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表題作君のいない夜

金の瞳を持つ行き倒れていた男
佐倉瑛人
一人暮らしの大学生、19歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

ある夜、大学生の瑛人は、自宅の前で倒れていた青年を助ける。
もう……、離れたくない──
初めて会ったはずなのに、そう呟いた彼は、驚くほど整った美貌の持ち主だが、懍という名前以外、自分のことをなにも教えようとしない。
俺を知ってるだろ? 本当に覚えていないのか?
何度も繰り返し、そう確認してくる懍に、瑛人は初めて会ったと答えるしかなかった。だけど、どうしてだろう、彼と一緒にいると安心できる。彼のことを信じたくなる── そんな自分に驚いていた。たったひとりの運命の人を求めて、ふたりの恋が始まる!!

(出版社より)

作品情報

作品名
君のいない夜
著者
和泉桂 
イラスト
雨澄ノカ 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
ISBN
9784813012511
2.9

(14)

(0)

萌々

(4)

(6)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
37
評価数
14
平均
2.9 / 5
神率
0%

レビュー投稿数5

何度忘れられても愛してる

不思議なお話なんです、受け様は子供の頃の記憶があいまいで、
自分では物忘れが酷いと思っているのですが、ある日見知らぬ行き倒れの
攻め様を介抱して自宅で接するうちに、その攻め様から自分を覚えていないのかと・・・
相手は受け様の事を知っているようで、でも受け様には覚えがないのです。
でも、受け様はいつも何か自分には欠けている部分があると常に思っていて
そして、目の前で攻め様が豹に変身した姿を見ても驚きはしても恐怖を感じない
更に何故か傍にいると安心できる自分に戸惑う受け様なんです。
何かを思い出そうとすると受け様は死んでしまいそうなくらいの頭痛になる。
そして攻め様から逢いたかったと、愛していると告げられるが・・・・
その度に、攻め様を迎えに来る人物に受け様は攻め様に関わる記憶を消される。

攻め様は普通の人間ではなくて、豹に変化出来る血族なんです。
受け様の父親が血族に近い人でクオーターだったのですが受け様は血が薄くなって
普通の人間と変わらないのです。
二人は幼い時は兄弟として暮らしていたのですが、攻め様は血族に見つかり
連れ去られてしまった、そして受け様は攻め様が変身できる事を知っていた為に
記憶を消されてしまったんです。

そして大人になってから攻め様が逢いに来ても受け様は何も思い出せない。
攻め様は毎回始めから出会いを繰り返す事に、何度も受け様に忘れられる
攻め様の悲しみが酷く切ないです。
そして、受け様も自分の記憶が消されている事を知っても思い出せない。
何度もループのように出会いと記憶を抹消されての別れを繰り返す。

でも、読み進めると解るのが、二人の温度差なんです、攻め様は受け様を
生涯の、ただ一人の運命の相手で愛しているのですが受け様は記憶を無くす前も
兄弟として過ごしていたので攻め様への愛が育っていないのです。
でも、何度も攻め様が血族から逃れ受け様に逢いに行くことで記憶を消されながらも
攻め様への思いが着実に育っているのです。
完全なハッピーエンドではないのかも知れないなんて記述もあるのですが
お互いが離れられない唯一の相手でまさに運命の相手だと言う事には変わりなく
どんな形でも共にいられる事が二人の幸せなんだろうと思えるお話でした。

4

切ないラブストーリー

以前読んだ「凍える吐息」が歪んだ恋愛でしたが、今回は切ないラブストーリーでした。

過去の記憶が曖昧な大学生の瑛人(受)のもとに現れる、美青年の凜(攻)。
凜は心から瑛人を愛しているのですが、ある理由からいつも瑛人と引き離されます。そのときに瑛人は記憶を消されてしまうので、再会するたびに凜は瑛人と初対面です。
何度忘れられても絶望しても瑛人のことを一心に思い続ける凜の気持ちが切なくて、読んでいて苦しかったです。この二人の恋愛はうまくいくんだろうかと心配になりました。
だからこそ、二人の気持ちが通じたときはすごくほっとしました。
小さな伏線が積み重ねられていて、それが回収されていくのも読んでいて面白かったです。
最後はハッピーエンドで、余韻のある終わり方でよかったです。

1

永遠にめぐるーぷ

何度も言うよ君を愛してる~
というわけで、何度忘れられても愛すなんて、
究極の愛ですなぁ~。

しかし今回のこのお話、なぜか自分はあまり盛り上がれませんですた。
なんでかわかりませんが、どうにも和泉先生の作品は好きな作品とあんまり食指が動かない作品とに完璧に分かれてしまいます。
今回は全く食指が動かなかったなぁ。やっぱり変身の唐突さ?
これがどうにもダメだった気がします。
ファンタジーって、難しいですねー。

1

盛りだくさんすぎて入り込めなかった

とにかく盛りだくさんだったなー、というのが読後の感想です。

どれだけ盛りだくさんかというと、

①医学部の大学生・瑛人が家の前で拾った男(凜)が黒豹に変身した!

②しかもその男は初対面のはずなのに熱烈に愛をささやき、押し倒してくる。思い出せとか言ってくる。凛についてなにか思い出そうとすると、瑛人はひどい頭痛に襲われる。

③もう一人謎の男があらわれる。彼はキリエと名乗り、人の記憶を消すことができるらしい。

④そして瑛人は凛にまつわることを忘れる。だが残る違和感。そういえば小さいころから記憶があやふやなんだよね・・・。

⑤瑛人の昔の作文が出てくる。それによると、瑛人には『お兄ちゃん』がいるらしい。そんな馬鹿な、自分はひとりっこのはず!と混乱する瑛人。

⑥その『お兄ちゃん』は凛だった。でも血はつながってない。

っていう怒涛の展開が前半三分の一くらいなんですね。
そして凛が瑛人に接触する→キリエが瑛人の凛に関する記憶を消すっていう流れが三巡くらいあって、さあどうなるでしょう?っていうお話なんです。

決してつまらないわけじゃないんだけど、盛りだくさん過ぎてストーリー追ってただけで終わってしまい、イマイチ萌えられなかったというのが正直なところ。

悪くも言いましたが、この作品、素敵なところもたくさんあります。④と⑤あたりの、瑛人が記憶の穴に気づいていく過程なんか、読んでてゾクゾクしたし、凛の一途な愛はうっとりします。
ただ、他にも盛りだくさん過ぎて、せっかくの良い所が薄まってしまったかな。

変身モノって大好きなんですけど、やっぱり難しいんですね。あんまり唐突だとついていけないというか…
凛は別に変身する必要性を感じなかったです。
そういうのにページを割くんなら、もっと凛がどうしてあそこまで瑛人に執着するのか描いてほしかったな。
ただただ、生まれた時から大事だった、とか言われてもなーもっと細かく教えてよ!!って感じでした。
あ、ちなみに、獣姦はなかったですw

1

何度でも愛す

実に摩訶不思議な「運命愛」の物語でした。
いや、運命と書くとお手軽さを感じてしまうから、一途に貫き通す愛と言い換えた方がいいかもしれませんね。
主人公の前に行き倒れで現れた金色の瞳を持つ綺麗な男・凛
瑛人は、彼が豹に変身しても怖いと思わなくて受け入れている。
彼は覚えていないのか?と問うのだが、自分には何も思いだせず。
そして、キリエと名乗る謎の金髪の男が現れて凛を傷つけて去っていく。
そしてまた瑛人は記憶を失い・・・

そんな繰り返しが3度あり、それほどまでに瑛人にこだわり執着して、どうしても自分を思いだしてほしいと願う凛の強い愛は一体どうしてなのか?
彼に抱かれて、記憶はないけど体は覚えている瑛人、これは一体何なのか?
彼等を切り離そうとするキリエは一体何なのか?

そんな謎が謎のまま、うっすらと彼等の過去を匂わせ、時に瑛人の悪夢となって見せながら展開するお話は、引き込まれるのに充分な魅力がありました。
謎が大変に魅力のお話ですので、沢山はふれますまい。

彼等が一緒にいる為に失ったものは、彼等が一緒にいる為にはさほど必要ないもので、過去より、今がそして未来が必要なのだと、そんなことを感じさせたエンドなのだと思います。
まだまだ謎は謎のまま存在していますが、それは二人の愛が認められて一緒に歩いていくと決めたからには、あまり必要ないものかもしれません。
そんな点で、二人の「愛」というものに、極力重点を絞られた作りの作品でもありました。

0

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