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前作「夜ごとの花」は未読です。この本は花シリーズでは2作目になるそうですが、3作目「あなたの花になりたい」も未読です。これだけ単独で読みましたが、問題ありませんでした。
「花のように愛は降る」
伊月(受け)は、弟の恋人・成尭に失恋する。バーでヤケ酒中に声をかけてきた葛西と行きずりに寝てしまう。4か月後、出向先の社長がその葛西だと分かり仰天するが、実は葛西が仕組んだことで…という話です。
「チョコレート」
伊月は、バレンタインデーのお返しにチョコボンボンを買って、葛西宅を訪問する。甘い休日になるかと思いきや、邪魔が次々と入り…という話。
「それぞれの花」
伊月が会社で残業中、葛西が電話をかけてきて…という話。
伊月が失恋して苦しんでいる部分が、前作の内容なんだろうなとは思うのですが、詳細が分からなくても読むのに支障はありません。
伊月はメンタルが体調にすぐ影響する神経質な性格なのですが、随所に失恋の痛手を書かれているので、その心情に共感ができます。臆病ですが、後ろ向きな思考じゃないので鬱陶しくなかったです。本当に切なかったです。伊月が可哀想で、前作は読む気にならないくらいです(笑)
傷ついている伊月を、葛西が最初からベタベタに甘やかしていると読んでいて分かるのが楽しかったです。甘い年上攻め好きにはたまらないと思います。
ただ、いくら自分のもとへ帰ってくるんだ、と割り切ったとはいえ、元妻や息子の話はそのままなので。やっぱり寂しくなったりはするんじゃないのかな、と思いました。中谷の存在もありますし。私はそこがスッキリできなかったので、「萌2」にならなかったのでした。
03年リーフの旧版に、新しく書下ろしの短編「チョコレート」とリーフの冊子に入っていた短編「それぞれの花」を入れた新装版。
『夜ごとの花』の続編にあたり、その話とリンクしています。
恋人が本当は過去に弟との関係があり、まだ互いに気持ちを残したままなのを知り弟と恋人を責め、激しく傷付いた兄の話となります。
弟編のお話を読んでいた方がよくもありますが、これを読んで弟編では何があったのか興味を持てばそちらへ行ってもいいかと、一応内容的にはうっすらと補完がされてありますので、単発でもとりあえず大丈夫です。
同じ会社で年下の恋人・成尭が弟の吹雪と心を通わせ会っていたことで、傷付いた伊月はある晩バーで行きずりの男と一晩を共にします。
折しも会社でリストラがあり、伊月は成尭と同じ会社に居るのが辛く、依願退職することにしたのですが、リストラ対象外だった伊月は、取引先から要望があったと、その会社を紹介されてそこへ出向と言う形で転職することになります。
そこで出会った会社の社長は、何とバーで一晩を共にした男・葛西でした。
強引でグイグイ押すタイプのやり手ですが、社員の信頼も厚い社長です。
偶然、取引に成尭が訪れた時に伊月の表情が変わったのを見て、強引に担当を変えさせる力技も発揮したり、
かといって、その一晩を盾にとり強引にすることはせず、伊月を尊重しながらも、彼をゆっくりと温かく見守り、時に力になります。
こうして、伊月は葛西という愛情にまっすぐ向き合い、精力的に努力を惜しまない、その人柄に、だんだんと惹かれながらも、裏切った恋人と弟を許し、自分を許し、新たな恋へ踏み出すことができるというお話です。
ちょっと、下世話になると、この葛西の社長の在り方は、このペースだと疲れるだろうな~と、、割とワンマンな感じがしますが、カリスマ性もある人なのかな?
エネルギッシュだと思います。
だから恋愛に関しても、すごく大人で分別もあり、離婚はしているが公私ともにとても欲張りであると共に、或る意味理想を具現化したスーパー攻め様なのかもしれませんw
そんな彼が、伊月に一目惚れしたという愛があればこそなんですが、彼のどこがそんなに気にいったんでしょうね?一目惚れに理由はない?
とにかくこのお兄ちゃんはじめ弟も何となくにてるかも知れませんw
チョコレートはバレンタインのお返しに伊月が料理をしようというお話です。
せっかくの二人の甘い夜に、お邪魔虫の電話がwそして本物のお邪魔虫の来訪とwww
それぞれは、残業で会社に残っている伊月に、葛西から電話が。
甘いラブラブな様子です。
何となく、弟の話を受けてお兄ちゃんを幸せにしてあげて~!な感じが満載のお話でもありした。
作品も古いので、どことなく設定もイラストも古い感じがしますが、それはそれで、その当時の雰囲気がノスタルジックでいいかもしれません。
3巻目はそう間があかずに読めるそうで、半年以内にを期待したいと思いますw
前作の「夜ごとの花」の続編で前作の受け様の兄が受け様として登場してるお話。
前作で、彼を弟に取られた感じになって、失恋してしまった受け様。
シリアスで切ない傾向のお話でしたが、今作は切なさに攻め様からの甘い愛情を
目一杯感じさせてくれる年上の攻め様の懐の大きさを感じさせるストーリーになってます
弟と元カレの事がどうしても許せなかった受け様は、二人を酷い言葉で傷つけ
その事が更に自分を傷つけてるのです。
初めて同性の後輩を好きになった受け様ですから、痛手は思っている以上なんですよね。
失恋の痛みを少しでも紛らわせる為に、バーで深酒をして、行きずりの男と一夜を・・・
元彼と同じ職場で働く事に苦痛を感じ、逃げるように代わった会社で再会したのは
行きずりで一夜の関係だった攻め様で、それも社長だったのです。
この出会いは、偶然では無くて、受け様に一目ぼれしたと言った攻め様の思惑で・・・
その日から受け様は攻め様に口説かれることになるのです。
過去の恋を引きずる受け様を年上で包容力のある攻め様が、優しく労わり慰める。
そして受け様はいつの間にか攻め様のその優しさに甘えるようになる。
しかし、攻め様に離婚した妻との間に子供がいて、それを知った受け様は言いようのない
胸の痛みを覚えて戸惑ってしまう。
過去の痛みを忘れる為に自分を利用してもいいなんて言ってくれる攻め様ですが
元彼の1番になれなかった事が、受け様をかなりの臆病者にしてる気がする。
受け様と一緒にいても、電話があれば病弱な子供を優先にしてしまう攻め様
攻め様の1番は自分ではないと気づき思った以上のショックを感じる受け様。
あれ程、元彼に会う事が怖くて、いつも元彼と弟の事を考えてた受け様がいつのまにか
攻め様の事を考えてしまってる事に気が付く。
攻め様への思いを自覚した時に、過去の恋でトラウマみたいになってしまった
1番に選ばれなかった事が、攻め様への思いを押しとめるストッパーになってしまい
攻め様から意識的に離れようとしてしまう受け様なのです。
恋に臆病になってしまって、傷ついた受け様を気長に待つ攻め様の懐の深さを
堪能できる設定になっていたと思います。
受け様を特別扱いして、甘やかして愛情を注ぐ大人の思いって感じでした。
前作の二人も登場して、ハッピーな展開を迎える甘ラブストーリー。