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「銀とシュガースノー」の番外編同人誌。
商業本編は2年前に読了していて、
非常に時間が経ってからの番外編同人誌でしたが、
長らくそこで行き止まりだと思っていた世界の端が、
突然ぱーっと開けて、まだ先に鮮やかな世界が広がっている感覚がして、
読み始めるなり、感動に打ち震えました。
単なるおまけや補足じゃない、
世界観が更に広がっていく番外編であるという点では
犬姫の番外編と共通してます。
カミカの過去編と聞き及んでいましたが、
・一成に拒否されてピアノを捨てた話。
・失恋に傷ついてるカミカを食った人でなしピアニストとの話
…の体裁をとりつつ、嫉妬に狂う秋彦が酷い話。
・マスターがカミカを拾ってしばらく保護者していた話。
の三本立てで、秋彦が酷い話が一番ボリュームがありました。
【亡き王女のためのパヴァーヌ】約28P
カミカの小指が動かなくなった理由のお話。
プロローグは秋彦視点。
手を握ったときのわずかな違和感で、
カミカの小指が動かないことに気づいた秋彦は疑問を率直に口にします。
カミカはもう過去のことだからと正直に、
手首の傷と小指が動かない理由を話します
そして音大時代の過去が安東視点で語られます。
内容は、一成に失恋して拒否されたカミカが、
ピアノから調律に転向するために
捨てられないピアノを無理に捨てようとして、
自分で小指を動かす神経だけを切ったという経緯なのですが、
この過去が綺麗で儚くて切なくて…
号泣しました! 。・゚゚・(>д<;)・゚゚・。
玄上さんの文章を読んでるだけで、
カミカの辛さが、こちらの胸にまで痛いほど切り込んできて、
カミカがピアノを弾けば、その音がきらきらと舞い降りてくるようでした。
エピローグで、秋彦のためにピアノを弾きたいと呟くカミカに、安東が、
技巧がすべてじゃない、今のカミカなら、あの日より絶対いい音が出る、
と言ってます。それはきっと正しい。でも…。
瑕疵の一つもない恋なんて、ご都合に思われちゃうんだろうけど、
カミカにとっての小指の重さがとてつもないだけに、
喪われてしまった小指が辛いです。
麻酔を掛けたカミカの心が、新しい恋に血を通わされて醒め始め、
小指を失った痛みを痛みとして感じ取れるようになった事は切ないけれど、
秋彦の愛がどれだけカミカにとって重要なものなのかわかって嬉しい。
本編では、その辺りはあまり詳しく描写されてなかったので…。
【Sugar High】約66P
秋彦視点+カミカ視点。
セックスをしているときのカミカの余裕に、過去の恋愛遍歴が気になる秋彦。
思い切って聞いてみたら、行きずりの男との経験があると、
予想外の事実を聞かされて、ショックを受けています。
(自分は彼女としてたくせに…)
このあと行きずりの男との過去話が挿入。
また、行きずりの男とカミカが再会したもんだから
秋彦がカミカに対して酷い仕打ちをしまくるのですけど
私はとにかくこの話の秋彦が嫌いでして…。(-_-メ)
カミカが胸を全部切り開いて見せるように、
秋彦を信じて打ち明けて、自分を明け渡してるっていうのに、
なんなんだ、その秋彦の器の小ささ!!
やりきれないよ。(怒・怒・怒)
秋彦はマスターか安東あたりに何発か殴られろ!!
【最後のつがい。】約27P
最後は斉木マスター視点で、カミカを拾った時の話。
尾上から逃げて帰国したあと、
自分がゲイなのか確かめたくてあの通りに来たら、
男たちで奪い合いになってしまって、それを助けたのがマスター。
マスターは本当に親切です。
カミカはマスターに拾ってもらえたから立ち直れたんだなと分かります。
ところで、カミカは隼人より年齢が四つも下なんですね!
「Op.40 Bar valentine」の中の掌編でも、同い年くらいなの?と思って
驚いたけど、年下なんて益々しっくり来ないw
隼人がお子様な雰囲気なんだよね〜。
そして、マスターの恋人、超絶べっぴんさんなんですね。
複数回ノロケ入ってましたw
人外の美貌で、店に立たせたら一時間で収拾がつかなくなって
やむなく奥に放り込んだとかw
一度くらい、マスターのコイバナ読みたいよ〜!
最後は癒えたカミカを部屋から送り出し、
2カラットのサファイアを惜しげもなく捨てるマスター。
カッコイイ〜♪
【Sugar High】の秋彦ショックでへろへろの私を
マスターが救ってくれて、どうにか一冊読了できました。
ありがとう!マスター。(TдT)
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