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表題作二本の赤い糸

英章/克彦
大学講師/大企業の御曹司
一実
高校からの同級生で会社員、28歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

この赤い糸がもっともっと絡まり合って、解けなくなればいいのに――。平凡な会社員の一実(かずみ)には、人に言えない秘密がある。それは、高校時代の友人二人に抱かれ続けているということ。大学で研究を続ける理知的な英章(ひであき)と、傍若無人な大企業の御曹司・克彦(かつひこ)。なぜ何の取り得もない僕に執着するの…? 答えを得られないまま二人とのセックスに溺れる一実だけれど、とうとう終わりの時が迫り!?

(出版社より)

作品情報

作品名
二本の赤い糸
著者
水原とほる 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199006395
3

(25)

(4)

萌々

(5)

(8)

中立

(3)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
8
得点
67
評価数
25
平均
3 / 5
神率
16%

レビュー投稿数8

無自覚に攻めを振り回す受け

自分に自信のない受け、と言うのはblでは定番ですが、今作の受けはその中でもかなり自分に自信がなく、自分なんて…自分が選ばれるわけない…と常に考えています。
ただ、うじうじと言う感じではなく、さっぱりと自分に関して全て諦めている感じで、私は鬱陶しく感じませんでした。
受けは自分に自信はないのですが、変に頑固な所があり、攻め二人を無自覚に振り回しています。
あとがきにもある通り、大きな時間等はなく、受けの心情を丁寧に追っていく感じのお話ですね。
ラストも予想通り(というか3pもので、このラスト以外なかなか見ない)なのですが、俺様・傲慢な攻め二人が、地味で冴えない受けをどうしても手放せないと苦悩する様は見ていて大変萌えました。

理由はわからないけれど、どうしてもお前じゃないとダメなんだ、と受けを求める攻め二人。
大変好みのお話でした!

0

主導権は受けにあり

攻めが二人で、両方とも少しずつ違う嗜虐趣味があって、受けはトラウマから被虐嗜好があり、高校時代から二人と関係が続いている。
作者さん、過去作品の「青の疑惑」の別バージョンかとそれをほうふつとさせる作品でした。
後書きに描かれているように、大きな起伏のあるストーリーではなく、淡々と受けの気持ちを中心に描かれていきます。
攻めの、受けへの執着の形はそれぞれ違えど、自分のモノにしたいと思っている。
それが愛なのか?嗜好を満足させるだけの為の存在なのか?
と、問われれば何となく都合のよい男のような気もしないでもないですが、
それぞれに社会的地位もあって、将来もある
そんなエリートのような男達が、何のとりえもない(受けいわく)男に高校時代から十年以上も、関係を続けるはずがありません。
では、互いがライバルだから負けたくないとうい意地なのか、といえば、そういう面もありながら、やはりそれにより年月がやはりありすぎます。

その攻めの独占したいというそれぞれの気持ちを、実に受けがのらりくらりと、悩んで苦しんで、手放そうとしているわけではないのです。
むしろ、彼の嗜好を満足させる彼等の存在を彼が手放さないのです!
一見、主導権が攻めにあるようでいて、受けががっつりと握ってしまっている。
そんな逆転が実はあるような気がします。
受けが決して魔性とかそういうわけではない。
彼の密かな歪んだ欲望というのが、表出さないだけにジワジワっと染み出てきているような。。。

「青の疑惑」が積極的な”動”の世界なら、こちらは”静”
破れ鍋に綴じ蓋ではない、まさに二本の赤い糸を受けが絡め取っている、そんなお話でした。
淡々としていますが、決してこういう作風は嫌いではありません。
ある種病んでいる彼等の関係かも?
最近の水原作品は優しさのある淡々とした語り口だったのですが、これにはそうした甘さというのはすこしぬめっとした湿り気のあるものだったような印象です。
自分的には好きv
本も薄く、長くないのでくどくならないのがいいです。
配分をよくわかっていらっしゃる!

5

純文学めいた語り口が…!萌えないけどねw

積み上げてある3Pモノ本の山をはじから読んでいて、思わず「お?」と目を止めた。
文章に独特の魅力があります。
突き放した視点で、ところどころにマニアックな好奇心をあおる文は
ともすれば純文学的ですらあります。

でも水原先生の食べ物の好みはたぶん自分とは合わない……
バナナペッパーってナンデスカー!?と調べてしまった。
うん、これはちょっと食べてみたい。
だが、ミネストローネにブリオッシュにステーキ、と言いながらなぜにハムステーキ…。
BL小説にはしばしば食事シーンが出てまいります。エロスと食事は共通性があるのか、
ゆえに自分と合うか合わないかは食事シーンで見えてしまうことも……。

ハムステーキが出てきた時点でチラッとイヤ~な予感した(笑)

なんていうんでしょうね、作品のクオリティうんぬんじゃなく
決定的に自分と相性悪い、ってのありますね。

これ、その典型です((((汗))))
ストーリーは嗜虐的な攻め2人に支配されつつ揺れる三角関係といったところ、
ストーリーそのものはそう地雷ではない。

文が非常に魅力的で、アコガレすら抱いてしまうほどなのに
なんでこうも脳が拒否するのか。キャラだめ、展開だめ、Hシーンは萎えるほどダメ!

嗜虐的な攻め2人も耐え難いモノありますが、
受けの無気力感と申しますか、自己評価の低さがイライライライラッとくるレベル。
三角関係・3Pモノ読んでいてここまで萎えるとは(苦笑)
3Pに甘さを含んだロマンスを求める自分としてはなんともはや。

うーん、コレは3Pモノとして手出しするのではなく、水原世界の一部として
とらえたほうが間違いない作品。
正直に言えば「シュミじゃない」が、心理描写や冷めた視点で書く乾いた文章など
テクニカルな部分はかなりカッコイイ。間とって「萌」。

4

意外としっかりした愛がある

3Pの複数ものですがきちんと愛もあって良かったです。最初は流され過ぎの受けにちょっと感情移入できませんでしたが、最終的にはみんなラブラブできちんと意思が通じてこんがらがっていたものがすっと解けて気持ちが良かったです。このままどうなっていくのか気になりますが、腹黒い攻め2人がいれば怖いものなしでしょう。受けも意外としっかりしているのでこれからも3人仲良く暮らしていけると思います。やっぱりこういった作品は攻めがしっかりしてくれないと読んでいる方はハラハラしちゃいます。

2

本当は欲張り…?

表紙からして3Pもの?
確かに「攻め2人に受け1人」の三角関係なんだけど、この場合、2人の攻めが納得づくで1人の受けを「共有」する、という関係性。
基本的に3人で行為、というのは無く、ある日は片方と、別の日はもう片方と、という関係です。
視点は、受けの一実(かずみ)。
攻めの克彦と英章とは高校の同級生で、もう10年来そんな関係を続けている、という設定。
一実が何というか…ひたすら従順、卑屈で言われるがまま、質問などは全て飲み込んで、それどころかSMっぽい克彦や意地悪な言葉責めをする英章に対して逆に体調や忙しさを気遣ったり。
始まりが2人がかりでのレイプとその後に脅迫もあったせいか、もうはじめから抵抗は諦めていて、何もかも言いなりで自分の意見は無い…
それでいて、自分が2人のストレスの慰めになるのなら…なんていう思考回路です。
そして、心の中では2人からお役御免になる日を恐れている。
…という感じで、いかにも水原節!イタいのです。
印象としては暴君の攻め2人の性奴隷になった受け、みたいな。
ところが。
実際はなぜかハイスペの2人が特に特徴もない大人しい一実に激しく執着し、自分だけのものになってくれと懇願するのですよね。
この逆転は面白いけど、一実のどこがそんなに?というのがイマイチ伝わってこない。
結局選べないので一人身を引きます、と弱々しい一実に対して「君を失うくらいなら!」と攻め2人ともが出す結論があるのですが…

やはり一実の魅力が今ひとつ伝わってこず、エロシーンもなんか痛々しい。
「萌」で。

2

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