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結ばれる展開の告白のシーンでの「結局、高槻とは噛み合わない部分が多いのかもしれない。」という件に凝縮されている印象を受けました。我儘な男特有の成長しきれない子供っぽさ見抜けない間抜けさ独り善がりがBL的にはどうだろう?と思う人もいるだろうけども真理です。けれどそういうマイナス面を知りつつも好きなんだという矛盾が良い。だってそういうものでしょ、嫌な部分あってもどうしようもなく好きだしこの恋心は消えないのだからそういう痛みが上手く描かれていると思います。都合の良い様に優しくなるとか、本音の部分では真摯で誠実とかファンタジーも時には良いけどもあまりにもファンタジー要素が多すぎても萌えません。時折はこういう少し痛みがある作品に出合いたいものです。
渡海さん、基本的に好き作家さんなんですが、どうにも合わない作品もあります。その場合、大抵攻のキャラクターがダメ。
この作品は、『萌×2』をつけたくらいですから、決して『合わなかった・つまらなかった』わけではないんです。景(受)もストーリーも(ついでに『立ち位置・当て馬』の四方堂も入れてもいい)、ホントによかったんですよ。大好き。ただひとつ、将悟(攻)だけがどうしてもダメでした。
もう最初から、景がなぜ将悟を好きなのかが納得できない(将悟の良さがカケラも感じられない)から、その点だけは景にも共感しようがありませんでした。
将悟はまるっきり子どもですよ。たとえこれが高校生同士のストーリーだったとしても幼なすぎだと思うほど。私はこのキャラクターは心底無理でしたね。
もともと『俺様・傲慢』攻は大キライな上、さらに幼稚って、もうどうしようもなくて辟易しました。
ホント、こういう『年だけ大人』見てると、なぜ自分が時々無性に『高校生もの』が読みたくなるのかよくわかる気がします。これも、高校生ならまだ我慢できたかもしれないよ(それでも相当の我慢は必要ですが)。
それと、私は景に同感だと思うことがすごく多かったです(将悟への片思い以外で)。
言ってることや考え方がホントに手に取るようによくわかるんですよ。私も超インドアだし。渡海さんの受キャラクターにはそう感じることがよくありますね。
だからこそ、景を理解しないだけでなく、平気で否定する(少なくとも表面的な言動は)将悟にこれほど腹が立つんでしょう。結局は、小説に景を取られて自分が構ってもらえないからなんでしょうが、それをわかった上でもダメでした。
悪いけど、私は最後の最後まで(読後も)『コイツはイヤだ』としか思えませんでした。『生理的にどうしても受け付けない』レベルです。虫唾が走るってやつ。本気で気分が悪くなりました。
四方堂は、もう出てきた瞬間から『当て馬』的キャラクターではあるけど、(四方堂の一方的な気持ちはともかく)どう考えても恋愛には絡んでこないな、というのはわかりきっていました。それでも将悟が酷過ぎたので、脇で使い捨てる(と言うのもあんまりですが)のは何とももったいないキャラクターだと思いましたね。なんというかおキレイ過ぎなくて結構好きなんです、この人。
それにしても、四方堂が作中で果たした役割は限りなく大きいと思いましたね。ホントに大活躍、なのに報われない・・・
もう読みながら、なんとも複雑な気分でした。とにかく将悟にイライライライラ・・・何度読むのやめようと思ったことか。ただ、それ以外はすごくよかったので、なんとか自分を抑えながら読み進めました。
つまらない・好みじゃないでイライラ・・・というのは珍しくもないですが、面白いのに読むのが苦痛、というのはそうそうないですね。
しかし私はあの『じゃあ』に、怒るより先に呆れ果てて脱力しました。アレのどこが告白だ、大馬鹿者!
あ~、結局『将悟は景が無自覚に好き』ってところに落とすんだろうな~、と思ってたら、これはやっぱりそうだったんだよね?『無自覚』は確かだとして、『好き』まで行ってなかったの?
というのも、なんか私ハッキリ言って将悟があからさまにどうでもよくなっちゃったんですよ。だから、最終的に将悟の想いがどういうものだったのかの検証(?)にも、全く熱が入らないんです。面倒だし興味ない。←我ながらヒドイ・・・
それと、私は四方堂が言うように『独占欲=恋愛』という図式には納得行きません。相反するものではもちろんないでしょうが、少なくとも将悟の感情は『恋愛』には達してないんじゃないかとしか思えませんでした。
奇しくも景が危惧していた『どうでもいい玩具でも取られるとなると~』そのままじゃないのかと穿って見てしまいます。
この2人、これからホントに上手くいくんだろうか、と心配になってしまう。
私は『ハッピーエンド至上主義』ですし、相手がどんなヤツでも『受の幸せ=攻との恋愛成就』なら、多少のことには目を瞑って祝福できるんですが、このCPは正直(祝福は)難しいです。景のためにはコイツじゃないほうがいいだろ、と思ってしまうんですよ。
ただ、あえて将悟の存在を考えないようにすれば(イヤそれ間違ってるから!)、作品としてはすごく好みでした。私はメイン2人のラブは、途中でもうど~でもいいとさえ感じてしまったので、『BL』としてよりも『ドラマ』として面白かったです。正直、純粋に『ラブストーリー』としては『しゅみじゃない』です。『萌え』なんてどこにもなかった。
再読までには時間がかかりそうで悔しいですが(好きな作品は繰り返し読みたい、でももうしばらく将悟には関わりたくない、という意味です)。
これは、将悟のキャラクターを許容できるか否かで捉え方がまるきり違ってくるでしょうね。私は無理です。何をどうしても無理。
渡海さんは、よくこんな風に私を悩ませてくれるんですよね。ホントに、どうしようもない攻書くの上手いなあ、と思いますよ。実際、その中じゃ将悟も大したことないかもね。だから、渡海さん作品は個人的に評価が二分してます、(攻)キャラクターで。
でもやっぱり好きなものはすごく好きだから、次々読むんですけど。
そしてやっぱり渡海さんのあとがきは面白い。
とても好みな作品でした。
幼馴染×小説家、間に芸能人が割り込む感じ?
三角関係・三つ巴な話が好物の私からしては良いシチュエーションだった気がします!
芦原と高槻の、お互いの気持ちがなかなかかみ合わないのにもどかしさを感じずにはいられなかったけど、そこに四方堂が入って来てくれてなんだかんだ気持ちが通じ合えたことに安堵しました。
でも、四方堂にはもうちょっと強引さが欲しかったかも・・。キスしちゃえばよかったのに!(笑)
王道の幼なじみものですが、かなり良かったです。
芦原(受様)視点で話は進んで行くのですが、始めの方では高槻(攻様)がひどいです。なんて奴~って、思うほど芦原には俺様な態度。
こっそり恋心を抱えている芦原が、かわいそう。そこまで、言わなくても…って思います。
喧嘩ばっかりしている二人ですが…、
四方堂(芦原に思いを寄せるイケメンさん。性格もグットで、芦原の事を良く理解してくれます)
…が現れてからは、少しずつ二人の関係が変わっていきます。今まで見えてなかった事が少しずつ見え始めるのです。
そうすると、実は高槻が芦原の為に、いろいろ心配している事なんかも見えてきたりして。
……逆に、芦原が結構天然と言いますか、鈍くて、周りが見えていない事も多いタイプなのだとも見えてきて…
高槻は四方堂が現れるまで、芦原への気持ちには気づかなかったみたいですが、嫉妬したり独占欲によって自分の気持ちが何なのかを知るのです。
言葉が悪くて、俺様な性格に見せておいて、…実は面倒見が良くて、可愛い一面もある。
…そんな高槻は、かなり好きなタイプの攻め様です。実は、芦原に結構振り回されたなんてところも、かなりツボでした。
高槻の可愛い面については、是非ともお話を読んで、キュンキュンして欲しいです。
かなり満足な一冊でした。
幼なじみのちょっとニアホモっぽい恋
以下
ネタバレしています。
お気をつけください。
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幼馴染のすれ違いの恋。
小説家の芦原に急接近してくる四方堂という役者。
二人の親密さに、カレ(高槻)は嫉妬し、それをきっかけに
カレは自分の気持ちに気がつきます。
幼なじみだからと遠慮していた芦原に対して、いつものように「お前は俺のものだ。」とはっきり主張する高槻。
同じ表現者として、「全てがコヤシだ。」という四方堂は、芦原の良き理解者で、自分から当て馬の役をかってでます。
半ば、四方堂に挑発されるような形で二人の気持ちは近づき、本音をぶつけ合いお互いを受け入れます。
読後
どーしてそっちを選んじゃうの〜。
四方堂(当て馬?)の方が趣味も合うし、気遣いもわかりやすいし、優しいし。
そう思いました。
ただ、もし四方堂を選んだら…
これも(仕事の)肥やしだよね(にっこり)と半分冷めたおつきあいが始まりそうだしなぁ。
そうなると始終仕事のネタを考えている人と全部芸の肥やしにしようとする人組み合わせで、どちらも過労死しそうなきがするなど。
しかも、どちらかが仕事がうまくいかなくなったら、冷たい八つ当たりの応酬になりそう…とまで。。。
なんて妄想もいいところです。笑
結局、割れ鍋に綴じ蓋で
お互いが空気のように存在しあってる長年の相手がぴったりくるのだろうなぁと思いました。
なんだかんだとニアホモのように意識しあってた二人が
あーあ。
くっついちゃったよ
と最後少し残念な気もして…けしかけた四方堂に余計なことをしたな〜なんて思ってしまいました。
幼なじみのほのぼのとした恋を読みたい方にオススメします。