ボタンを押すと即立ち読みできます!
かつては美少年、その後はポルノスター。
ラッキーホールは、クミとサクマが経営するゲイビ会社の名前。
でもそれだけでなく、本書の構成自体がラッキーホールを連想させます。
※ラッキーホールとは、ベニヤ板を隔て
互いの顔が見えない状態で関係する昭和の風俗サービス。
序盤の現在編。
クミ、サクマがそれぞれ別の相手とセックスします。
借金、報われない片想い等の事情を抱える若者達を抱く二人。
悪人ではなさそうですが、詳しい人物像や、二者間の関係はハッキリしない。
身体は見えても「顔」はよく見えない二人の描き方が
ラッキーホールを連想させるのです。
ガラリと空気が変わる過去編。
現在編ではずっと「攻」だった二人が、ここで「受」に転じます。
生きる意味を与えてくれたサクマを慕い、守ろうとするクミ。
クミに抱かれることで、「男に抱かれたい」本来の願望にやっと正直になれるサクマ。
これがきっと二人の素の、互いにしか見せない「顔」なのでしょう。
リバが、萌えるだけでなく二人の強い絆をも物語っており、とても感動的です。
で、再び現在。
「死にたぁーい」と冗談のように言うクミに、
昔サクマに「俺が生かしてやる」と抱きしめられた姿が重なる。
「お前のそのカオ ダーイスキ」と笑うサクマに、屈折した愛情深さが見える。
両想いなのに、言葉ではそんな関係を茶化している二人が大好きですv
久々に「素」の顔を見せる現在の二人。
このままHシーンへ突入か!?と思いきや
ベニヤ板どころか自動扉に隔たれてしまった――!
幕引きまでとてもキレイな構成なのでしたw
おかげでこの二人のことが頭から離れず何度も読み返し、
その度に新たな発見があります(パーカー着回しに激萌!v)
先日ドラマCDを聞いて久々に原作を再読し、
その緻密な構成、さりげない心理描写の素晴らしさを実感。
やっぱり好きだな~…
これからも読み返すであろう大事な作品です。
ポスター風のレトロな表紙に惹かれて購入。
ゲイビデオの男優・苦味(くみ)と、苦味の恋人かつビジネスパートナー(営業担当?)のサクマの関係を、15年という長いスパンで追った短編集です。
片方がもう片方に性風俗の仕事をさせる関係って、いつかは憎しみ合いに堕ちてしまいそうですよね。サクマが苦味とセックスしないのは、そうならないための、愛情ゆえのけじめ?という気がするのですが、作品の中でサクマは言葉では何も説明しない男として描かれてるため、その辺はよく分かりません。
もっとも、どんな事情があろうとサクマが恋人に体を売らせてることには変わりないし、この関係をどんな言葉で説明してもそれは言い訳にしか聞こえないわけですが…
ただ、サクマが何も説明しなくても、そういう矛盾だらけの関係ならではの難しさを二人がどんな風にかわし、どんなふうに15年を乗りきってきたかがちゃんと読者にも感じ取れる仕掛けになってる。そこがこの作品のスゴいところだと思います。
斉木-レニのカプや、かつてサクマが仕えてた暴力団組長の息子でゲイのリュウ、世間知らずのポルノ男優志望者・カタギリ等々、脇キャラもそれぞれ魅力的。そんな脇キャラとの人間関係を通して、主役カプ二人の人物像・生きざまが多面的に映し出されてく感じがまたイイ。
単にカプ二人の閉じた関係を描くだけでは出せないキャラの立体感が加わって、サクマも苦味も血の通った人間の生臭さがにおうというか…特にサクマは。
ラストの「オマケマンガ Lucky boy」で、出会って15年を迎えた二人がささやかながらハレの日を過ごす顛末にはうるっと来ました。或る意味ハネムーンにも相当する一夜、15年の紆余曲折を乗り越えた二人だからこその重みがあって…
「幸せな15年後を見せてくれてありがとう」と言いたくなるような、ステキなラストでした。
ここが泣きどころ!っていうキメのシーンで一挙にグッとくるんじゃなく、全部読み終わってからやっと各パーツのつながりが見えてきて、ストーリーに血が通い始める感じ…そのじわじわ感がすごく心地いい。
結構複雑な心理を描きつつ、軽妙なテイストを崩さないあたりもさすがですね。
勿論BLメインなんですが、BLという枠にはめず、人間ドラマとしても楽しめるクオリティーの作品だと思います。普段BLを読まない人にも勧めたいですね。
いよいよ、雑誌onBLUEの雑誌連載分からコミックスが発刊されましたね♪
ここでのくもはるさんの掲載は非常に大人度の高いエロチックな甘苦い作品でした。
(リバも3Pもあるので苦手な方注意してね)
実は、この連載を読んでいる時自分の頭の中には桑田●祐の「東京」のメロディーがずっと流れていたのです。
別に雨降りってわけじゃないんですが、メロディーラインがイメージなんです。
元ゲイポルノスターの苦味と、元仕込みヤクザのサクマ
社長と副社長との関係でもあり、実は恋人同士でもある(しかもかなり大人な)
一件チャラけてる軽い雰囲気を出す苦味に、実はすさまじい執着を示しているのはサクマ。
その苦味もサクマを手玉に取るようにしながらも垣間見える執着。
この単行本の題名は彼等の会社の社名と場所。
人の生きざまと、出会いと愛が、人生縮図のように見えます。
最初の話は、借金を抱えた男がサクマにスカウトされて苦味の元にやってくる。
そこで初めて男性を知って、苦味に恋をしてしまい、しかも救われるという、いちエピソード。
次はサクマの話で、いつものように街でスカウトをした青年が実は以前いた組の息子であり、サクマに焦がれていた。
やんちゃな生活をしている割にヤクザになる度強もなく、サクマの元に逃げ込み、彼に抱いてもらうことで覚悟を決めるという話。
・・・この2本の中では二人はタチです・・・
3本目の話は、会社の従業員・斉木の話。
彼がこの会社に入ったのは、苦味のファンだったから。
ある日、俳優がドタキャンをして代打に苦味が出ることになると、誘われて斉木も出ることになる。
念願が叶う斉木だが、彼の表情を見てサクマは斉木をクビにしてしまう。
・・・ここではっきりと見えてくるサクマと苦味の関係と執着・・・
そして『陽当たりの悪い部屋』において彼等の出会いが綴られるのです。
会社社長の息子の苦味は借金のカタに連れて来られ、ゲイビで稼がせるために、仕込み担当のサクマの元に送り込まれるのです。
そこで二人で生活し、毎日セックスをするうちに、芽生える苦味のサクマへの依存にも似た恋情。またサクマも。
しかし、組長は苦味を殺せとサクマに命じるのです。
彼等が一緒に入る為の建前を苦味はつくったのです。
そして、それにサクマが乗った。
サクマには落とし前を付けた為に小指がありません。
好きだからセックスするという姿勢より、セックスにより生まれる愛情というものが若干優位に立つ全体の傾向だと思われます。
怖い顔、かわいい顔、お茶目な顔、色っぽい顔、誘う顔、泣く顔、色々な表情が感情とともにとても魅せる作品です。
サクマの若い頃、、、実はバナ○マンの設楽に似ていると思ったのは自分だけでしょうかwww
大人なくもはる作品、表紙も素敵です、全部素敵です!!
レビューはたくさんあるので内容については今更?なので私はただの感想などを。
しかし…いや~今更ですよ~。今更なにを書けとw
発売日に買って今頃書いてなかったことに気がつき、自分にびっくり!
とにかくこの作品「ゲイビ男優」のかたのイメージと「ヤクザ」のイメージが自分の中では近かったお話で、そういう違和感を感じずに読めた作品でした。
苦味もサクマも他のキャラクターも全部キャラ立ちが良かったです。
苦味とサクマの出会い、
苦味は嫌なこと(ゲイビ男優)も受け入れなければならない状況だったこと、
でもサクマは苦味の世話役の全てを引き受けることで苦味を守っていたこと、
苦味はそんなサクマを守りたくてヤクザの親分のところに金を持っていったこと、
全部、全部つながってて、一コマたりとも無駄がないです。
よく練られた内容だなぁと思います。
どんな環境にあっても守るべきものを見失なわない苦味とサクマの強さが良かったです。
どうしたって生きていくしかない。
でも人間生きてればなんとかなる。
そして守るべきものがあったらもっと強く生きれると思う。
苦味もサクマも他人との絡みがありますが、白黒つけられない愛情表現が彼ららしくもあり、この世界に生きる人たちらしいケジメの付け方でもあるなと思いました。
そして苦味とサクマさんのリバーーーシボーが素敵です♪
サクマさんが「くっそ後で覚えてろテメエ」とキレてる顔とか、
そのあとの挿入されて「あっ…いい」って言ってるサクマさんがたまらんっ!!
さらにその後の苦味に対してのありがとう&プロポーズ(?)が…
はぁ~萌えたわ~。
雲田はるこさんは「愛しの猫っ毛」から入ったのですが、これはまたぜんぜん違う作風ですね。えろいしえぐい。貞操観念薄いかんじします。
構成がまたいいですね。苦味が引退して社長になってる時点のオムニバスが数本、そのなかにサクマと苦味の関係がにおわされていて、え、なんなのこのふたりどういう関係!?ってワクワクしてるところで、最後にサクマと苦味の出会いのお話「陽当たりの悪い部屋」がきてます。
わたしは立ち読み小冊子で「陽当たりの悪い部屋」の冒頭読んじゃったし、あらすじもそこが取り上げられてるんですが、サクマと苦味についてまったく前情報なしで読んだらまたちがった印象だったでしょうね。もし人に勧めるならまっさらな状態で読めって言うと思います。
で、特筆すべきはやっぱり苦味の魔性の男っぷりですよ!まず顔が美しい。淫乱であけすけで、裏社会に染まっていて、だけどどっかお人好し。シリアスな場面の憂い顔と、コメディタッチな場面のオヤジっぷりのギャップがたまらない。とかこんな言葉でいい尽くせないほどふしぎな魅力のある人物です。
そんな苦味をサクマは「アレは人間を狂わせる」と評していますが、実際狂わされちゃったのはほかでもない自分なんでしょう。サクマの苦味に対する思いの変遷はさりげなくって、だけど心に迫ります。
サクマも苦味も不特定多数の男と関係を持つ貞操観念のうっすい人間ですが、結局狂おしいくらいに思ってるのはお互いなんだなってことが言外に説明されていて、それがもうくっそ萌えます。書き方は決して甘甘と呼ばれる類のものではないんだけど、なぜか甘美です。
ああもうすごく好きです。