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表題作艶漢(アデカン)1

その他の収録作品

  • 第一の話 花嫁橋
  • 第二の話 合わせ鏡
  • 第三の話 兄弟懐歌
  • 第四の話 蝶眺三人
  • オマケ漫画
  • あとがき

あらすじ

ユルい着流しにノーフン(フンドシしてないってことダ)がちな妖艶系ぼんやり傘職人・詩郎と、だらしない人がぜんぜんゆるせない熱血正義漢(妹萌え)な巡査殿・光路郎が、世界の果てのまぼろしみたいな裏町でエログロ猟奇な事件に巻き込まれる! 眉目秀麗悶絶お色気アクション・パノラマ百貨店、この阿片的中毒性!尚月地の処女作第一集!
著者:尚月地
(出版社より)

作品情報

作品名
艶漢(アデカン)1
著者
尚月地 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Wingsコミックス【非BL】
シリーズ
艶漢(アデカン)
発売日
ISBN
9784403619175
3.9

(11)

(5)

萌々

(2)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
41
評価数
11
平均
3.9 / 5
神率
45.5%

レビュー投稿数4

1巻です。

表紙にひとめ惚れした作品でした。
店頭に並んでいる1巻表紙を見て、これは!!と惚れてしまい・・・まさしくジャケ買いしたコミックスです。
内容云々およりも、絵が見たいと激しく思ったコミックはたぶん久々だったのではないかと思う。
よく、カラーは美しいけれど、モノクロは・・・というのがあるけれど、この作者さんはカラーも美しいのですが、モノクロも美しいです。
物語は大正・昭和初期ごろのレトロでモダン、なのにデカダンも感じれるような和洋折衷な世界で繰り広げられています。
キョラクターが身につける衣装のデザインや、小物などのデザインも独特なセンスだなぁと感じさせられる物ばかりです。
ついでに、裸体も独特なライン。
そうです、この漫画裸体が良く出てくるのです!
主人公の一人、笠職人の詩郎はいろいろゆるい。ぼんやりちょっとゆるい系の性格、着物の着こなしもゆるい。ゆるいので着物の合わせが肌蹴るしよく開く・・・すると見えてしまう股間、そしてノーフン(褌を締めていない)。
彼がまた良い感じに脱いでくれます。それには色々ワケもあるのですが・・・
そんな詩郎と対照的なのが、熱血系でゆるいのが大嫌いな巡査の光路郎。
詩郎のノーフンを見付けては褌を締めろと追いかけまわし、自らが締めてあげ・・・とちょっと異常な行動を真面目にとってしまう熱血漢でいい奴なのです。
そんなふたりが様々な人と絡まりながら、事件に巻き込まれ解決していく、アクション・ミステリー活劇とでも言いましょうか。
作中で起こる事件は、狂気を感じるものが多く美しく猟奇的でもあります。
タイプの違う『美人』姉妹、白無垢の狂女、美しい猫女、凶暴な黒い獣・・・気のふれたような狂気に取りつかれた、と思わせる表情がちょっと怖い。人はこんなにも豹変するのだろうか?というのを凄くわかりやすく表現されています。

基本的に1話完結ですが、大きな流れの中にある1話にしかすぎず、物語の陰に見え隠れするのは詩郎の過去、そして現在を追い回す裏組織の存在が大きな流れを感じさせます。
1巻ではまだはっきりとはしませんが組織と、その組織の中での詩郎の兄貴分である安里が登場しました。
綺麗な男性キャラだけではなく、可愛い女性キャラ好きな方にもお勧めです。

4

雰囲気のある美しい作画

これ、アデカンと読みます。
尚月地さん、同人便箋(今もあるのかなあ、昔はたくさんありましたが同人便箋)で活動されていたらしくものすっごく絵がお上手なんです。
トーンがひじょうに少なくほぼ白黒の描き込んだ画面で、雰囲気は笠井あゆみさんや西灯子さん風。
多分わたしは、こういうトーンの少ない作家さんが好きなんでしょう。

舞台は明治〜大正という雰囲気です。
でも、架空という気もしなくはないのですが。
いわゆる明治や大正辺りのエログロ、人の狂気や人の想いが作り上げた妖怪などをモチーフにされているのかもしれません。

熱血漢で警察官の光路郎が主人公で、やましい眼で見るならば傘職人の詩郎が受けだろ!という感じですね。
まあ、非BLなんですけどね。うん、勿体無いけどもね。
この詩郎が、半端ない色気なんですよー。
もうもうもう、色眼鏡で見ちゃいます。
だって、何も出来ない詩郎へ包丁の使い方を後ろから抱えるように教える光路郎ってどうよ!
ふんどしプレイってどうよ!
物食べてるだけ嫌らしさ噴出で、鼻血噴きそうになるってどうよ!
ああ、読者を翻弄する漫画です。
しかも詩郎さん、ふんどし締めるのが嫌い(ノーフン)でよくマル禁マーク続出!なんです。
ここが非BLの悲しさ。

ストーリー自体は個人的には特に面白いだとかは残念ながらないのですが、美しい作画と無駄にフェロモン垂れ流しの詩郎を楽しむものとわたしは割り切っております。

3

美しさと狂気の境界線

絵師としてはすでに有名だった尚月地先生のデビューコミックスです。細かいところまで描きこまれた繊細な絵と艶やかな色彩(表紙と3つ折りのイラスト)、そして独特の世界観が堪能できる作品になっています。
 この1巻は、最新刊と比べるとまだまだ絵柄も安定していないところも多く、細かい背景に台詞も多いので画面がごちゃごちゃと乱雑に見えますが、1巻を手に取って雰囲気が気にいったのなら、是非続けて読んでほしいと思います。どんどん絵柄が安定して、魅力がUPしていきます!
 舞台は日本のようで日本じゃない、昭和のようで昭和じゃない、レトロで耽美な世界で繰り広げられるエログロ猟奇事件に、傘職人の美少年『詩郎』と熱血で正義感の塊の巡査の『光路郎』が巻き込まれる物語です。

・『花嫁橋』
花嫁衣装で花嫁橋を渡ることを夢見る女。
・『合わせ鏡』
姿かたちはまったく似ていない、互いのコンプレックスを刺激しあう双子の女。
この2つ事件と同時進行で詩郎と光路郎の出会いと、2人の背景や性格が描かれています。詩郎は役には立たないけれど、奇妙で美しい傘を作る職人で、暗器使いの過去があると明かされます。光路郎はどこまでも真っ直ぐで、正しいことは正しいのだと己を貫く強さと、人を信じる純粋さのある男です。各話のラストの光路郎の台詞に、描かれるエログロな世界とは正反対の場所にある、何よりも綺麗な物を見た気持ちになって胸がきゅんとします。
・『兄弟懐歌』
光路郎の兄貴分の三郎太のお話。詩郎が「兄や」と呼ぶ安里も登場して、少しだけ過去が明かされます。
 子供の頃から優秀で何でも出来る光路郎と実家が金持ちであることしか取り柄のない三郎太。誰が見ても不釣り合いな兄貴分だけど、光路郎は三郎太を心から信用して大事に思っています。引け目を感じる三郎太に、子供の頃の光路郎も現在の光路郎も、読んでいる私まで気恥ずかしくなるような台詞を真顔で言うのですが、それがとても心地よくてなんだか泣けてしまうのです。
 
・『蝶眺三人』
光路郎が追う猫女の事件と、安里から逃げようとする詩郎のお話が交差して、この物語の芯の話が少しずつ明かされて行きます。
・警察の幹部たちが話す「隠された国」
・マトモには生きられない、詩郎と安里の過去。
・この世界に時折顔を見せる裏世界の存在
詩郎や三郎太が心ひかれたように、安里も光路郎に何か思うところがあるようです。

出てくる男たちがみな個性的で女たちは可愛く妖しい。美しさと醜さ、人の心に潜む狂気を繊細かつ大胆に描かれた耽美な世界と、シュールなギャグがほどよく混ざり合い、グロい物語も一息つきながら読むことが出来ます。NOTBLですが、詩郎の美しさと光路郎の精悍さ、そして二人の関係性は萌えです!

2

笠井あゆみさんの『オトコの花道』を読んだ時と同じ「勿体ない」感

タイトルと表紙で期待しすぎました
絵は主人公が女性みたいになよなよしすぎながら、レトロで綺麗なんですけどね
話は思ったより筋がなく、ライトなギャグ漫画風味
この絵でしっとりした話書いてくれりゃあなあ
まあウィングスコミックスだし10代向けなんですよね

2

この作品が収納されている本棚

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