ユッキ
とにかく20頁の短い中に切なさと素朴な料理を通しての暖かな愛情に溢れていて思わずホロっと涙が零れ落ちた時、樋口マジックにハマりやられたと感心し嬉しく思いました。私は大の幼馴染み萌なんですが、これまでの商業誌でも2作品以外の4作品は幼馴染みモノで楽しませてくれましたが、今作品もかなりの名作になると断言出来ます。続きモノらしいので次を待つより他はないのですが、受視点のお話は商業誌で読めたら良いなという願望です。相当に切ないけど暖かい作品になるだろうなと思うのです。
白泉社花丸文庫の2023/4月発刊の電子版を購入。
三月の蕗の薹の次、四月は菜の花。
土の香りがする季節の食材を素朴な調理で提供するユキ
悪意ないユキはとても魅力的で、罪作り。
隼の失恋で負った古傷がまたうずきだす。
鈍いユキは気づかない。
ユキへのお土産は、マカロン
料理上手のユキが隼に作ったのは、
味噌汁
さやえんどうの細切りの胡麻和え 味付けは塩
田舎から届いた菜の花で、てんぷら、塩ゆで、菜の花ご飯を作る。
ユキがうっかり口を滑らせた「昔好きだった人」の話。
それを聞いて、隼は振られたのではなく、相愛だったのではないかと訝しむ。
菜の花の甘くてほろ苦い味と、初恋の思い出。