あと2人の父(弟とは血がつながっていない)が寛容なので変にドロドロした感じもありません。
樋口美沙緒先生,初です.
いや,めちゃめちゃよかったです。
すれ違いというか誤解というか,両片思いのもだもだ小説ってあんまり親しんでない部分だったんですけど,いいですね...すごく,いいですね。。。
樋口先生の、心情を丁寧になぞる感じの文体がこれまた頭にすっと入ってくるのですごく楽しかったです。
養父に片思い(してると思っている)高校生の受け様、篤史くんと、養父の血縁・戸籍上の息子で社会人の攻め様・忍さん(篤史くんの5歳上)の恋愛模様のお話です.
あらすじを斜め読みしただけだったので,当初は養父との年の差で三角関係の当て馬に忍さんかと思ったのですが,違いましたね!!私はモラル良の溺愛攻めが好きなので,久代さんが友人の息子に手を出す男じゃなくて安心しました!
幼いころにひとり親の父を亡くし、父といたときから自分の存在が邪魔になると考えていた篤史くん、愛された自覚が少なすぎて親への愛と恋愛を混同しちゃってるのですねーー。
忍さんの行動がだいぶわかりやすいのに、当事者で俯瞰して見れないことも相まって忍さんへの恋心も自覚してないし,忍さんからの気持ちにも気づくわけがなく……。
耐えられなくなった忍さんに手を出されたりしましたが,いいカンフル剤になった感じで(当人はそれどころじゃなさそうだけど)良かったです.
あと,いちいち篤史くんのためを思っていることがまるわかりな忍さん、届くことのない気づかいにこっちの胸も痛くなるよ!!めちゃくちゃ!!
引っ越しする時とか、ひどいこと言いながらつらい顔してる時とか……
序盤は忍さんが謎行動過ぎて,訳も分からず抱かれている篤史くんのように「??????」なわけなんだけど,忍さんが篤史くんにめちゃくちゃ長い片思いをしているとわかった瞬間「あーーーーーーっ!!(切なさの槍グサッ)」みたいな笑
隠し切れないくそデカ感情、ごちそうさまでした。。
ひと悶着(ひと悶着?ふた悶着??)ありますが,ハピエンで読後感もよかったです。
あー,義兄弟楽しませていただきました。久代さんも一緒に、3人で幸せに暮らしてね……