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―俺に愛されるよう努め、俺のために歌え!
アラブもの、というのは実はあまり得意なジャンルでは無いのですが神楽先生のはこのシリーズだけはアラブアラブしていなくて、すんなりと読めました。
受けの来歌は婚外子である事が理由に日本では歌えない。
父も母も有名人過ぎたし、何よりそれぞれ家庭がある。来歌の存在がバレれば大スキャンダル。
普段ならこの設定だけでお腹いっぱいもういいよ、となってしまうんですが、神楽先生のこのシリーズはそういう少々無茶な設定もひっくるめて楽しめてしまう不思議な作品です。
他の二作に比べると事件もそこまで大きな事ではなく、比較的優しいテンポで二人がくっついたなぁと思いました。
1作品目の葵とジンがここでも出てきてくれて嬉しかったです。
ただやはり日本人が三人目ともなると日本人魔性すぎる…!となりますね笑
アルハラードシリーズ第3作目。前2作とはレーベルが変わってます。
私、いわゆる『アラブもの』は苦手な方なんですが、神楽さんのアラブもの(これ、そうですよね?)を読んでると、私実はアラブも大丈夫なんじゃないか、と錯覚しそうになります。
今作も、舞台やキャラクターの設定はいかにもアラブ(王様と流れて来た歌姫)なんですが、キャラクターのタイプやストーリーはアラブ(の王道)っぽくないというのか、意外なくらい誠実で『純愛』って感じでした。
イスハーク(攻)は、高貴な身分で命令し慣れてる立場ですが、決して暴君じゃないんです。来歌(受)はちょっと従順過ぎ?でも、生い立ちからしてしょうがないんでしょうかねぇ。でも、『なんでも言いなりで苛立つ』っていうわけじゃないんですよ、不思議なくらい。
なんというか、神楽さんの世界に取り込まれた感じで、普段の私ならたぶん『そんなわけないだろ!』と突っ込みたくなるだろう部分(あとから冷静になって考えれば、結構ある気が・・・)もそのまま流せてしまいました。マジックだ。
でもそれが作家さんとの『相性がいい』ってことなんでしょうかね。理屈じゃないってことなのかな。
神楽さんの作品は8割方読んだのですが、神楽さんの受って女装率ものすごい高いんですよ。私は女装は特に好みではありませんが、逆に無闇に敬遠もしません。作品次第なんですが、神楽さんのはまったく抵抗ありませんでした。キャラクターに合ってるし(というよりも、『合う』キャラクターや世界を構築するのが上手いってことなんでしょうか)。
それと今作もそうなんですが、設定やあらすじからは想像もつかないのに、読んでみると実は『純愛』っていうのも多いと思います。ストーリー全般は結構ハードでも、ラブ面に限っては『純』だったりするんですよ。そういうところが特に好きです。
シリーズも3作目になりましたね。
このへんで打ち止めなのかしら。
とはいいつつ、このシリーズ前2作がわりと好きでありまして
挿絵もカワイクてですね。楽しみに読ませていただきましたw
感想としては、まずまずかな~というところ。
歌姫~と呼ばれていた受が、歌を披露し、その歌に惹かれ~な展開からの作品なのであります。
前回までは、あんがい事件だのなんだの~でバタバタした印象があったのですが
今回はわりとすんなりくっついたかなという印象。
歌を~なくだりは嫌いじゃなかった。
歌うことを抑圧されていた受が、歌うことを許可され、歌えと命令される
それが嬉しくて~。。
さらっと読むときには良い作品。
ただ最終、砂漠に嫁ぐ3人目の日本人の少年。
さすがに、そーなってくると「それもどーよ」と思ってしまったのが敗因かなと思ってしまいました。いいんだけどさ。。いいんだけど。。