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表題作探偵は危険を運ぶ

新堂隆俊
40歳代,妻子を亡くした探偵
笹原祐
29歳,堅物で融通が効かない地方検事

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

――メガネはつけたままでいろ。そのほうが燃える――。
何事もきちんとしないと気がすまない検事の笹原は、不審な点があるジャーナリストの殺人事件の起訴を躊躇っていた。
そんな笹原の前に現れた胡散臭い探偵の新堂。
笹原についてまわり、事件を嗅ぎ回るこの男の真意は!?
いつものペースを乱され、ついには躰中のホクロの数を数えられ、指で淫らになぞられて!!
男同士の仕事と恋の駆け引きは、熱く激しく互いを結びつけ!?

(出版社より)

作品情報

作品名
探偵は危険を運ぶ
著者
中原一也 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
ISBN
9784799710357
3.3

(10)

(0)

萌々

(3)

(7)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
33
評価数
10
平均
3.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

検事殿にはやっぱり正義感が似合う

「検事」ものとなると無条件で読む方向なワタシですw
もっといろんな検事さんが読みたい。これからも貪欲に攻めたいと思います。
そんなことは置いておいてm(__)m

いい加減と見せかけてなかなか優秀なオジサン探偵新堂と正義感溢れる笹原検事のお話。
ある殺人事件で被疑者を起訴するか迷いがあった笹原検事は現場にひとりで調査に赴き、そこで被疑者の婚約者から依頼を受けて調査に来ていた探偵の新堂と鉢合わせする。

新堂は不法侵入なわけで最初からとにかく折り合いは悪いです。その上新堂は笹原を怒らすような発言ばかりしてからかいます。笹原はかかわらないように避けるのですが、新堂は神出鬼没で…

そんな二人ですが、事件を追う新堂の事務所が荒らされたり、警察や検察の上の方からも圧力がかかるなど、不審な点が出てきて笹原検事も徐々に新堂を信用し協力するようになっていきます。

黒幕に二人とも狙われ、笹原検事が担当していた事件同様罠にはめられます。
追い詰められ二人して逃亡中に新堂から猛アプローチで結ばれちゃう二人なんですが、新堂自ら言っていますが、何もこんな時にですw
その後本当に危ない目に合うわけですが、新堂の機転を利かした行動でなんとか切り抜け事件を解決に導きます。

結果的にいろんな事件が絡んでいたその詳細があまり語られていないような気がしたのがちょっと物足りなかったです。あと、ノンケ同士でしかも新堂は過去に妻子がいた身で、二人が気持ちが通じ合うのには少々インパクトがなかったかなぁと。
でも、ラストで二人してお墓参りしているシーンはなんだか微笑ましくて良かったです。
どんな形であれ幸せになれるのが一番!ビバ!ハッピーエンド♪

3

甘さは足りないけど、一気に読破!

全く性格の違う二人が、一つの真実に向かって突き進むお話。
自分とは程遠い性格の新堂を、受け入れられなくて反発する笹原と、
そこが面白くて仕方ない新堂。
好きな子ほどいじめちゃう。

最初は新堂を毛嫌いしていた笹原が、自分の信念のもと行動を共にするうち、
少しずつ新堂に惹かれていく機微が、
違和感なく、事件を絡めて描かれていて、流石。

新堂も笹原もキャラクターがしっかりしていて、
最後までぶれないのに、ちゃんとBLとして成り立ってる!
笹原がどうやって新堂にほだされていくのかが面白いv

新堂が完璧なスパダリじゃないところも、この話に限ってはいいなぁ……

でも、サスペンスの探偵ものの方が面白すぎて、
ちょっと甘さに欠けるかなと。
そこを渋めに評価して「萌×1」

3

注目は・・・足粉(爆笑)

無精髭によれよれの服装、傲慢な態度なのに何故か目が離せない。
そんな魅力あふれるオヤジ(多分40前後ではある)と、ちょっと四角四面だけど正義感の強い実直な男の組み合わせは、中原作品の定番な流れながら、飽きさせずにサスペンスを織り込み一気に読ませるみせどころたっぷりの一冊でした。

今回のオヤジの特筆点は・・・足粉!?
いきなり初めて上がった男の部屋へ入るなり靴下を脱いで足の爪を切りだす(爆笑)
注意されると、かかとだけ出してそこを掻いているとポロポロと白い粉(再爆)
あ、、、何かわかりますよね♪お父さんのかかとを想像してみてくださいw
歳とるとかかとが乾燥して角質が白くなって、爪でひっかくと角質が粉になってポロポロ落ちる・・・ってやつですよ!!
うへー!なんていう細かいオヤジの特徴なんだ!!
はい、ここで脱帽しました。さすが、オヤジの神様ですwww

お話は、ある殺人事件の案件が検事である笹原の元に回ってくるが、物的証拠が挙がっているにもかかわらず、それに納得できない彼がその事件をもう一度洗い直そうとした時に、出会った探偵と名乗る新堂のとの出会いから始まります。
新堂は被疑者の婚約者から依頼されて、調べ直していると言う。
目的が同じなのですが、公僕と一般人ですから手の内は明かすことができない。
しかし、新堂が何者かに襲われたことにより、その事件に何かあると確信した笹原は新堂と一緒に探ることにするのです。

新堂がここまで固執して依頼者の為に必死になるには、辛い過去があったということ。
心底愛していた妻と子供を奪われ、愛していたというのですが、すでに12年の時を経ており、彼が笹原と結ばれるのには依存はございませんww
新堂が事件解明の糸口になるてがかりに辿り着いた時にはめられた罠。
そこから逃避する晩に、彼等の早急な熱の昂りをみせますが、何だか緊迫感があって、お話の流れにとてもマッチした彼等の生への渇望みたいののが見てとれて、何だか熱くなりました。

彼等が追っていた事件を、一歩離れた俯瞰で見ると、ほんとうは大きな権力の元での悲哀とか、どうしようもない苦しみとかやりきれないものとか、いっぱい含んでいそうで辛いものがあります。
解決の結末処分についても、こんなにとりあえず平穏が戻ってラッキーだったのかも?と思えるものかもしれません。
そんな、現実は追わなくていいのがこうした小説ですよね。
ということで、そういう部分は深く考えない。

純粋に新堂の男前おやじ(ちょっと汚いけどw)な部分と、きっちりしている笹原が新堂に翻弄されながらも、その澄んだ目で一緒になって事件を解決していくのはスカっとします。
笹原のほくろが意外にも黒ぶち眼鏡との相性が抜群で、チャームポイントですv(何気に青●クの雪を思いだしますけどww)

2

中年オヤジは手癖が悪い?

一見クールホントは熱い検事とダメオヤジな見かけ、
でも一本筋が入った探偵とのスリリングな
恋愛模様のお話でした。
几帳面を絵に書いたような堅物検事の受け様は
ある殺人事件の現場で浮浪者みたいにだらしない
見かけの探偵と係ることに・・・
完璧すぎる証拠があり起訴するには問題の無い事件
でも受け様は何故か起訴に踏み切れない。
そして、加害者の婚約者に依頼され調査をしてる
攻め様に事件の事で協力を持ちかけられるが
受け様は胡散臭い攻め様を相手にしないように
していたのですが、まるでストーカー並に出没。
ダメオヤジみたいな姿を見せるかと思えば
全てを見透かすような真摯な目で探られたりと
一筋縄ではいかない攻め様に翻弄されるように。
そして、成り行きで協力し合うようになります。
過去の殺人事件と現在の事件の関連を調べ始め
警察内部に容疑者がいる事を突き止めるが
犯人の罠にかかり攻め様が殺人の容疑者へ
攻め様を助け自分の身まで危険にさらす受け様。
いつの間にか攻め様を助けたいほど好きに
なっていた受け様、そして攻め様もまた・・・

攻め様の過去を知り同情ではない感情に
自分でも制御出来ないくらい気になって
攻め様も無くした家族を思いながらも
受け様に対する思いが愛だと気が付く。
殺人事件を背景に新たな愛が生まれるお話でした。
サスペンス仕立てで一気に読める作品でした。


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