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10年経っても俺を好きならその時にまた考えてやるよ
【リバーズエンド】も小説として、同時期発売となったことで、この【キャッスルマンゴー】の世界が完成したと思います。
両方読まれた方はきっと同じ事を感じられたのではないかと思うのですが、こちらのコミックは高校生の万視点だっただけに非常にBLでした。
小説は、BLと呼ぶにはあまりにそれが薄く、どちらかというと十亀俊司という人間の生き方の話だったと思います。
そんな点を考慮すると、このコミックでは、どっぷりと万視点に入れ込んで、彼の気持ちになって、切なさと健気さを存分に味わうことができる。
十亀はそうなんだ、という裏付けを持っているから、余計に彼等の恋愛が響いてくるものになるような感じがしました。
万の抱えるモノ
十亀の抱えるモノ
それらがスレ違いを産んで、追い詰めて、そしてひとつの到達点に至る。
十亀の元同級生の二宮の存在、十亀の同僚の吉田の存在、
それが彼等の後押しになっているのは、いかに彼等が人を愛すること、愛されることに不器用かという証明でもありましたね。
父を早くに亡くし、父親が大好きだったから、父の宝物であり家族の愛のよりどころであるホテルを存続させたい、盛り立てたいという目標のある万。
彼は、家族を大切に思う気持ちがゆえに、いっぱい我慢をしてしっかりしなくちゃ!と知らない間に気張っている。
それが十亀の出現により、弟を守るためという名目が実はミイラ取りがミイラになってしまう経過をたどってしまう・・・自分でも知らない間に。
直接的に頼っているわけではないけれど、監視という名目の元、彼の元でひと時の安心出来る場所を手に入れていたのです。
それが、夏祭りに友人とダブルデートのような形のダシにされていたことを知らずにもくげきされて、執着の薄い十亀は万を手放そうとして、
理由のわからない万は、不安になっていく。
そんな時に倒れた母の病気の心配と、家の切り盛りの心配。
大人の本音を聞いてしまったがための、さらなる自分で何とかしなくてはならないという重圧に追い討ちをかけるホテルのボヤ。
悟は十亀と親しくしてるのに、自分だけ爪弾きにされているような疎外感。
もう、万視点でずぶずぶに入れ込んでしまって、もういいよ、頑張らなくても。
誰かなんとかしてあげて!
切なさMAXで追いかけてきます。
万が十亀に執着を見せたことで、彼は少しは変われることができたのでしょうか?
万の一途な愛が、十亀の救いだと思えました。
そして周囲の人々のあったかさと。。。
この点がすごくBLだな~と思えた所以です。
恋愛が中心にある。そしていつもの木原小説のように痛い人も登場するにはするが、それは今回のこのコミックの中ではあまり登場しない。
わりと善意の中で展開していくからです。
十亀の執着の薄い理由、そして彼がその後どうなったのか?小説で見届けることにしましょう。
ムクさんの絵柄が、とてもよい雰囲気を出していました。
十亀の無表情と、感情が出たときの差。
ちび絵や、コミカル画風で緩急を取るうまさ。
もうこの絵以外では十亀と万は想像できません。
(悟のかわいさと、吉田の人の良さも注目でしたね♪)
2回も発売日がずれてジリジリしました(汗)
連載されたのを読んでいなかったので、やっと終わりがわかってホッとしてます。
私は最後はハッピーエンドじゃないとイヤなので、この終わり方は大満足です。
(木原作品はアンハッピーが多いという噂なので実は読んでいない・・・。ムクさんの絵が
好きで読み始めた作品です)
最初から二人の擦れ違いが切なくて。。。
せっかく熱海に行こうねーって時にいきなり訳もわからず十亀に突き放された万がかわいそうでした。
小説のほうを後から読んで「なるほど」と思ったのですが、最初万を避ける十亀のかたくなさが
理解できなくて。
相手のことを思いやる・・・プラス、全てにおいてあきらめることに慣れていたのですね。
離れていてもお互いに相手の事を片時も忘れたことはなかったのに。
執着心を見せない十亀に対し、万は自分が十亀が好きだと気づいてからあきらめなかった。
抱きついた身体を突き放されても、知らないうちに引っ越されても。知らないうちに海外に行ってても。
吉田の計らいで、長期ロケから戻ってきた十亀とやっと会えた万。
「8年6ヶ月たっても(十亀が好きという)気持ちは変わらない。」
泣きながら走り去る万をやっと追いかけ、抱きしめる十亀。あぁ、よかったよ(泣)
全てにおいて執着のなかった男と、どうしても離れたくないと思った男と、きっとお互いに必要な存在だったのですね。
ストーリー的には、甘くもなく、萌えも少ないですが、重厚で読んだ後に心地よい疲労感が残る・・・
そんな作品でした。
・・・・しかし・・・・吉田さんって超いい人(笑)8割方この人のお陰で二人がくっついたと言ってもいいと思う!
あと小説にも出てきた十亀の友人、二宮もいい感じで助けてくれました。Wいい人(笑)
コミックには木原さんのミニストーリーがついています。
やっと念願の(?)熱海に行ったお話し。これはちょっとエロいです(笑)十亀の言葉攻めが(笑)
小説にはムクさんのミニ漫画がついてました。万の卒業式の朝・・・かな。ほのぼの~。
万目線の「キャッスルマンゴー」と十亀目線の「リバーズエンド」両方を書き上げた木原さんと
コミック・挿絵を担当されたムクさん。お疲れ様でした!!
ようやく発売になったこの本。
届いてみて、まず普通のコミックスより、ずいぶん厚いのにビックリ。
2,3と分けるか、1冊でなんとしても終わらせるか、迷う分量。
発行が遅れたのも納得。
でも、待っただけのことはある、納得の1冊でした。
万は、整って大人びて見える容姿ですが、実はまだ、高校生の子どもで、
考えていることも世間知らずで、
そして、責任感だけでは、子どもにはどうにもならないこともある。
一方、悟は、まだ身体も小さく、明らかに、まだ守られているべき子ども。
頑なで、甘えられない子どもの万の姿かたちには、この、小椋さんの、大人でもなく、子どもでもない、絶妙なバランスの絵が不可欠だったと、終わってみてつくづく思う。
木原作品ってどれも最終的に、何があっても分かちがたい、番の伴侶を得る物語だと思っているのですが、このキャッスルマンゴーも、とうとう万が粘り勝ちしましたね。
よかった、よかった。
待望のキャッスルマンゴー2巻です!
私はリバーズエンド本編+プロローグ→キャッスルマンゴー2巻→小椋ムクさんのペーパー→god bless you→木原音瀬さんのペーパーという順番で読みました。
1巻があんな終わり方だったので続きが気になってしょうがなかった!本当はこの2巻をすぐにでも読みたかったのですが、悩んだ末リバーズエンドを先に読みました。やはり、漫画の2巻より先にリバーズエンドを読んで良かったです。
十亀の過去を知った上で2巻を読むのと、知らないで読むのとでは十亀の印象が違うのではないでしょうか。正直、私も小説を読んでいなければ何故あんなにも十亀は諦めが良すぎるのか不思議になるかと思います。そして急に万を避けだす十亀にモヤモヤしていたに違いない!1巻の甘さは何処へやら、という感じですからね。
でも小説を読んで十亀の過去、心の傷を知っているとその行動の訳が分かるので、2巻の展開をより受け入れやすくなる気がします。
実はここまでリバーズエンドの方でも同じ感想を書いています。上記の順番で読んだもので、この2巻の感想を語るには小説の内容も不可欠なのです。
本当に小説を読み終えた直後にすぐにこの2巻を読み始めましたよ。これは時間を空けてはいけないと思いまして。小説で号泣しすぎたので、漫画の方で出す涙は残っていないかと思ったのですが、そんなことはありませんでした。むしろ、十亀の過去を知っているからか余計に気持ちが入ってしまい、読み終えた時のティッシュの残骸は小説の時と同じくらいでした。
この2巻の見所は、何と言っても不器用ながらも頑張っている万の姿ではないでしょうか。十亀に何度突き放されても諦めず気持ちを伝える万に心打たれました。
はっきりと突き放されるのは2度ですね。海外へ行く前と帰って来た後。あそこは胸が痛かった…万の泣き顔に私も涙を堪えられませんでした。
キャッスルマンゴーは万の粘り勝ちですね。決して流されたと言う訳ではなく。十亀にも万を想う気持ちは十分あります。だからこそ「十年経っても~」という言葉が出てきたのだろうし。
でも、リバーズエンド収録のgod bless youを読んで分かる通り、十亀の執着しない諦めの良さは健在です。万が十年かけてこの男を変えてくれる事を願ってます。
あと、個人的にすごく好きなシーンがあります。二宮に十亀の過去を聞かされてショックを受けた万が、その時の十亀に会っていたらと考えるシーン。あれはすごく良かった。万の想いにじーんとしてしまいました。この後の、「キス!?」と我に返るのがまた可愛くてたまりません。
最後に、小椋さんの描くキャラクターが本当に素敵でした。これ以外は絶対に考えられません!
やっとやっと入手することができました。
そして、待ちに待った分、ページが多く、厚いのが嬉しい。
1巻目から間が結構あいたのですが、全く色あせない物語。
こういうのって、とても貴重なのだと思う。
これは、木原さんと小椋さんの作品なので、良いものに違い無いのですが、
改めて、この作品には、小椋さんでないとならないものだったな
と感じずにはいられません。
万には、女性と付き合えた方が幸せだろうという想いから、
距離を置く、十亀。
万にとっては、急に距離を置かれ、突き放されてしまったことのショックなのですが、
それでも、自分からぶつかっていく強さを感じます。
2人の距離感、離れていたものが近づくことを感じることができ、
心にしみわたる作品でした。