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冷凍保存から目覚めて、未来。
読むたびに人生ってなんなんだろう、人間はなぜ営んでいくんだろうと考えさせられる。BLという枠には収まらない。
営みは作り出していくことだと考えているが、この作品は攻めが早々に死んでしまうし、年月をかけて自然は荒んでいくし、人間は機械に侵食されて生物学的な人間としての要素を失っていく。作り出すどころか失っていくものばかりだ。しかし、そんな中でも主人公は死んだ元恋人と似たロボットへの感情を変化させていく。姿形だけ似たロボットは元恋人とは別物かもしれない。だが、元恋人との出会いがなければロボットとの出会いもなかった。環境がどれだけ変わろうと、人の記憶や感情だけは途絶えることなく地続きである。最後、「とらさん?」と呼びかける声は空耳で、トラはヒカルBには会えずに死んでしまったかもしれない。しかし、それでも500年間の営みに全くの意味はなかったとは思わない。
大好きな作家様で、ほとんどの作品を拝読しています。
こちらは、談話室で泣ける作品としてよく紹介されています。数年前に読んで大変感動しましたが、内容を忘れてきたので再読してみました。
ぜひ前知識少なめで読まれることをおすすめします。ネタバレ少なめでレビューします。
冒頭から主人公の寅雄が恋人の光を失い、飛び降りるシーンがあり、読み始めからギュッと切なくなります。
寅雄が目覚めると何と250年後。
傍には恋人に3割減くらい似ている、ちょっと残念なアンドロイドのヒカルがいて、一緒に過ごすようになる。
寅雄の両親との関係や、光との思い出が出てきて、切ない描写が続きます。
250年も眠っていて孤独な寅雄ですが、だいぶ抜けてるけど、寅雄に八つ当たりされても懐いてくるワンコで優しいヒカルに、少しずつ絆されていく。
寅雄がヒカルに八つ当たりしたことを謝ろうとするシーン。「光にあんまり似てなくてごめん」と逆に謝られる。寅雄の孤独とヒカルの優しさが切なくて、泣けてしまいます。
その後驚く展開となるのですが、ネタバレはこの辺までにします。
とにかく読んでいて、切なかったりキュンとしたりするシーンが多々あり、何度も何度も泣いてしまいます。ハンカチなしでは読めません。
ラストの書き下ろしでは、250年にわたるヒカルの変わらぬ健気さに、ほっこりしました。
そして一番最後のページにキュンとしました。このページがあってよかった…。
山中先生の切なくも温かみのある作風に、胸の締め付けられる名作と思います。
再読して改めて、本当に素晴らしい作品だなあと感動しました。再読してよかった!
少し古い作品ですが、BLという枠を超えて、ぜひ多くの方に読んでみてほしい神作だと思います。
(濡れ場はないですが、寅雄とヒカルの短いベッドシーンが1回あります。)
周りの評価も良くて、タイミングで読み始めましたが、
タイトル通りでなんだか惜しい。
好みだとは思いますし、イキガミでも感じた
作風なんだとも承知しているんですけど
ストーリーは面白くて、どうしてこんなことを思いつくのだろうと思うのですが、
絵の迫力がそれについてきていないように感じることが度々ありました。
読んでいて、絵というより
言葉に先導されている感じです。
欲を言うなら、絵の方でも心を鷲掴みされるようなものを感じたいなぁ、と
イキガミを全巻読み、次にこの本を読んで
ふと思ってしまいました。
どなたかがレビューされていましたが、
確かにこれが絵本のようなテイストの所以なのかも。
違った絵、例えばものすごくリアルに描いたら
辛い場面もありますよね。。。
でも、読んでいてなんとなく
チグハグな感じが否めなくて
今回、レビューに書かせていただきました。
お話自体は、シンプルな展開で、
死んだ恋人を悲しむ主人公が
科学の発達が絡んだおかげで
何百年もの時間をかけて、それを弔い
前に進もうとする物語。
250年+250年が、こんなにもひとことで表されてしまう、はっきり言ってすごいな。
先生のストーリー展開に舌を巻きつつでしたが
ラストは、余韻を残してENDのはずだったのか
書き下ろしでその後の話がばっちり判明しちゃうという
はっきりして安心したけど、何度も言い直されてる感じがしてしまいました。
改めて、不思議なニュアンスのある
お話だったなぁ。
ある意味罪本
元ネタは読まんでいいよ。
派生作品が一杯あるし、困ることはないかな。
マンガで手軽に雰囲気を味わえるのはありがたい。
キューブは何か都合のよろしいSCPと思えば良いかと。